東大なんか入らなきゃよかった (新潮文庫)

  • 新潮社 (2025年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784101058818

作品紹介・あらすじ

東大卒業後に待ち受けていたのは、メガバンクでのつるし上げ、ブラックな官僚人生、市役所での壮絶ないじめ、終わらない大学院生活、地下街の警備員暮らし。華やかな未来とは程遠い現実に苛まれる卒業生を徹底ルポ。そんな東大入学を後悔する5人の姿から見えてきたものとは? 天才型・秀才型・要領型という「東大生の3タイプ」や学生の家庭環境など、知られざる東大の実態についても紹介する。

みんなの感想まとめ

高学歴であるがゆえの苦悩や挫折を描いた本書は、東大卒業生たちのリアルな現実を追うルポルタージュです。著者は、成功の影で隠れた苦労や生きづらさを浮き彫りにし、特に地方出身の元東大生たちの物語を通じて、学...

感想・レビュー・書評

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  • タイトルを見て、何を贅沢なことをと思い購入。(もちろん僕は東大卒ではない)
    読んでみて、成程、東大卒というだけで、他の人にはわからない苦労もあるんだなと思いつつ、やはり何を贅沢なことを言っているんだという結論に行きついてしまった。(僕は東大卒に特別な偏見をもっているのだろうか?)
    確かに、高学歴ゆえに生きづらさを感じている人は一定数いる。が、東大は間違いなく日本の大学で最高の教育機関であることに間違いない。では、東大に人生を狂わされた人というのは、どの大学であったなら、人生に狂いが生じなかったのであろうか?
    東大卒だが、年収230万円の地下街警備員の話が出てくる。これはこれでありではないか。
    この話を読んた人がこの人の人生をどう思ったのか知りたい。

  • 東大に入学した神童達(本書で取り上げられる元東大生たちは、何故か地方出身者が多いような気がするが…)の卒業後の進路・人生を追跡調査したルポ。
    はじめのほうに、現在の東大の入試実態と学生生活とが明らかにされた後に、本書の中心となる5人の元東大生たちの挫折・苦悩がクローズアップされる。とはいえ、本書は全てが悲壮感に満ちた内容ではなく、途中たびたび筆者独特のユーモラスなツッコミが冴え渡っていて、そこまで暗澹たる読後感にはならないので、ご安心あれ。
    こういった「エリートの蹉跌」ものを読んでつくづく感じることは、大切なのは、学歴や学校歴ではなく、「自分のキャリアについて早いうちから真剣に考えること」と、「周りの大人(家族や教師)が、そういった意識付けを子ども達に早い段階から施してあげること」ではないだろうか(しかし、そういった環境作りもまた、すごく困難な課題だが…)。
    読者諸賢にとっては、本書で展開されるエピソードの一つ一つが、他人事ではなく、ぜひ他山の石にすべきであり、本書の眼目もそこにあるのではないかと思う。

  • 私自身は東大なんか到底及ばない大学出身だけれど、本書における「要領型」の東大生と通ずるものがあると思った。
    レベルは違うけれど、そこそこ頑張っただけでどこも落ちず、志望校に入れた。
    結果たいした根性もない人間ができあがり、今、何者にもなれずいる。

  • ちょっと小説以外を読んでみました。
    最後の4つのヒントは、東大に関係ない自分でも、たまに見返して落ち着こうと思いました。

  •  東大生であってもなくても、生きることはそんなに楽じゃない。

  • 東大卒の世間の一般的なイメージとは違う人生を
    歩んできた人々の話し
    共通しているのは凡人と違い潰しがきくという事
    才能はあるし、努力家だから違う分野でも
    活躍できる
    やはり高学歴はあって損はない

  • 東大卒の誰しもがが幸せなわけではない。当たり前のことに気付かされ、そして生きづらさを感じる東大卒の方々のエピソードが胸を打つ。
    もちろんきらびやかな活躍をする東大卒もたくさんいるわけだが、この手の本は、じゃない方にフォーカスしていて、なぜか救われる思いを感じる。今ダメだとしても、いつか救いがあるように感じるからだ。自分だけではない。ちゃんと前向いて生きていこう。

