お目出たき人 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101057149

作品紹介・あらすじ

自分は女に、餓えている。この餓えを自分は、ある美しい娘が十二分に癒してくれるものと、信じて疑わない。実はいまだに口をきいたことすらなく、この一年近くは姿を目にしてもいない、いや、だからこそますます理想の女に近づいてゆく、あの娘が…。あまりに熱烈で一方的な片恋。その当然すぎる破局までを、豊かな「失恋能力」の持ち主・武者小路実篤が、底ぬけの率直さで描く。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが気になっていて、いつか読もうと思ったまま21世紀。気掛かりがひとつ解決。

  • 私の読書嫌いを変えてくれた武者小路実篤が久しぶりに本屋さんで目に入ったので購入しました。
    もう、さすが!この主人公の童貞感、身勝手さが武者小路実篤作品だったな〜と思い出しました。不気味で気持ち悪いところもあるけど、決して嫌にはならないからおもしろいです。タイトルの通り、見事なお目出たき人でした。
    作者はどういう感覚でこういう物語を書いていたのか気になります。

  • おめでたい主人公が私に似ていて面白かった

  • 片想いのすすめ。
    てゆうか片想いよ、すすめって感じ。Go ahead!

  •  主人公の身勝手な恋の失恋までの物語。題名の通り主人公はおめでたき人、過ぎる。
     しかも、その割には自分で動く事はなく、グダグダしてて何の進展もしない。人に頼ったりする。そしてその結果次第でその人にいちゃもんをつけたりする。憤慨ですね。
     でもそれが面白い。グダグダがあったからこその後半の高揚感があった。
     また、本編後に本編主人公が書いたと考えながら読む物語が幾つか入っていて、その描写はすごく面白かった。
     総じて、憤慨だった。

  • 2022.04.23 朝活読書サロンで紹介を受ける。200回記念。自分は女に飢えている。一目惚れ。話したこともないのに結婚を申し込む。

  • 一般的にはおそらくこんな感想だろうというのが浮かぶが、それはともかく、僕はこんなことを考えた。時間の流れ。そんな時の数分はとてもとても長く感じる。そんな時のそんながそれではなくて、さんざん考えているときでもそうかも知れないが。

    多くの人、テンポよくはっきりと生きていこうとしているけれど、ふとした時にごちゃごちゃ考えているのではないか。聞いてもいないのにあれこれしゃべって何かの説明をするのは、いっぱいいる。

    ともかく。

    予感は当たるか外れるか。

  • かなり昔の本だけど、共感できるところも多くて面白かった。読みやすいし、主人公の気持ちが細かく綴られていてよかった。最後はうまくいかなくて残念だったけどまあそうだよなーと思った。

  • 話した事もない女性へ恋心を爆発させる男の「超・妄想純愛劇」

    世が世ならPTAの皆様が意気揚々と出版社に凸しちゃう粘着ストーカー小説の題材になりそうだが…

    本主役はひたすら純粋で夢見がちでポジティブで高尚な侍か賢者だ。少し笑えて、割と切ない。

  • 誇り高き失恋ロマンチスト、武者小路実篤!
    友情、愛と死に続いて3作目読了。

    あ、目が合った!
    いま、絶対俺に微笑んでくれた!
    俺のこと好きに違いない!
    結婚だ!やったぜ!

    他の方と婚約しました…orz
    ってゆーお話。

    これは、本当におめでたい。主人公が笑けるくらいおめでたい楽天的夢想家。
    鶴という恋する女性をこれでもかってくらい理想化し偶像化して、チマチマあーでもないこーでもないって一人で考えて何のアクションも起こさぬまま振られるっていう、救いようの無いストーリー。

    巻末の阿川さんの解説がなんとも痛快。

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著者プロフィール

東京・麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年、志賀直哉らと「白樺」を創刊、「文壇の天窓」を開け放ったと称された。1918(大正7)年、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践、『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。昭和初期には『井原西鶴』はじめ伝記を多作、欧米歴遊を機に美術論を執筆、自らも画を描きはじめる。戦後、一時公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年、文化勲章受章。

「2023年 『馬鹿一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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