- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101050508
感想・レビュー・書評
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三島由紀夫の戯曲2篇。小説に比べると、戯曲作品の方がプロデュースを意識している為かタイトルからして戦略的だ。
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1960年代に書かれた二本の戯曲のカップリング本。
一方はフランス革命前後のフランスを舞台に、
マルキ・ド・サドを巡る――本人不在の――
女たちの感情のぶつけ合い、
他方は二つの世界大戦間期、
首相に任命されたナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーと、
彼を取り巻く男らの腹の探り合い。
片や花、片や鉄のイメージだが、
さながら二幅対といった趣で好対照を成し、
どちらも緊張と陶酔に充ち満ちている。
薄い本だが熱量は凄まじい。
■サド侯爵夫人(1965年)
長女ルネの夫=
ドナチアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド侯爵の悪行と、
その刑罰のことで気を揉むモントルイユ夫人と、
あくまで夫を庇おうとするルネ。
それぞれの人生哲学を戦わす壮絶な母娘喧嘩を経て、
革命の最中、ルネが見出した真理とは――。
※モントルイユ夫人の相談を受ける悪徳の貴婦人、
サン・フォン伯爵夫人の妖艶さ、気風のよさが魅力的。
■わが友ヒットラー(1968年)
1934年6月、ベルリン首相官邸。
アドルフ・ヒトラーを巡る男たちの友情と陰謀と裏切りを描く。
ト書きは極端に少なく、四人の登場人物――
殊にナチス私兵・突撃隊幕僚長エルンスト・レームと
左派グレゴール・シュトラッサー――の
熱っぽいセリフが綾なす会話劇。 -
解説までずっと興味深い作品ははじめてだった
わが友ヒットラー はレーム隊長の視点だったのか -
昔、シェイクスピアの和訳本を読もうとして挫折した演劇調の本。そうとは知らずに購入して、開いて、読みきれるかなと不安に思ったけど…結果的には面白かった。
舞台の(ステージの)情景が想像できた気がするし、内容も歴史上の世界観の断片的な場面に興味をそそられた。 -
演劇のために読み返した。
三島は女じゃなくて女を心に持つ男を書くのが一番良いやあと思った -
難しい
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ひっくり返る立場。
本人不在の会議が続く -
サド侯爵夫人が面白かった。我が友ヒトラーは当時のナチスの時代背景が分かっていないと、十分に楽しめない。
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それにしても際どい題材が標題に2件。
手にする人も芝居する人もいるのかなぁ、と。
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