キッドナップ・ツアー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 321
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058214

感想・レビュー・書評

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  • 小学生も読むよ!と聞いて借りてみました。
    なるほど、小学5年生の女の子目線の話だし、簡単な漢字にもルビが振ってあり児童向けの作品なんだな。
    今どきの子供たちが最初に接する角田光代さんの世界なのかも知れません。

    自分と接する人達(おとうさん、親戚、旅先で出会った同じくらいの年の子、おとうさんの友達)との会話と
    言いたかったけど言わなかった(言えなかった)言葉が綴られて物語が進みます。
    特別大事件が起こるわけでもなく、日常ありそうな場面で感じている子供の気持ちがうまく語られていると思いました。

    小学生は自分と重ね合わせて読むのでしょうね。
    次は大人向けの角田光代さんの作品を読んでみることにしよう。

  • 初読みです。目線は小学5年生のハル。
    夏休み初日におとうさんにユウカイされたハル。
    旅行気分でついて行ったものの、豪華ホテルも
    ジャグジー付の風呂も贅沢な食事もない。
    おとうさんにはお金がないからだ。
    夏休みとしてイメージできることは、表面的にはやった。
    少しばかりの期待と、苛立ちと、諦めが交互にやってきて
    少しずつ汚れていくかわりに、何かが変わっていく。
    ただ・・・最後が切ない。
    お互いに軽いセリフを交わしてるけど、
    それって、普通の事じゃないでしょ。
    だから切なさが後を引きましたぁ~
    他の作品も読みたくなりました。

  • 二人の娘の父親として、何か大事なことを彼女たちに残すことができたのか、自問自答してみます。

    • kuroayameさん
      初めまして♪。
      私には子供がいないのですが、この作品父子家庭で育った私の境遇から、もっと遠慮せず疑問に思ったことなどたくさん話しておけばよ...
      初めまして♪。
      私には子供がいないのですが、この作品父子家庭で育った私の境遇から、もっと遠慮せず疑問に思ったことなどたくさん話しておけばよかったなんて考えさせられました★。
      この本と出会うことによって、娘さんお二人との接し方など見つめるヒントとなったみたいで、とっても羨ましいです♪。
      2012/09/05
  • 大人も楽しい、大人だから楽しい児童文学。
    児童文学ってこんなおもしろかったのか。
    もっと早くから読書すればよかった。

    なんか、ユウカイの理由がなんかそれらしいかんじで説明されて、
    さわやかなラスト・・かな?と思いながら読んでいったのですが
    終わり方が良かったと思う。
    だって、主人公は小学5年生だから。

    小さい時に感じた、もうずっと忘れてた
    リアルな夏休みが読めばひろがります。

  • 安い感動で親子の絆を強調した物語でないところが好感度高い。あくまで小学5年生の女の子目線で語られており、両親の取引内容とその結果や、その後の父と娘の関係などには一切言及されていない。その一方で、成長期の女の子特有の感受性による、他人あるいは自分の心の機微については実に細やかに、素直に描かれている。心と裏腹になるハルの態度も、娘に気を遣う父やそれに気づいたときのハルの感情も、誰しも覚えがあるもので、ああ、わかるわかる、と共感しながら(思い出しながら)読み進めることができた。
    物語全体を通して娘と父親のやりとりに終始しているところもいい。母親は終ぞその姿を現さないし、その姉妹は言わずもがな、ハルの記憶や言葉にしか登場しない。父と娘のみを軸に展開するにも関わらず、物語に閉じた印象を与えない、むしろ「親娘」ではなくそれぞれ立派な「個人」としての開けた人間関係を、終盤ハルは新たに見出したように思えた。その結果が爽やかな読後感を読者に与えているように思う。
    それにしてもハルはすごい言葉を父親に投げつけるなあ、でも言えなかった言葉の方がずっと多い(きっと父親も同じだろう)、その不器用さも愛すべき要素だな思った。

  • 忘れたくないシーンがたくさん。
    今の季節に読めてよかった。

  • 角田光代さんは初めてです。たまたま読了直後に直木賞受賞の報道がありましたが、実はまったく知らない作家さんでした。ただ、この作品については、解説を重松清が書いてることが理由で買ったようなものです。

    この作品は児童文学の領域に入るのかもしれません。子供の視点からみた父親を描いた作品です。しっかり者の母親(作品中にはほとんど登場しませんが)とだらしない父。ちょっと”北の国”の吾郎さんを思わせる設定です。

    その父親に反発を覚えつつ誘拐逃避行を続けるうちに、何となく父親の良さを認識してしまうというのが粗筋になりますが、直接的表現は無く、全体の雰囲気でそれを表現してるのが特徴でしょうか。一方、そのために、ちょっと伝わり難い部分もあるように思います。

    この人の作品、もう何冊か読んでみようか、と思いました。

  • 押し付けがましくなく、愛おしい父娘の旅。
    ああ、わかる、その気持ち!がたくさんあった。
    緊張してしゃべりすぎちゃうかんじとか、
    いらつきをどうしたらいいかわかんなくなっちゃうもどかしさとか、
    一夏越えて自分が大きくなったような気がする、そのかんじとか。

    誘拐の理由も気になるけれど、たぶんそれは、この旅以上の意味はないような気がする。

  • 父親に「ユウカイ」され、
    あてどなく放浪する主人公のロードムービー的物語。

    リアルな情景描写は世界に入り込みやすいものの、
    父親のいい加減さにイライラし、主人公の成長も疑問符で、キャラクタが好きになれなかった。
    少し冗長。

    母親の存在が薄く、彼女との関係こそが変わる必要があったのではないかと思ったのだが。
    取引材料もわからず。
    そこに総まとめがあるとおもっていたから、少々消化不良。

    児童文学、という風情だけれど、むしろ子供から見たら主人公はとても幼くてわがままに感じるのではないかと思う。
    なのに思考や表現は大人びている。だから大人が書いた子供だなと感じた(実際そうなんだけど)。

    児童文学こそ難しいジャンルだなあと、別のところに感心した次第。

  • ひらがな多い。難しい言葉はない。児童小説。
     
    頼りなさそうな父と大人びた小5の娘の旅の話。

    淡々と物語は進む。ハッピーエンドで終わるとかそういう類の小説ではない。

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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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