  • 悲惨?な人生なのかどうか不明ではあるが,毎年3000人も入学するんだからこんな人達がいても不思議ではない。

  • 著者は言う。「東大を卒業しただけで、高い学歴を持っているだけで、人が必ずしも幸せになれるわけではない」と。

    わたしはYouTubeで雷獣の動画を見るのが好きだ。東大卒の人は見た目は野暮ったいけれど、話せば賢くて面白いというイメージがあった。当たり前だけどそれが東大生全員に当てはまるわけではないのだとわかった。

    自分の子どもには、大学入学を最終目標にするのではなく大学に入った後どうしたいかを考えてもらい、わたしと同じように大学に行ってよかったと思ってもらえたらいいな。

    p100
    研究環境ということでは、2011年に創立された沖縄科学技術大学院大学(OIST)などは、ある面では東大よりもずっと優れている。OISTは、修士課程を設置せず、5年一貫制の博士課程を提供する大学院大学である。世界中から一流の研究者を集めて潤沢な研究資金を投じることや、学生が複数の研究ユニット(ラボ)をローテーションして多様な分野を経験できるようにする仕組みなどが導入されており、積極的にイノベーションを生み出す環境が整えられているとされる。
    OISTは、2019年に科学誌「ネイチャー」の発行が公表した「自然科学分野で質の高い論文の割合が高い研究機関のランキング」で、東京大学や京都大学を抑えて日本1位、世界9位にランクインした(同ランキングで東大は40位、京大は60位)。研究者を目指すのであれば、東大の大学院よりもはるかに鍛えられそうな場所だが、ここに進学しようとする東大や京大の学部生はほとんどいない。
    日本国内にある大学院大学でありながら、現在、OISTの入学者のおよそ80%は外国人留学生である。一度乗った「東大」というレールからできるだけ降りたくないのか、大学院で東大の外に出るという発想がないのか。何人かの現役の東大大学院生に聞いてみたが、そもそもOISTを知らないという者が大半だった。

    p104
    神谷さんによれば、中学高校のころに、数学、物理、地理、言語学などの国際的な学問のオリンピックに参加して、金メダルか銀メダルを取っていれば、一次選考はほぼ受かるという。銅メダルだと、過去に一次選考を落ちた子はいたそうだ。
    「学問のオリンピックでメダルを取るような子たちは、本当に才能のあるガチもんですね。このタイプは、灘や開成など名門校の子たちばかりです。
    こればっかりは本人に素養がなければ難しいのですが、本人に素養がなくても学校推薦型選抜を突破する方法はあります。僕が生徒をプロデュースするのによく使うのは、学会発表です。なんらかの学会の高校生発表の枠で『優秀賞』『最優秀賞』を取らせるんです。そういった賞を二つくらいもっていれば、東大の学校推薦型選抜の一次選考は、ボーダーを大きく超えたところで受かりますよ」
    学会ごとに「好み」があり、その好みに合わせた発表内容をつくってあげると、賞は比較的容易に取れるのだという。
    「高校生発表の枠が大きくて、賞をきちんと出してくれるような学会があるんですよ。高校1年生の春から準備をはじめるなら、高校2年生の秋の学会が狙い目です。そこで研発を発表して、賞を取っておきます。高校3年生の1年間は共通テスト対策に充てたいですね。5人のうち東大の推薦入試に落ちた二人の生徒は、書類選考と面接では高評価だったのですが、共通テストの点数が足りませんでした。得点が8割を少し切るくらいならなんとかなるようなのですが、7割では通りませんね」
    神谷さんのように、科学研究の現場に精通する高校教師は稀少だ。聞けば、神谷さんは旧帝大の理系大学院で修士課程を修了し、中高一貫校の理科教諭になった後も、自主的に研究活動を続け、毎年複数の論文を学術誌に投稿しているという。このようなバックグラウンドがあるからこそ、直近5年で3人もの生徒を東大の学校推薦型選抜に合格させているのだろう。

