本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 / ISBN・EAN: 9784101057057
感想・レビュー・書評
-
山谷五兵衛もの、と書いた所でそれ自体忘れそうなので既に読んだ真理先生、まだ読んでない馬鹿一に登場するキャラクターを紹介するストーリーテラーが語る短編集。今回は9篇収録。それぞれが作者の分身として書きたいこと(≒思想)を書いているよう。武者小路実篤の思想に触れるという点で良書かな。空想先生の最後の台詞「言わない習慣」のくだりが面白くて印象に残った。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この小説に出てくる登場人物たち・・・馬鹿一、白雲、泰山、空想先生は、人間とは何かを突き詰めて考えているようでなにか諧謔的であり、芸術に身を捧げているようでどこか韜晦的である。他者に依存して生きることを恥じない彼らの姿勢は、現代社会ではより受け入れられにくい存在かもしれない(戦後すぐでもそうだっただろうけど)。いかに偉そうに人生観を語っても「でも誰かに食わせてもらってんでしょ」と言われてしまうかもしれない。かつて食客だからこそ語れた人間礼讃は、今日では「ヒモが偉そうに語るんじゃねえ」になっているのかもしれない。
-
山谷五兵衛、白雲子、馬鹿一、泰山
-
080901(a 080916)
101102(a) -
実篤晩年の連作に「山谷五兵衛(さんやごへえ)もの」というシリーズがある。ほとんどの話に山谷五兵衛という男が出てきて物語のきっかけを作る。
著者プロフィール
武者小路実篤の作品





