女神 (新潮文庫)

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レビュー : 106
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050256

感想・レビュー・書評

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  • 三島由紀夫 「 女神 」男女小説 短編集

    舞台演劇的〜常に2人の人物の対話を中心に構成。色々な読み方ができるが、美とエロスを対立させた 二元論的小説として読んだ

    *女神=父から見た娘へのエロスのない美
    *美は 神様からの授かりもの〜この世の通常のもは全部捨てる→母、恋、結婚を捨てて 初めて女神となる
    *美は崇拝と信仰により到達する
    *完全なる美術品たる女性が 他の美術を鑑賞する必要なし
    *個性美は禁物〜美は均衡の上にしか成り立たない

  • 収録されている数ページの伝説という短編が非常に素晴らしい

  • おもろい、三島由紀夫おもろい。
    ミステリーとか読んでいると、文章というよりも、むしろ物語を読んでいる感があるんだけど、この作品とかは文章そのものを読んで、その言葉使いとか表現の巧さとかで楽しんでいる。
    だから楽しめるかどうかは文章にかかるところがある。
    文章には疎い俺ですが、三島由紀夫の文章は綺麗だと思う。まだ2冊しか読んだことないけれど。
    とても繊細。そのきめ細かさが、純粋な恋愛をより際立たせる。

    「女神」も面白かったけれど、「恋重荷」「侍童」「朝の純愛」の3作品が特に良かった。
    「侍童」中の「目が見上げていないが、唇が星空を見上げている。」という表現がめっちゃ好き。脱帽。
    若さへの捻じ曲がった執着を描いた「朝の純愛」。出会った当時の若い姿を頭に描いて接吻する夫妻。愛しているのは今の相手ではなく、若かった時の相手の幻影。果たしてこれは異常と言い切れるのだろうか。

  • だめ?オレもこうしたい。
    だめ?

    女を美しく育てる。

    でも、とられちゃしょうがないよね。苦笑

  • 三島由紀夫が描く「美」。空襲によって顔に火傷を負った妻に代わり、娘の朝子を美の女神へと育て上げる男。しかし、美はやがて崩れ去るのが三島の定石。果たして朝子はどうだったでしょうか。表題作ほか10編。

  • 「お嬢さん方、詩人とお附合いなさい。何故って詩人ほど安全な人種はありませんから」

    短編集。『女神』が一番好きだけど、心にひっかかったのは『接吻』の台詞でした。

  • 『仮面の告白』に引き続き三島ブームが来ているので再読。人工美によって構築された女神たちと、それを崇める男たちを描いた短編集。三島の理知的で論理的な文章は余情に欠けるが、豪奢で絢爛な美を創り上げられるのは、その文章ゆえになせる技なのだ。表題作が一等好きだが「雛の宿」は何度読んでもいいし「朝の純愛」も気に入った。「恋重荷」の謡曲を踏襲した古典美と官能も見事だし、蝶々の濃縮された美学にも心を打たれた。三島は短編の名手とは呼べないけれど、まさに名短編集と云っていい。

  • 美に絶対的な価値を置く周伍が戦火により美貌を失った妻に代わり、自らの娘をかつての妻のように仕立てていきます。そんな彼と娘を取り巻く人間模様や様々な心情が生々しく描かれています。
    必ず人々の目を惹き、記憶されるほどの美貌を持つ「完全な女」となった朝子は重なる葛藤の中に最後に何を見出すのか、妻依子の憎悪と嫉妬は何をもたらすのか、最後まで一気読み必至でした。
    私にとっては味わい深い結末です。
    その他、短編も多く収録されており、「伝説」、「哲学」が特にお気に入りです。

  • <目次>
    女神
    接吻
    伝説
    白鳥
    哲学
    蝶々
    恋重荷
    侍童
    鴛鴦
    雛の宿
    朝の純愛

    2015.06.12 天狼院で買う。
    2015.07.24 読了
    2018.03.02 シミルボン書評

  • 「女として美しくなかったら一文の値打ちもない」
     このような信念(執念とも呼ぶべきか)の元、男は妻を女神のような美の化身に仕立て上げる。しかし彼女はあるとき、空襲により顔に大きな火傷を負ってしまうのだ。美しさにこそ自分の価値を見出していた妻は、美しさを失った、否醜くさえなった自分の姿に絶望する(美しさしか認められてなかったのやからそらそうなるわ)。「おいお前責任取れよ!」、と男に言いたいところだが、こいつは妻以上に絶望し、挙句「娘を理想の女性に仕立てよう」という新たな情熱に火を灯す(ほんまのクズやった)。
     人は見た目じゃないなんていうのは建前やと思ってるけど、見た目に100%の価値を置くのは危うい考えだなと。美しいだけの女は脆い。特に自己評価はバランスが大事だなとつくづく感じ入る。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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