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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784101050461
感想・レビュー・書評
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三島由紀夫生誕100年
今日は、誕生日です
1963年書き下ろしの「午後の曳航」
宮本亜門さんがオペラにしているようですけど
どんな舞台だったのでしょうか
1976年イギリスを舞台にして日米合作映画化
こちらもどうなっているのか興味ありです
今年になって神奈川近代文学館の展示が常設展に変わったのでお天気の良い日に訪問
こちらの文学館の三島由紀夫コーナーで推されている一作が「午後の曳航」です
小説の舞台が横浜の山手、文学館の周辺となっているからと思います
主人公の13歳の少年は、父親は早くに亡くなり
母子家庭で大切に育っている
母は父親が残した輸入品のブティックを経営している
このブティックが横浜元町にあるお店をモデルとしている
小説の創作ノート、横浜取材時の三島由紀夫の写真等の展示もありました
母子で長く暮らす家庭に若い航海士の男が加わる
少年は出会った頃の航海士に海の男として羨望していたが、陸にあがり母親との結婚を決めて
父親という俗悪に落ちる男を許せない
少年は、彼に処罰を決心する
1963年の小説とは思えない驚きがあります
まず、息子と仲間の少年達による小動物への虐待
そして、リーダー格の少年による“14歳に満たない者の行為は、罰しない”という少年法への言及
次に、息子が自分の部屋の隙間から母親の部屋を覗くという行為
古い映画で青い経験(違うかな?)あたりで
思春期の少年の好奇心を表現していたと思う
13歳の思春期の少年達
彼とその仲間達の危険な思想
「世界の圧倒的な虚しさ」
新解説は 久間十義氏
なかなか広範に解説されていて把握しきれないけれど “意地悪く言えば サガンの「悲しみよこんにちは」の父娘逆バージョン”ということには同感でした
少年が男が父親となると決まってからの拒絶的言動に「悲しみよこんにちは」を思い出していた
少年達が父親、教師らの存在に対して抱く拒否感は、サガンの少女のアンニュイさよりも明確な
拒絶として書かれている
しかも、ラストを迎えるシーンがとても好みなのです
初めて読みましたが、とても好きな小説でした -
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読んでいただきありがとうございます♪
もう三島由紀夫Tシャツプレゼントしたいくらいです╰(*´︶`*)╯♡読んでいただきありがとうございます♪
もう三島由紀夫Tシャツプレゼントしたいくらいです╰(*´︶`*)╯♡2025/04/27 -
おびのりさん♡
「凄いなぁ 三島由紀夫♪」の上をいく凄さ♡
おもしろすぎました。凄すぎました✨
『午後の曳航』読めたこと本当に嬉しくって
...おびのりさん♡
「凄いなぁ 三島由紀夫♪」の上をいく凄さ♡
おもしろすぎました。凄すぎました✨
『午後の曳航』読めたこと本当に嬉しくって
まだ…興奮が続いています
これも…おびのりさん♡のおかげです
本当にありがとうございます♪
三島由紀夫Tシャツ 欲しーい (((o(*゚▽゚*)o)))♡
2025/04/27
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かつて読んだのは『金閣寺』『潮騒』『仮面の告白』『豊饒の海』。随分長いこと読んでこなかった三島由紀夫。それでも印象は以前と変わらない。鋭利に突き刺したまま折れてしまう刃のような文。地の文にも登場人物の会話文にもひと続きの熱さを感じた。
英雄となるのを夢見るのは子ども、英雄になれないことに気づくのが大人。また、勝手な記号化によって自分本位の秩序に押し込めて、世界を了解した気になるのは子ども、その秩序からの脱却をはかるのが大人、ともいえる。三島はどちらでもあって、その狭間で焦燥していたように思う。
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▼好みかと言われたら、あまり好みではないのです。が、問答無用に面白かった・・・。脱帽です。三島由紀夫の小説って、多くのひとにとって、一体全体どうなんでしょうか???
