友情 (新潮文庫)

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感想 : 510
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101057019

感想・レビュー・書評

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  • 野島がんばれ

  • 想像していたより読みやすく、それでいて深い。
    面白かったしそれだけで終わっていないのが良かった。

  •  今から何十年も前に、大学生の頃に初めて読み、たいへん感動し背中を押されたように感じました。夏目漱石の「こころ」を写真のネガとし、これをポジに変換したような作品です。武者小路実篤はあくまで前向きです。

     今から一年ほど前、最初に読んだ頃のことを思いながら再読し、静かに感動しました。

     「主人公があまりに真っ直ぐすぎて、今の世の中ではあり得ないのではないか」という人がいるかもしれません。しかし若者はいつの時代にも純粋で真っ直ぐなものだと思います。

     ぜひ、今の若者にも読んで感動してもらいたい(ああ、また年寄りのようなことを書いてしまった……)。

  • モデルが著者・武者小路実篤と親友・志賀直哉であることは、かなり後になって知りました。スポーツ万能、大車輪ができた志賀直哉、女性にもてたことでしょう~(^-^)

  • 話はありがち。恋と友情の狭間で迷う男性たちの話。
    でも、なんやろ。いい。

    タイトルと違って、私は恋の感情の表現やら、男性の同性のできる友人に対する嫉妬や羨望、それと友情の間の揺れ動きの表現などが心地よかった。
    細かく心理描写をしているのに、くどくどしくなくて、「あー、みんなそうだよね」という共感を催す事ができた。

    引用をした50ページの恋する者の不安と、恋してない者の羨望もシンプルだけど、いい。

    主人公の1人、野島は杉子に世間の荒波を渡っていく為に、自分自身を信じることのできる力となってくれること、この世で野島だけを信じることを望む。恋愛ハウトゥーで読んだことあるけど、男性は自分を信じてほしいって本当なんだなぁと思ってしまった。

  • 最後の一文にゾッとする。

  • つまらな過ぎてびっくりした

  • 生誕130年を迎へた武者小路実篤であります。
    我が家にも「仲良きことは美しき哉」と書かれた南瓜の絵がありますが、これは素人目に見ても贋作に見えます。まあ仮に本物でも、武者氏は生前、求められるままに各地で書をしたため、気軽に与へまくつたさうなので、余り高い値はつかないのかも知れません。
    あ、カネの話は武者氏の作品を語るときに邪魔になるので、発言を撤回します。

    若き脚本家の野島君は、友人仲田君の妹である杉子に一目惚れします。何かと理由を付けては顔を見る機会を窺つてゐます。逆に内心を気取られまいと、わざと距離を置いたり。23歳にしては少し純情でせうか。
    杉子への想ひは抑へがたく、親友の大宮君には打ち明けてしまひます。大宮君は新進作家で、野島君よりも一足先に世間に出てゐて、ファンも多いのです。気のいい奴。

    案の定大宮君は、ヨッシャとばかりに、二人の仲を取り持たんと気を使つてくれます。彼は社会的に認められても、遅れを取つた野島君を軽んずる事もなく、敬意を示してくれるのでした。まさに友情。
    一方杉子さんは、いつも大宮君の従妹・武子さんと一緒で、仲が良い。屈託のない様子で、野島君にも好意を持つてくれてゐるやうに見えます。これは、いけるんぢやないか。
    気になるのは、杉子さんが時折見せる大宮君への眼差し、そして必要以上に冷淡な大宮君の杉子さんへ対する態度......

    その後は......あゝ、野島君の心中を慮ると、これ以上は語れません。
    表題は『友情』ですが、それより青春時代に誰もが抱く憧憬や恋愛、焦燥や挫折、残酷さといつたものを余すことなく表現した一作ではないかと思ひます。
    進藤英太郎に言はせたら「貴公は青いよ、若いよ」といふことになりさうですが、この群像劇の人物たちの未熟さを鼻の先で嗤ふやうになることを「成長」とか「成熟」なんて呼ぶのなら、なんだかそれはツマラナイ大人だなあ、と感じるのです。
    現代人の鑑賞には堪へ得ぬとの評も聞きますが、一方で新しい読者も増えてゐます。拙文をお読みの紳士淑女の皆様は如何でせうか?

    ぢや、また逢ふ日まで。ご無礼します。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-576.html

  • 有名な小説であり、読みやすい。
    作家を目指す青年(野島)が一人の女性に恋をし、厚く友情で結ばれている大宮に相談しながら過ごしていたが、ある時、その親友がその女性のことを好きになってしまう。
    忘れようとヨーロッパに行くが、あることにより、女性に心を知られてしまう。
    苦悩しながらも、自分に正直な道を選ぶ。
    男の友情があり、女性関係により、裏切るというかどうしようもない結果になった。
    大宮の苦悩、野島の苦悩、杉子の苦悩。其々性質が違う。

  • 自分も今、恋をしている人がいるから野島の気持ちがよく理解できた。
    杉子のちょっとした仕草、言葉に有頂天になったり、落ち込んだりする野島の心情が分かるのだ。
    最後の1ページで、私は野島は強い人だと感動した。親友っていいよな。
    「君よ、僕のことは心配しないでくれ、傷ついても僕は僕だ。いつかは更に力強く起き上がるだろう。」p.154

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著者プロフィール

東京・麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年、文化勲章受章。

「2023年 『馬鹿一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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