キッドナップ・ツアー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2388
レビュー : 321
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058214

感想・レビュー・書評

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  • 2019/07/03-07/05
    あまり感情移入できる作品ではなかった。解説の重松清さん、褒めすぎじゃない?

  • 小学生も読むよ!と聞いて借りてみました。
    なるほど、小学5年生の女の子目線の話だし、簡単な漢字にもルビが振ってあり児童向けの作品なんだな。
    今どきの子供たちが最初に接する角田光代さんの世界なのかも知れません。

    自分と接する人達(おとうさん、親戚、旅先で出会った同じくらいの年の子、おとうさんの友達)との会話と
    言いたかったけど言わなかった(言えなかった)言葉が綴られて物語が進みます。
    特別大事件が起こるわけでもなく、日常ありそうな場面で感じている子供の気持ちがうまく語られていると思いました。

    小学生は自分と重ね合わせて読むのでしょうね。
    次は大人向けの角田光代さんの作品を読んでみることにしよう。

  • 離婚してしばらく、会っていなかったお父さんと娘の夏の思い出。すごく勝手なお父さんで終始振り回されてしまうが、小学生のオススメの本でもあったので、ま、こういう大人もいるんだな、と思ってもらえたらいいんじゃない?って感じの読後感。

  • 父親と娘 夫婦の微妙な感じがよく出ている。娘の心理描写が特にいい。

  • 切ない!

    小5の女の子の、気持ちをうまく表現している。
    小5だと、なんかわからんがむかつく、なんかわからんが楽しいという感情はままあると思うが、そういう表現が随所にあり、感情を揺さぶる。
    多分、根っこは、楽しい、不愉快とか単純な感情なんだけど、小5の女の子のプライドや、奇想天外な環境下における感情の沸き立ちで、ある種混乱状態に陥っているんだろうと思う。おれが小5であったのはもう幾年も前のことではあるが、そういったもどかしい幼い感情の変遷は克明に思い出すことができる。
    地の文も、ハル目線の表現で、とても平易でシンプルで、故に的確な表現となっている。

    話を読んで、単純に、楽しそうだなと思った。今年の夏は、いろんなところへ出かけて、いろんなものからシンプルに、寛容に刺激を受けたいなと思った。

  • 安い感動で親子の絆を強調した物語でないところが好感度高い。あくまで小学5年生の女の子目線で語られており、両親の取引内容とその結果や、その後の父と娘の関係などには一切言及されていない。その一方で、成長期の女の子特有の感受性による、他人あるいは自分の心の機微については実に細やかに、素直に描かれている。心と裏腹になるハルの態度も、娘に気を遣う父やそれに気づいたときのハルの感情も、誰しも覚えがあるもので、ああ、わかるわかる、と共感しながら(思い出しながら)読み進めることができた。
    物語全体を通して娘と父親のやりとりに終始しているところもいい。母親は終ぞその姿を現さないし、その姉妹は言わずもがな、ハルの記憶や言葉にしか登場しない。父と娘のみを軸に展開するにも関わらず、物語に閉じた印象を与えない、むしろ「親娘」ではなくそれぞれ立派な「個人」としての開けた人間関係を、終盤ハルは新たに見出したように思えた。その結果が爽やかな読後感を読者に与えているように思う。
    それにしてもハルはすごい言葉を父親に投げつけるなあ、でも言えなかった言葉の方がずっと多い(きっと父親も同じだろう)、その不器用さも愛すべき要素だな思った。

  • 産経児童出版文化賞、第22回路傍の石文学賞

  • 忘れたくないシーンがたくさん。
    今の季節に読めてよかった。

  • 父娘が2人、「おかあさんの作る料理の中で何が好きか?」を話す場面を、いま読んでいます。
    家を出ていて、久しぶりに娘と過ごす父親が、その質問をする気持ち、どんな気持ちなんだろうなあ~というのと、ああこれ、今の夫婦仲はともかく以前は奥さんのおいしい料理を食べていたっていう過去の思い出をせつなく振り返ってるんだなあ、「あれがうまい」「これがうまい」って出てくるくらいその料理が好きだったんだなあというのと、「最近おかあさんは前より料理をしなくなった」っていう現象わかるなあ、おかあさん今どんな気持ちでいるんだろうなあというのと。

  • うめぇ~~~…!一気読み。
    いやもう角田光代の巧みさは予期していたのに、とはいえ、美味。

    小学五年生の少女ハルが、別居中かつ甲斐性なしの実父にユウカイされ、夏休みに貧乏旅行をする話。

    私は作品の評価をするときに、エンタメ性が高いかどうかをよく一つの指標にするのですが、キッドナップツアーはエンタメ的楽しみは低いです。
    だけど楽しい。
    子ども時代特有の不安や恐怖が、胸ときめく興奮に転じる感覚を随所で思い出しました。
    知ること気づくこと、人を見ること、自分の言葉を持つこと、それら自体が「楽しい」。

    読み終わってみると、物語としては、驚くほどなにも固定されていない。
    寓話のような話だった。
    親子モノになんの解決も押し付けない、安心して読めた。読後感◎

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著者プロフィール

角田光代(かくた みつよ)
1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。受賞歴として、1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を皮切りに、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で第22回伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で第25回柴田錬三郎賞、同年『かなたの子』で第40回泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で第2回河合隼雄物語賞をそれぞれ受賞している。
現在、小説現代長編新人賞、すばる文学賞、山本周五郎賞、川端康成文学賞、松本清張賞の選考委員を務める。
代表作に『キッドナップ・ツアー』、『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』がある。メディア化作も数多い。西原理恵子の自宅で生まれた猫、「トト」との日記ブログ、「トトほほ日記」が人気。

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