空想先生

  • 新潮社 (1957年11月1日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784101057057

感想・レビュー・書評

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  • 山谷五兵衛もの、と書いた所でそれ自体忘れそうなので既に読んだ真理先生、まだ読んでない馬鹿一に登場するキャラクターを紹介するストーリーテラーが語る短編集。今回は9篇収録。それぞれが作者の分身として書きたいこと(≒思想)を書いているよう。武者小路実篤の思想に触れるという点で良書かな。空想先生の最後の台詞「言わない習慣」のくだりが面白くて印象に残った。

  • この小説に出てくる登場人物たち・・・馬鹿一、白雲、泰山、空想先生は、人間とは何かを突き詰めて考えているようでなにか諧謔的であり、芸術に身を捧げているようでどこか韜晦的である。他者に依存して生きることを恥じない彼らの姿勢は、現代社会ではより受け入れられにくい存在かもしれない(戦後すぐでもそうだっただろうけど)。いかに偉そうに人生観を語っても「でも誰かに食わせてもらってんでしょ」と言われてしまうかもしれない。かつて食客だからこそ語れた人間礼讃は、今日では「ヒモが偉そうに語るんじゃねえ」になっているのかもしれない。

  • 山谷五兵衛、白雲子、馬鹿一、泰山

  • 080901(a 080916)
    101102(a)

  • 実篤晩年の連作に「山谷五兵衛(さんやごへえ)もの」というシリーズがある。ほとんどの話に山谷五兵衛という男が出てきて物語のきっかけを作る。

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著者プロフィール

東京・麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年、文化勲章受章。

「2023年 『馬鹿一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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