- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101050386
感想・レビュー・書評
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タイトル通り、十六才から十八才のあいだに先輩にあてて出された手紙集。今みたいにメールだの携帯だのない時代の人は筆まめだなあ…などと思う反面、自分も高校生くらいの時はやっぱり手紙魔だったなあとか思うと案外、三島由紀夫も普通の十六才(笑)。とはいえ、今みたいに裕福な時代ではなく、第二次世界大戦直前の緊迫した時代に、軍事訓練とかしながらそれでも文学のことで頭がいっぱいだった文学少年の天才は、やはり自分のような凡人の遥か及ばない境地だなあとしみじみ思います。反面、普通に共感できてしまう子供っぽい部分もあったりして(自分の作品を嬉々として解説してみせたり、お薦めの本の感想を書いたりしてるところなんかは、現代の自分らと何ら変わることはなかったりしますし)なかなか興味深かったです。
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文学がたしかに藝術であったころの、一藝術家としての三島由紀夫の輪郭。それを、こんなにもはっきりと見ることができたのは初めて。当時の文壇とそれをとりまく空気を体感できる、とても密度の高い一冊でした。彼の学に対するコンプレックスや父親への複雑な気持ちなど、一人間としての個性が垣間見られる点も魅力的に感じます。
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こういうのを読むと本当に天才だなぁと思いました。
あと当時の書店の風景が書いてあるのが興味深かったです。 -
2009/9/22図書館で借りる
2009/
三島由紀夫の書簡集です。十代に彼はどんな事を書いていたのか、気になります。
この写真、すごくかっこいい。
本書は三島由紀夫が学習院中等科・高等科に通っていた頃に、文芸部の先輩であった東文彦に宛てた手紙を集めたものです。
三島の父は文学をするものを「亡国の民」だと言っていた。父の愛読書は、「フランス敗れたり」「ヨオロッパの七つの謎」…である。
三島は手紙の最後に詩を何編か書いている。
p128-9が好き。
・貴翰(相手を敬って、その手紙をいう語。)
・玉稿(りっぱな原稿。相手を敬って、その原稿をいう語。)
・芳墨(他人を敬って、その書状・筆跡をいう語。)
・拝読(読むことを、その筆者を敬っていう謙譲語。)
・委曲(詳しく細かなこと。)
・寡聞(見聞が狭く浅いこと。)
・蒼古(古めかしい中に深い趣のあるさま。)
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よく見ろ、日本人。これが天才だ。
・・・とでも言わなきゃやってられないくらいの才能。 -
三島さんは『魔の山』あまりお気に召さなかったのね。残念・・
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つまり、私は由紀夫ちゃん(失礼)が大好きだって事です。
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三島由紀夫の作品





