おやすみ、こわい夢を見ないように (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058238

感想・レビュー・書評

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  • このバスはどこへを読んでる時に、
    前に読んでた小説と同じ「シュウ」が出てきたり、
    読んでる時にバスに乗ってたり、
    武蔵小金井駅にいたり、
    見られてるんじゃないかというぐらい状況が合ってて笑った。

    肝心の本編は、程よいクズ感というか、
    こんな人いるいるーって感じの人が多かった。
    クズでもなくてよくわかる人もいたけど、、、

    人なんてこんなもんだよねと、思う事もあり、
    もっと悪い人もたくさんいるし、ある意味リアルだった。

    ぬるっと終わる話が多かった

    ・うつくしい娘
    ・晴れた日に犬を乗せて
    ・私たちの逃亡

    以上が好きだった

    ラロリー

  • 読後感はあまり良くない話ばかりだけど、心のどこかが癒される感覚もある。
    人は善意だけでは生きられないのかもしれない。

  • こうなるはずだったのに、こんなになっちゃった、どこでどう間違ったんだっけ、という話。
    大なり小なり、みんなふと思うことなんじゃないか、というところが角田光代らしい。
    いつもの感じ。

  • 悪意とか憎しみに関する短編集
    人の悪意はこわい
    自分の中にある悪意や憎しみも怖い
    自分が意図してなくても憎しみに支配されてしまう可能性があってそれも怖いよな、と思った
    そういう負の感情の表現が上手い

    ただ、田中弥生の解説がこの本の〜は〜を表している。みたいに言い切ってるのが最悪だった
    揶揄的な表現を解説でこうである。って決めつけるのって1番ナンセンスに思う
    こういう作品って人それぞれどう捉えてもいいはずなのに

  • それぞれ憎しみ、殺意が散りばめられたお話。
    どの章にも出てくる殺意の塊のような女性が
    同じ人なのかと思わせる。
    悪意や憎しみに包まれてる人って同じ雰囲気を持つようになるのかも。

    どの章も結末なんかない、悪意は終わらない
    それでも私たちは生きていく。それが現実なんだと思わせる本だった。

    おやすみ。怖い夢を見ないようにという
    意味が姉弟の合言葉だと分かったときほっこりした

  • ひさびさに読んだ角田光代さん!
    中学生のときから好きでたくさん読んできました。

    角田さんほど「苛立ち」をうまく描写できる作家さんいないと思うのです。
    トクベツなものではなくて、誰もが日常的に、瞬間的に感じているであろうイライラ。
    どうしようもない問題。救いようのない状態。
    角田さんの物語に出てくる人間って、みんな「どっちかっていうと不幸」なんです。ていうか圧倒的に「可哀想って思われる」ような場合が多い。

    でもそれって現実に生きてる人がそうなんだと思う。
    不幸というと大げさかもしれないけれど、私たちはほんとに小さな小さなたくさんの不幸にぶつかりながら生きていて、それをうまく避けられたり、ぶつかっても痛いと感じなかったりする人と、ぶつかるたびに傷ついて、とうとう動けなくなってしまう人との、ふたつに分けられるんだと思います。
    角田さんが描くのは後者で、その描き方がほんとうに秀逸。
    もう入り込んでしまって苛々して泣きたくなって、
    いつもいつも
    共感することがこんなにしんどいとは! 
    と思わされます。 w

    すっきり爽快!とはとても言えないような作品がほとんど(それも魅力のひとつ)なんだけど、
    それほどリアルな作中だからこそ、ちょっと前向きだったり
    明るい兆しが見えるような言葉が、ものすごく響く。

    やっぱり、表題作の「おやすみ、こわい夢を見ないように」が好き。
    姉弟っていいなあ~
    こんなどうしようもない状態でも、お互いちゃんと相手を思ってる。

  • タイトルは「おやすみ、こわい夢を見ないように」
    帯には「もう、あいつはいなくなれ」

    ?( ̄□ ̄)
    衝撃的!
    タイトルと帯に惹かれて購入。笑
    生まれて初めての自主的に買った小説かもしれない。

    感想は‥
    「あたしが日々思ってることが書かれてんじゃん!!
     もしかしてこの人、あたしの頭の中覗いた?!」
    そんな感じ。
    言葉にできない不思議な気持ちを味わった。

    物心ついて最初に買った小説がこれでよかった。
    最初がこれだったから、
    次にいけたんだろうなぁ。

    本がなかったら人生の半分、損したようなもの。
    角田光代は命の恩人です。

  • 角田光代さんの七つの短編集。
    それぞれの話には少し歪みのある人物が描かれていて、それぞれ背筋がすーっとするような感じがする。そんな中で表題になっている三作目は、本当に嫌な男が出てくるけれど、姉と弟の関係がいいなあと思わされる話だった。

  • 一節一節が話の途中で終わる。

  • 角田光代さんの長編は好きなんだけどな。
    短編は読んでも心に残らない。

    一人ずつ出てくる変な女は何なんだろう。

    人の悪意をこれでもかと見せつけられてげんなりした。

  • 読後もすっきりせず、自分にも起こりうるような現実的でネガティブな話。現実的だからこそ内容に引き込まれて面白かった。

  • 短編集。
    日常に潜む「悪意」なのか・・・
    すっきりしない話ばかりだった。
    (図書館)

  • 暗いというかネガティブというかダークというか、そういうものを抱えた女の人たちの短編小説。

    題名にもなった「おやすみ、こわい夢を見ないように」が1番好き。

  • すれ違う人、電車の向かい側の人
    この小説の中と似たような心境の人がいるのではないだろうか
    ありえない話ではない
    私も踏み込むかもしれないそういう世界を見せてくれているようで新鮮だった

  • 短編集そこらにたくさんありそうな殺意をもつ話ドロドロした感じではなくそう言うことあるよね〜的な…
    うつくしい娘は興味深い話だった

  • 2016/9/5
    短編なのが残念だと思うくらい、どの話も続きが気になった。ちょっとこわいけど、日常的。身に覚えがあるような感情。

  • 悪夢で目が覚めるほどでは無いけれど、起きてから「なんだか嫌な夢を見てしまった」という感覚が残る7編の短編集。どれにも、誰かに対する殺意だとか憎悪だとかすっきりしない感情が様々な形で登場してくる。唯一、少し違っていたのは表題作だ。主人公の沙織が元カレの剛太の嫌がらせで学校でも孤立する。そんな沙織を救おうとするのは、外へ出ることを拒むようになった弟の光。剛太への復讐のために二人がする特訓は的外れで滑稽なんだけど笑うことは出来ない。姉のために外へ出た光。復讐の物語りで終わらず姉弟の再生の物語りになって欲しい。

  • え、このあとどうなるの?って思うのもあった。短編集。家族の話がじーんと来たな。引きこもりの弟の話とか。
    昔自分をいじめた先生のくたびれた姿を見に行くと言う第一話…自分と重なった。あいつもうくたばってるだろうか、と思いながら生きてたら私も主人公のように恨み言をいいにいってやろうかとも思ったから。彼女に覚えていてほしくて走って逃げるように帰ったのは残念だった。
    ルリの話、バスで人殺し宣言を聞いてしまう話とか、命に関わる話が多かった。

  • 短編集。現代社会のマイノリティとして普段目につかない問題に焦点を当てた作品。救いのない結末が多いくハッピーエンドはないけれど、ちょっとした視点の転換が用意されていて不思議な読後感。鬱状態に読むのはオススメできないが、多様な社会問題を考えさせてくれた本。

  • 短編小説集。
    テーマは呪い、か。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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