今日もごちそうさまでした (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058306

作品紹介・あらすじ

「食べられない」から「食べる」に移行するときには、ダイナミックな感動がある(あとがきより)。自他共に認める肉好きのカクタさんに、食革命が起こった。なんと苦手だった野菜、きのこ、青魚、珍味類が食べられる! 次々出会う未知の食材は、買って作って味わう毎日を楽しい発見で彩ります。三度の食事に思いをこめて。読むほどに、次のごはんが待ち遠しくなる絶品食エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 食エッセイ。夜中に読んだら後悔する。というのも、美味しそう過ぎてお腹がすくから…。どこそこの何という料理とかではなく、まさに食材について書かれているので、読む毎に美味しい食べ物が頭に浮かんで幸せな気分になる。

    それにしても角田さんは30歳で食革命が起こるまで大変な偏食で、どの食材の話にもまずは導入に「○○歳まで食べるのを避けていた」だの「見た目が嫌いだった」だの書いてあって、一体何を食べて生きてきたのだと(余計なお世話ですが)不安に思った。今は結構何でも食べれるようだが、好きなものは肉・油・酒・チーズて…偏食以上に不安になる(笑)

  • 俺、小学校に入る前は、食えるもんがほとんどないくらいの偏食家で、なんか何を食っても美味しくない記憶しかなかった。おかん曰く病弱で医者から「普通に学校に通えないかも」と言われておったらしい。

    ある時、何のきっかけか忘れたけど、食べ物の美味しさに目覚め、食事の楽しさに目覚める。そっから体力がみるみる体力がついていく。食事ってすごく大切なんだなぁと幼いながらに分かり始めて…

    食わず嫌い、食ったことあっても苦手だったものが、なんかのきっかけで美味しくなる。そういう出会いをたくさんしてきた角田さんの事がとてもよく分かる。

    チーズ嫌いを克服したのは高校の時だった
    レバー嫌いを克服したのは社会人になってすぐ
    あんこ嫌いを克服したのは40越えてから

    この本で角田さんが苦手を克服する度、俺自身の都度都度の記憶が思い出され、「分かる、分かるわぁ」と首肯する。この首肯が実に楽しい。

    角田さんって俺と同学年やってんなぁ。なるほど余計に親近感も出るってわけか。角田さんの小説って特有のクセがあってちょっと苦手な部分もあったんだけど、このエッセイではクセもあまり感じられず、素直に楽しめた。

    おっ、ひょっとすると、苦手を一つ克服するきっかけ掴んだのかな(笑

  • 食にまつわるエッセイとなったら、大抵好き嫌いは無く健啖家の人が書くという個人的なイメージ。
    しかし角田さんは好き嫌いが激しく食べられないものも多かったとか。そんな角田さんの食生活、いかにして嫌い→好きとなって美味しく食べるようになったかというエピソードが多いのは斬新

    食べる喜びと料理の楽しさに溢れたエッセイ本

  • 正直なところ、角田さんの小説はあまり好きではなかったが、このエッセイは、面白かった。
    読んでいると、どんどん空腹を感じてくる。
    旬のものを食べたくなり、なんだか一食一食を大切にしたくなった。春の山菜、アスパラ、初鰹、夏のトウモロコシ、茄子、枝豆、秋の秋刀魚、里芋、きのこ、冬には、白菜、牡蠣、ふぐ。世の中には、こんなに美味しいものがあるのに、コンビニ弁当で一食終わらせてしまうのはもったいない。
    そんな風に思わせるエッセイだった。

  • 題名に引かれ手に取った、食材についての絶品エッセイ。
    食わず嫌いが、あるきっかけを境に突然、好物になる。
    食生活を楽しく読ませる、さすが、角田光代さん。

  • 「ほわわ~ん」と読んでくれと書いてある。「ほわわ~ん」と読んだ。
    気負いのない、ほんわか気分になりました

  • 偏食の作者のように、私も30歳くらいまでに食べれるもの増えてないかな〜と
    大人になったらピーマンとか食べれるようになるかと思っていたけど全然そんなことはなくて、でもこの本を読んで好き嫌いと気楽に付き合っていこうと思った

  • 角田さんの作品は好きなので何冊も読んでいますが、
    食エッセイ集は読んだことがなかったので楽しみでした。

    今までに何人かの食エッセイを書いた作家さんの本を
    読んだことがありますが、角田さんが特別舌が肥えているわけでもなく、
    食いしん坊ということでもないと書かれていましたが、
    丁寧に作られているお料理の数々、それぞれの食材についての知識や食べ物に対しての愛情がとても感じられて、
    読んでいるだけでもその時の旬の物が食べたくなる衝動に駆られました。

    季節に合わせて旬のものを美味しく食べることの幸せが
    とても伝わってきて、今まで以上に旬のものを
    美味しく食べたいなと強く思いました。
    この作品の中で特に気になった旬のアスパラガスとふぐは
    是非ともこれから気にかけて食べてみたいと思いました。

    それぞれの食材に対しての思い出エピソードが
    面白かったり、切なかったり悲喜こもごもで
    それが角田さんの本音が映し出されているようで
    とても親近感が持てました。

    これだけの食材を美味しく楽しく料理させて幸せな気分になって、
    更にこぼれ話も沢山書かれていて面白かったので、
    本当に読んでいて幸せな気分に浸れました。
    人は美味しい物が食べれると元気になるというけれど、
    このエッセイで沢山の元気と幸せな時間がいただけました。

    巻末には角田さんお勧めレシピが掲載されているので、
    すぐにでも作りたい気分です。

    これからの毎日の食事は楽しく味わって大事に
    という気持ちを忘れずに感謝をしながら頂きたいと
    思う気持ちも忘れないようにしていきたいと思いました。

    この作品は絶品食エッセイで食べることが楽しくなる
    お勧めな一冊でした。

  • ここ数年は「食」にまつわる本が好きでその流れで購入。

    角田さんのエッセイは読みやすく面白くて以前から好きだが、これも例に違わず良かった。既に何度も読み返している。
    季節ごとに章が分かれているので、今の季節にあった章を読んで何作ろうか考えるのも楽しい。

  • 美味しい!と思って食べられる時間って幸せだよね。
    そしてやっぱり旬のものはその時が一番美味しいんだよなあ。
    北海道のアスパラが食べたくなったし、里芋をふっくらねっとり蒸したくなった!
    その時々の美味しいがある、四季のある日本最高。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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