あしたのことば (新潮文庫)

  • 新潮社 (2024年6月26日発売)
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  • 本 ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101053813

作品紹介・あらすじ

思っていることが、なんで言えないんだろう。おしゃべりな周也と寡黙な律が、ちょっとした行き違いから気まずいまま下校していると――小学校国語教科書に掲載された「帰り道」や、亡き祖母に思いをはせる「遠いまたたき」、転校先で新たな一歩を踏み出す「あしたのことば」、書き下ろし「%」など、言葉をテーマにした9つの物語。子どもからおとなまで、すべての人の心に染みる珠玉の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 小学生が主人公の短編が9つ。
    最初のお話は小学校国語教科書に掲載されたということで、おおむね小学校高学年向けと思われるが、どの話もとても佳い話。
    そこはかとなく温かくて、大人のささくれだった日常に何気にささる。

    表題作「あしたのことば」が一番好き。
    「あの子がにがて」の馬や虫もいい。
    教科書に載ったという「帰り道」や「富田さんへのメール」は大人でも同じようなシチュエーションになる時はあるよね。
    文庫化にあたり書き下ろされた「%」もほのぼのして、本の締めくくりに相応しかった。

    色んな方が描かれている挿絵も楽しい。

  • 「また明日」
    って、良い言葉なんだ…
    と、改めて気付かされました。

    「言えなかった言葉はどこへ行く?」
    わかる〜、めっちゃわかる。
    言いたいことはすぐに伝えなきゃ、言えなくなるし、
    会いたい人にはすぐに会わなきゃ、会えなくなる…
    わかるよ、なんか言えなかった言葉、読んだら泣きそうになったよ…

  • 「あしたのことば」森絵都著、新潮文庫、2024.07.01
    189p ¥781 C0193 (2024.07.18読了)(2024.07.16拝借)
    かみさんが読んで「すぐ読めるから」と回してよこしました。いったん積んでしまうと忘れてしまうので、すぐ読んでしまうことにしました。
    短編集で、作品ごとに違うイラストレータの方が挿絵を描いています。
    単行本は、小峰書店からということなので、小学生向けですね。
    ちょっと息抜きにいいかもしれません。

    【目次】
    帰り道
    あの子がにがて
    富田さんへのメール

    こりす物語
    遠いまたたき
    風と雨
    あしたのことば


    ☆関連図書(既読)
    「風に舞いあがるビニールシート」森絵都著、文芸春秋、2006.05.30
    「カラフル」森絵都著、文春文庫、2007.09.10
    「おいで、一緒に行こう」森絵都著、文芸春秋、2012.04.20
    (アマゾンより)
    今、言わなきゃ、きっと二度と言えない――言葉をめぐる9つの物語。
    子どもからおとなまで、すべての人に贈る珠玉の短編集。
    思っていることが、なんで言えないんだろう。おしゃべりな周也と寡黙な律が、ちょっとした行き違いから、気まずいまま下校していると――小学校国語教科書に掲載された「帰り道」をはじめ、口に出せなかった思いをめぐる「遠いまたたき」、転校先で新たな一歩を踏み出す「あしたのことば」、文庫化に際して新たに加えられた書き下ろし「%」など、言葉をテーマにした9つの物語。子どもからおとなまで、すべての人の心に染みる珠玉の短編集。 人気イラストレーターとの豪華コラボも実現し、しらこ、赤、長田結花、早川世詩男、100%ORANGE、植田たてり、酒井以、中垣ゆたか、阿部海太、今日マチ子のイラストを収録。

  • 毎日は言葉で溢れているけれど、どんな言葉を選んで、どんな言葉で人と接するか、もちろん自分に対してもどんな言葉をかけるかで、毎日は彩られていくのだと再認識しました。
    毎日を楽しく、幸せに過ごしたいのなら、楽しく幸せになれる言葉を選んでいく。
    言霊って大切です。

    短編集で読みやすく、「あしたのことば」と「%」が特に好きで、全体的にもやさしい気持ちを思い出せるような素敵な1冊でした。

  • 森絵都さんだけど、国語の教科書に採用されたというように、小学生たちが主人公の短編集。ふたりの友人の話で、語り手が変わって、どんな気持ちだったか描かれる「帰り道」ど「雨と風」が好き。

  • めちゃくちゃよかった
    言葉どおりのことば、言葉にならないことば、言葉にできないことば
    色々なことば(しかも小学5年生というのが絶妙)がテーマになっていて、どの話もよかった

    「風と雨」もよかったけど、
    「%」もよかった

  • 児童向けの9つの短編集。
    主に小学生が登場人物で、子どもたちの小さな世界の話ですが、大人の人間関係にもそのまま当てはまるような話もあります。
    表題作も良かったですが、「風と雨」がとにかく良かった。「風と雨」は、良い意味で、自分の物事の捉え方がひっくり返りそうになりました。「風と雨」は凄い傑作です。
    全体的に短めの短編集で、並行して読んでいる長編小説の箸休め的な気持ちで読みましたが、思いのほか良かったてす。

  • 学校って「またあした」がある場所だから好き。「風と雨」も良かったです。

  • 言葉について考えさせられる短編ばかり。
    最初の作品が、小学校の教科書に載ったというのも納得。
    言葉はキャッチボールの手段だし、
    一度出したものは取り消せない。
    一つ一つの話で納得。

  • 面白かったです
    特に最後の一編が…

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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