死ぬまでに行きたい海 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2025年1月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784101056418

作品紹介・あらすじ

思い出の場所やいつか行ってみたかったところ、そして記憶の中を旅してみると、思いがけず心を大きく動かされることを知る。ぼったくられたバリ島。父が生まれ育った丹波篠山。思っていたのと違ったYRP野比。幼馴染との経堂での奇妙な再会。出不精な著者が見つけた、懐かしさと新鮮さが入り混じる風景の数々は、なぜだか私たちを切なくさせる。翻訳の名手が贈る少し不思議なエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 【裏方のコラム】『死ぬまでに行きたい海』――子どもの頃の記憶を辿って | 蔦屋通信 | 梅田 蔦屋書店 | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
    https://store.tsite.jp/umeda/blog/shop/18137-1322450112.html

    【第118回】間室道子の本棚 『死ぬまでに行きたい海』 岸本佐知子/スイッチ・パブリッシング | 特集・記事 | 代官山T-SITE | 蔦屋書店を中核とした生活提案型商業施設
    https://store.tsite.jp/daikanyama/blog/humanities/17439-1140551130.html

    ネにもつタイプ・五輪傑作選・1|ネにもつタイプ傑作選|岸本 佐知子,クラフト・エヴィング商會|webちくま(2021年7月15日)
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/2465

    翻訳家・岸本佐知子さんインタビュー 違う中にも「同じ」が見つかる。言葉の壁越えて繋がる瞬間が海外文学の醍醐味|好書好日(2019.11.16)
    https://book.asahi.com/article/12881643

    岸本佐知子『死ぬまでに行きたい海』特設ページ
    https://www.switch-pub.co.jp/kishimoto_sachiko/

    岸本佐知子『死ぬまでに行きたい海』 SWITCH PUBLISHING(スイッチ・パブリッシング)
    https://www.switch-store.net/SHOP/BO0101.html

    『死ぬまでに行きたい海』 岸本佐知子 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/105641/

  • 「死ぬまでに行きたい海」が一体どこだったのか、いまだに気になっている。

    相変わらずだなぁ、岸本さんらしいエッセイ・・・を期待していたら、これまでの『ねにもつタイプ』『気になる部分』「『ひみつのしつもん』の系列のエッセイとはちょっと毛色が違う。
    ご本人は「超がつくほど、鬼がつくほどの出不精」のはずが、色々の場所へ出掛けている。あとがきで「MONKEY」の連載のため、仕方なく出掛けていたことが判明。でもそればかりではなさそうだ。飲むための合宿を毎年行っていたり、友人と上海やバリ島などへ旅行へ行ったりしている。知らない岸本さんが、ここにいた。
    これまでひたすら机に向かうか、脳の中でぐるぐるしているイメージを文字にするか、家の中で何かしているか浮かばなかった岸本さんの、出掛けた先での実体験、過去の記憶といったリアルな描写に溢れている。過去には自信のないOLの姿だったり、本を読んで行きたかった海芝浦まで20年後にようやく一人で出かけたりする。丹波篠山に実家があり、祖母の代まで土葬だった。父親との記憶。どれも意外な印象。これまでほぼ頭の中しか知らなかった、これまで見たことのなかった、岸本さんの姿が浮かび上がってくる。それでも、本当にここへ行ったのか、夢で見ただけなのか、いつものように頭の中で想像して作り上げたものなのか、だんだんと、本人もわからなくなってきたようだ。
    『わからない』が積読してあって、いつ読むかは決まっていないが、また頭の中ぐるぐるのエッセイに戻るのだろうか。

  • 岸本さんの素晴らしい文章でつづられる、ちょっとノスタルジックで、ちょっと不思議なエッセイ集。
    私は、思い出や思い入れのある場所を訪ねるのはちょっと苦手。そこにまつわるいいことと一緒に、イヤなことも掘り起こされてしまいそうだから。でも、この本を読んで、私も行ってみようかなと少し思えた。岸本さんのように、変な妄想したり、面白く振り返ったり。できるといいな、私にも。

  • 「わからない」に次いで読んだ。日記も書評も詰め込まれた「わからない」と比べると、1つ1つの完成度が高いエッセイ集になっている。これは翻訳家ではなく書き手としての岸本さんにファンがついてもおかしくない、納得。笑える面白さや妄想はやや控え目でノスタルジックなタッチ。死ぬまでに絶対行きたかったこの海にとうとう行った、という話は出てこないユーモアは岸本さんらしい。

  • 2025/12/24 先日誤操作でブクログの本棚から消去してしまったのでこの機会にと思って読み返しましたが、やはりあまり楽しくは読めなかったなー。エッセイを読む楽しみは自分にはない視点や感情の発見だと思っているのですが、それがなかった。

