- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101054148
作品紹介・あらすじ
"同性愛"を書いた作家ではなく、"同性愛"を書かなかった作家。恋ではなく、「恋の不可能」にしか欲望を機能させることが出来ない人-。諸作品の驚嘆すべき精緻な読み込みから浮かび上がる、天才作家への新しい視点。「私の中で、三島由紀夫はとうの昔に終わっている」と語って憚らない著者が、「それなのになぜ、私は三島が気になるのか?」と自問を重ね綴る。小林秀雄賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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三島由紀夫をあまり読んでおらず、かつ新派など演劇にも疎い自分には難しい本だった。でも、くどいまでに分析を続ける論評にどうしても惹きつけられる。小林秀雄論も素晴らしかったが、こちらは本人の作品を読んでから、もっと考えたい。
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代表作ぐらいは読み込んでおかないと、この本を味わうことはできない。当然。
それにしても著者の聡明ぶりが伝わってくる。 -
p.2021/7/7
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禁色を読まなきゃいかんと思わされました。なかなか読み進めにくい三島論。豊饒の海読み直さなきゃ。。。
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膨大な議論によって
兵士になれなかった三人の劣等意識を隠蔽しつつ
「金閣寺」に書かれていたものは
結局、ただの理由なき反抗にすぎなかった
しかしそれにしたって中途半端なのは
その時点の三島由紀夫にはとうてい理解できないだろう価値観
…すなわち、ナメられたら終わりという
本当ならあの作品が、それに基づくものでなければならなかったからだ
それを外しているからこそ「金閣寺」はあらゆる面で上滑りなんだが
戦後民主主義の申し子たる橋本治にも
やはり「ナメられたら終わり」が理解できなかったようで
三島由紀夫の人格を「行動者」と「認識者」に分けたまではいいけど
肝心の平岡公威をどこかに捨ててきてしまうんである
兵士として使い物にならないオトコオンナ
そういう烙印を押されてしまった平岡公威の絶望に対して
オトコオンナで何が悪いの?と
冷たく言い放てるのが橋本治であろうから
もちろん、それ自体いけないってんではないが
三島論としてどうなんだ、という話 -
文学
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自死についての本を読んだ後で、三島由紀夫をもう一回調べたいと思った。豊穣の海と金閣寺は読んだ。仮面の告白も読んだ。この本には他の作品も登場するのでやはり意味不明なところが多かった。