おやすみ、こわい夢を見ないように (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058238

感想・レビュー・書評

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  • マイナスな気持ちの濃ーい短編集。
    精神状態が良い時に読まないとひきこまれるかも。
    まぁ世の中こういう目をそらしたくなるマイナスな部分も
    多々あるし、今は昔よりそういう部分がよっぽど多いかもしれない。
    それでも本の中の世界位、こんなに暗い世界じゃないほうが良い。
    今の世の中だからこそ、うまれてしまった作品という感じ。
    この本、手元には置きたくないし、読み返しもしたくない。

  • どの短篇も、本当に薄暗く漂うような物語。

    ひとを羨んだり妬んだり、そういうマイナスの感情を持つ人々が
    それをどうすることもできず、ゆらゆら生きているような。
    それ以上でも以下でもない、というような物語たち。

  • 全7話の短編集。
    まさか、こんな薄暗い負の感情に満ちた短編集だったとは、タイトルからは想像もつかなかった。

    大声で泣き喚いて、全てを投げ出して逃げたいような現実の中にいる主人公たち。逃げ出したいのに逃げ出せない彼らの現実から、ふと垣間見える「夢」の世界。それはけっしてバラ色に輝く夢なんかではなく、もっと怖ろしい何かが待っていると予感させる悪夢だ。
    きっと「夢」を垣間見た主人公たちは、やっぱり現実から逃げ出すこともできずに、また同じ日常を悶々としながら過ごしていくのだろう。

    読みながら「三面記事小説」を思い出した。
    認めたくないけど自分の心のどこかにもこんな暗い闇がきっとある、と思わされるような現実感にあふれた短編集だった。

  • 不穏な空気と殺意をはらんだ7つの読み切り短編を収録。いずれの物語も、登場する人物が次第に一つの閉塞した世界観に支配され、人格が破たんしていくのを見届けるような中味だ。その異常さが読む者に緊張感を強いていく。

  • 一見、童話のような題名だが、内容はとんでもなく黒い物語が7編も。

    「あたし、これから殺人計画をたてる」。
    我慢を重ね、やっと受かった高校で待っていたものは
    元カレ剛太の「抹殺」宣言と執拗な嫌がらせ。
    すべての友に去られた沙織は、不登校の弟をコーチに
    復讐の肉体改造を決意するが・・・。


    印象に残ったのは「おやすみ、こわい夢を見ないように」「うつくしい娘」。

    この2つは☆4ですが7編の平均でいえば☆2くらいか。

  • うーむ。角田さんのいくつかの作品は嫌いじゅないが、これはまったく。

    会話が直接話法と間接話法のミックスで表現されるが、間接話法の比率が高いとすごく、平坦に見える。登場人物がみんな、揃いも揃ってひねくれていて、愛せない。読み進めるほどに、気持ちが乾く。潤いのない作品。

    そんな気分になる必要があれば、だけど、後味が悪くなりたいなら、読んでもいいかな。

  • 7つの短編集。たぶん精神的に沈んでるときに読んじゃだめ!どどーんとなる。でも本当に1つ1つの話が面白かった。角田光代さんやっぱり好きだな。

  • 目を背けたくなるような暗い感情が終始続く短編集。読んでいてつらかったけれど、それでも、出会えてよかったと思えた本です。

  • 7つの短編集。
    人間の根底にある感情、登場人物の感情がじわじわと読み手の心へ侵食してくる。
    後味の悪い本だと言う人が多いけど、僕はどの話を読んでも
    清々しい気持ちになる。
    清々しい悲しさ、清々しい寂しさ。

    特に好きな話は表題作の「おやすみ、こわい夢を見ないように」。
    誰もが一人で何かと戦っているけど
    きっと誰かはそんな自分のことを知っているんだなと思った。

    らろりー、素敵だなぁ。

  • やっぱりすきだな、角田光代。
    人の悪意、を感じる話。
    でも1冊の本と思えないいろいろな話がおさめられてる。
    「おやすみ、こわい夢を見ないように」がすきだったな。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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