サド侯爵夫人 わが友ヒットラー 新版 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2020年10月28日発売)
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050508

感想・レビュー・書評

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  • 三島由紀夫の戯曲2篇。小説に比べると、戯曲作品の方がプロデュースを意識している為かタイトルからして戦略的だ。

  • 『サド侯爵の生涯』澁澤龍彦
    『アドルフ・ヒットラー』アラン・ブロック
    から着想を得て書かれた、三島が「一対の作品」と
    言うように見事な対になっている作品。

    それぞれの作品のサド侯爵夫人(ルネ)とレーム
    が自分の信条を譲ることなくわが道を進んでいく
    あたりは内容は全く異なりますがジッドの
    『狭き門』を思い出しました。

    ぽんぽんと会話のみのやり取りが続く戯曲を
    読むのは苦手なんですが、この二作品は
    一人の口上が長く読みやすかったです。

    『わが友ヒットラー』で扱われているレーム事件を
    今回初めて知りました(-_-;)まだまだ不勉強です。

  • 1960年代に書かれた二本の戯曲のカップリング本。
    一方はフランス革命前後のフランスを舞台に、
    マルキ・ド・サドを巡る――本人不在の――
    女たちの感情のぶつけ合い、
    他方は二つの世界大戦間期、
    首相に任命されたナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーと、
    彼を取り巻く男らの腹の探り合い。
    片や花、片や鉄のイメージだが、
    さながら二幅対といった趣で好対照を成し、
    どちらも緊張と陶酔に充ち満ちている。
    薄い本だが熱量は凄まじい。

    ■サド侯爵夫人(1965年)
     長女ルネの夫=
     ドナチアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド侯爵の悪行と、
     その刑罰のことで気を揉むモントルイユ夫人と、
     あくまで夫を庇おうとするルネ。
     それぞれの人生哲学を戦わす壮絶な母娘喧嘩を経て、
     革命の最中、ルネが見出した真理とは――。

     ※モントルイユ夫人の相談を受ける悪徳の貴婦人、
      サン・フォン伯爵夫人の妖艶さ、気風のよさが魅力的。

    ■わが友ヒットラー(1968年)
     1934年6月、ベルリン首相官邸。
     アドルフ・ヒトラーを巡る男たちの友情と陰謀と裏切りを描く。
     ト書きは極端に少なく、四人の登場人物――
     殊にナチス私兵・突撃隊幕僚長エルンスト・レームと
     左派グレゴール・シュトラッサー――の
     熱っぽいセリフが綾なす会話劇。

  • 解説までずっと興味深い作品ははじめてだった
    わが友ヒットラー はレーム隊長の視点だったのか

  • 昔、シェイクスピアの和訳本を読もうとして挫折した演劇調の本。そうとは知らずに購入して、開いて、読みきれるかなと不安に思ったけど…結果的には面白かった。
    舞台の(ステージの)情景が想像できた気がするし、内容も歴史上の世界観の断片的な場面に興味をそそられた。

  • 演劇のために読み返した。

    三島は女じゃなくて女を心に持つ男を書くのが一番良いやあと思った

  • 難しい

  • ひっくり返る立場。
    本人不在の会議が続く

  • サド侯爵夫人が面白かった。我が友ヒトラーは当時のナチスの時代背景が分かっていないと、十分に楽しめない。

  • それにしても際どい題材が標題に2件。
    手にする人も芝居する人もいるのかなぁ、と。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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