▼舞台がバリバリ横浜元町あたりなのも、横浜市民としてはちょっと高得点でした(物語の舞台の元町は近くはないですが(笑))。要は、
・元町でオシャレな高級輸入衣類雑貨店を営む未亡人のシングルマザーさんがいて
・その人が孤独に海で生きてきた船員さんと出会い恋に落ち
・再婚するんだけど、未亡人さんの13歳(だったか)の息子が・・・。
というお話です。ここで三島さんらしい強烈な異臭?を放つのは、息子です。
▼息子は同級生6人くらいと、言ってみれば「カルト集団」を組んでいます。表面は皆、金持ちボンボンなんですが、歪んだプライドで自らを尊と為し、実に悪魔的なまでに「通俗」と「リアルな人間関係」を蔑んで殺意すら抱いている。その傲慢さは一種、普遍的ですらあります。
▼この何とも痛く恐怖で滑稽で深刻な純粋さ。一方で世故に摩耗し、俗に削られ、いろいろあった末のオトナな恋愛。この二つがスリリングに交錯する。触れなば切れんサスペンス。悲劇的な緊張感。炸裂する寸前のような濃密な文章技術。スティーブン・キングが濃縮凝固されたかの如く。とめどなく匂い立つ暗黒と無垢・・・。褒めるしか打つ手がない…。
▼長いこと、それこそ十五の歳から二十年以上、三島由紀夫さんは「食わず嫌い」だったんですが、四十を過ぎて勇気を出して挑みました。ここまでに
①「仮面の告白」
②「金閣寺」
③「潮騒」
④「豊穣の海(一)春の雪」
⑤「三島由紀夫のレター教室」
⑥「複雑な彼」
⑦「命売ります」
と読んできました。
エンタメに軸足を置いた⑤⑥⑦は、ウディ・アレンかカウリスマキのような「凄みのある軽さ」に舌を巻き。
「ここは、本気ですから」的な①~④そして「午後の曳航」は、どれもこれもがヘヴィー級のパンチにひたすらリングサイドに追い詰められて1ラウンドKO負け、とでも言うべき力感。ヒトと社会という風景は、なにゆえここまで醜く酷く滑稽で美しいのかしらん。この人は、本当に日本語で小説を書くことの名人です。もはや茫然。
・・・なんだけれども、基本的には「好き」ぢゃない(笑)。でもなんかもう、どうしようもない(笑)。
豊穣の海の(二)に、進まざるを得ないか・・・。 -
鋭利なカミソリのような壮絶なる中二病小説。
主人公の登やその仲間たちはまさに14歳、観念的な正義と、そして妥協的な大人への侮蔑の念を共有することで結束している。
そして同時に、船乗りとして大海原で見た夕陽や南国のむせかえるような熱気の中で人生の至上のときをやはり観念的に味わい、同時に房子との恋愛を通じて分別ある大人への道を選ぼうとしている竜二。
美しき理想と、それを乗り越えるための成熟という名の妥協。これらの葛藤は三島のメインテーマかもしれず、また、「別のあり得たかもしれない生」への憧れと密かな後悔は、実は村上春樹がテーマとして継承している。
さて、この小説のこわいところは、たとえば中二病まっさかりの中二が読んだら、そしてその読者が賢ければ賢いほど、本気で登たちに共感するだろうということだ。欺瞞的な大人を罰し、あるべき世界の秩序を回復するためなら、平気でおそるべき計略を練る子どもたちに、、、
たとえば三島の遺作とも言える「奔馬」では、この辺についてちゃんと種明かし的な解説を入れてある。
「勲は『決して憎くて殺すのではない』と言っていた。それは純粋な観念の犯罪だった。しかし勲が憎しみを知らなかったということは、とりもなおさず、彼が誰をも愛したことがないということを意味していた」(P407)
というように。
ここでは三島は、平たくいってしまえば、「お前のその薄っぺらい正義感、童貞捨てればなくなるよ」と、ささやいている。しかし本書にはそれがない。
若い読者は、とくに登やその仲間のように親の愛を十分に受けられていない(そしてそのことに無自覚な)子どもたちは、自分の正義感を全肯定されたと感じるかもしれない。
さて一方で、竜二と房子の恋愛の描写はたとえようもなく官能的。それこそ中坊には早すぎる。この濃厚さが、たとえそこになんの解説もなくても、あるいは中二病的な自己絶対視にたいする絶妙な解毒剤になっているのかもしれない。
というわけで、名作はなんでもそうだが、読んだときの年代によってあまりにも感じ方が変わる傑作小説。 -
三島由紀夫の性癖がこれでもかと盛り込まれていて好き。男の色気の描写が無駄にえろい。
猫が死ぬのだけが無理だった。人は死んでもいいけど猫は死んではいけない。 -
サクッと読める三島作品。だが内容は紛れもなく三島作品。
美しい文体を使いながら、恐るべき子供たちと落ちていく大人達を対比的に描かれていく。登場する少年の心理描写は三島自身の投影かと思えるほど早熟で思慮深い。そして、残忍と残酷さを美化し大義とする。目を背けたくなる描写が挿入されるが、これこそ大義を曳航するための子供達の儀式だったのだろう。
著者プロフィール
三島由紀夫の作品






遅くなりましたがおめでとうございまーす
ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
遅くなりましたがおめでとうございまーす
ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
そうか、殺しちゃったか。
高校生のわたしは、そのことについて、どうして何も思わなかったのだろう。
なんかそれだけでもう凄いと思います
そして、この小説のおしゃれなところは、
少年達が 計画を実行して...
なんかそれだけでもう凄いと思います
そして、この小説のおしゃれなところは、
少年達が 計画を実行している途中で
ラストを迎えるんです
思春期の少年達が 大人の男性に抱く嫌悪感
今だと厨二病とかになってしまいますけど
家庭に入った異物からの亀裂
冷淡さで言えばサガンの方ですけど
今まで読んだ三島由紀夫の中でも上位でした
(個人差があります)