  • 思い出とか体験て、自分にとっては情緒的で特別なことだけど、他人にとってはなんでないことだな、と思った。

    友達のインスタ見る感覚とほぼ一緒だった。

    エッセイを読む上で自分の価値観と、著者の価値観が近いかは、すごく大切なことだと思った。

    私には全く響かなかったけど、きっと感動する人もいるんだろう。

  • ほかの岸本さんのエッセイが陽だとすると、本書は陰のニオイがする。
    明るく楽しそうな話でも怖れや疲れが見え隠れして油断できない。

  • 他の岸本さんのエッセイのように、空想やあるあるにないなか繋がらずにそれぞれの場所と、それにまつわる記憶を丁寧に取り上げているという印象だった。
    子供の頃の朧げな記憶はどこかホラーであり、若いころの記憶は別人のように輝いてみえるものかもしれない。

  • とんでもなく奇怪な場所や危険な場所について書かれている訳でもないのに、ずっと得体の知れない不安を感じながら読んでいた。

    その場所に今も纏わりついているであろう、著者の過ぎ去った思い出とか、過去の著者の思念だとか、亡くなった人の影だとか、そういうものが免れられないやるせなさとなってじわじわ私の周りを湿らせていくようだった。

    作中で引用されていた、色川武大が富士山のことを指して書いた「あれはもうあの辺の才能を無駄に吸いとっているのであり、放置しておけば、界隈からすぐれたものが生まれる余地はない。即刻、切り崩しかき均してしまうのがよろしい」の文が無茶苦茶過ぎてとても好き。

  • 『近隣』が自分も抱く感覚でよかった

  • 岸本さんのエッセイは面白い。決して裏切らない感があって、愛読してます。

  • 翻訳家のエッセイ集。これまでに読んだ爆笑系のものをイメージしていたら、まったく違う世界。これ本当にエッセイなのか?脳をグラグラゆすられてる感じ。

  • なんだろうか、読みながら自分のあの場所を想像していい意味で内容が入ってこなかったかも。でも読後感は気持ちいい。

  • 一度も行ったことがない場所ばかりなのに、頭の中でその場所が作られ、著者とともに旅をしたような没入感があった。

    過去と今を行き来する記憶に、全て現実で起こったことが書かれているはずなのに夢見心地にさせられる。

    東京育ちの感性にどこか違和感を持つことが多いが、この本では全くなく親近感があった。

  • 岸本さんのエッセイ、とてつもなく良い。インドア妄想作品を書いている氏が、現実の行きたい場所、行ったことのある場所を綴るとこんな作品になるのか。現実もどこか曖昧で、過去は容易に姿を消す。そのかけらを拾い集める散歩が、現実と幻想との狭間の世界を歩んでいるようだ

  • "風が気持ちいい。このとろんとした川の空気の成分は何だろう。このまま海までボートで下っていってしまいたかった。枝豆、できたわよう。
    白サギがたおたおと飛んできて川の中ほどに立った。"

  • 死ぬまでに行きたい海は出てこない。この本が単行本化したときに、Twitterで「貴方の死ぬまでに行きたい場所」の募集をしていたような記憶がある。ハッシュタグで追うと、そこには全て同じ作者なのではと思わせるようなよい文が並んでいて、自分なら、と考えたような記憶がある。

    あえてそれを検索して確かめないことにした。もしまたこの感想を読み返すことがあったら、その時に検索しよう。

  • 懇切丁寧な翻訳をするらしいと音に聞く岸本さんのエッセイを初めて読んだ。
    エッセイによっては自分に合わなかったな〜というものがあるので少々怖いところがあったが、筆致が軽快で面白くて岸本さんのファンになってしまいました。

  • 岸本さんと一緒に小さな旅をする。彼女を追いかけて知らない土地と記憶を少しだけ、私は知る。

    岸本さんは「町の澱」を嗅ぎ取ってなぜかそこを目指して進む。私にはその道は怖すぎる。化け物が出るわけではないのに、ひやっとした感触をひとつの旅の中で味わう。
    本当と妄想が入り交じる。それって誰もが持っている心の裏側。探りあて、自分の過去に投影する技。土地が持つ記憶の地層を明らかにするさま。
    こんなエッセイを書けたら大満足で死ねるな、と思った。

  • 著者のエッセイが面白いと聞いて、手に取ってみた。母から それ読んだけど他の作品の方が面白かったな、と言われた先入観のまま読む。
    いろんな土地のその人ならではの思い出や記憶が詳細に書いてあって楽しく読めた。
    自分的にも気になっていた場所(YRP野比、海芝浦など)のことが載っていて嬉しかった。
    思い入れのある土地や気になってた土地に自分も足を運ぼう、と思えるきっかけをくれる本だった。バリ島の話が気になった。いつか行ってみたい、バリ島………………

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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