    p105
    「東大の学校推薦型選抜は、どうも本人が企画立案していない課外活動の実績も評価しているようなんですよね。建前としては『生徒の自主的な活動』でなくてはいけないはずなのですが、現実には僕が企画立案した研究に乗っかって、僕の指示どおりに実験をしていただけの子でも合格しています。僕が見てきたかぎり、東大はその子が自主的に研究を進めていたかどうかを見ていませんね。
    京大は生徒の素質をしっかり見ています。大人と一緒にガチガチに事前準備をした子が落ちる一方で、放課後に山を走り回って虫取りばかりしていたような子が合格することがあります。京大に推薦で受かったその子は、自分で研究を立案し、問題の解決方法も自分で考えて、論文投稿をサポートしてくれる大人も自分で探してきていました。そういう、自身の興味があることに対するモチベーションの強い子のほうが、大学に入った後に得意分野で伸びるんじゃないでしょうか」

    p121
    しかし、充実したキャリア形成において、東大合格は単なるワンステップにすぎず大学からの学びこそが重要となる。肝心なのは、東大に入った時点でその真実に気づいているかどうかであり、それによって後の人生は大きく変わる。
    「文一に入って進振り(進学選択)で法学部に進学すれば、官僚か法律家(弁護士、検察官、裁判官)になるというのが、いわゆる王道だよね。 法学部の学生できちんと先のことを考えている人は、大学とは別にLEC(LEC 東京リーガルマインド)やTAC(TACWセミナー)といった予備校に通って、国家公務員I種試験(現、国家公務員採用総合職試験)や司法試験に向けた勉強をするんだよ」
    これらの試験の難易度は、東大入試を上回る。国家公務員の採用をつかさどる人事院の発表によれば、2019年度の国家公務員採用総合職試験の倍率は、大卒程度試験で13・5倍という超難関だ(ただし、2024年時点で、東大生の「官僚ばなれ」が進み、倍率はともかく競争は急激に易化している)。司法試験については言うまでもないだろう。
    大学の講義では、これらの試験について一切のフォローが行われないため、学生は自分で計画的に受験勉強をしなくてはならない。そのため、官僚や法律家を志望する学生の多くは、大学とは別に受験対策を専門とする予備校にも積極的に通うのだった。

    p205
    高卒の方が東大卒よりも生涯年収が高い
    「実をいうと、東大や東大の大学院を出てキャリア官僚になるよりも、高卒で国家公務員になった方が生涯年収が高いんですよね・・・」
    国家公務員の給与体系は公にされているから調べればわかることなのだが、意外にもみなさんご存じなかったのではないか。僕もこのとき初めて知った。
    国家公務員の給与は、勤続年数に応じて上がっていく。そのため、大学や大学院を出てから入省するよりも、高校を出てすぐに入省した方が4年ないし6年かそれ以上長く働いていることになり、生涯年収は高くなるのである。
    総合職(旧、I種)、一般職(旧、I種)、税務職員、裁判所職員一般職、刑務官などなど、区分によって給与体系や昇進スピードに差があるものの、勤続年数による昇給の影響の方が大きい。
    概して、高校を卒業してすぐに霞が関に入り真面目に定年まで勤め上げた人は、一般的な東大出身の官僚よりも生涯年収が多くなるのである。
    そもそもの話として、国家公務員の給与水準は、企業規模50人以上の民間企業の給与水準との均衡を考慮して定められている。つまり、国内の大手企業や外資系企業の方が、国家公務員よりもはるかに給与が高い。

    p209
    (前略)最近になって霞が関の労働環境が急速に改善しているという。

    p216
    一般的に、キャリア官僚は40代後半で課長に昇進する。しかし、そこで管理職として評価されなければ、たいていその次の段階で地方の部局や天下り団体に飛ばされる。
    課長からさらに昇進すれば部長となるが、部長から先は非常に狭き門である。ただ、どれだけ上の役職に就いても、一度のしくじりや不運でポンと飛ばされてしまうのは、政局に絡む報道などでみなさんもよく目にするところだろう。
    「私は現在、課長補佐です。年齢的には省庁の中でやや難しい仕事、例えば、業界団体や財務省との調整が必要な予算関係を任されています。このまま順当に勤めていれば、課長にはなるでしょうね。
    その課長を一つ、二つやった後、50代後半で関係団体や独立行政法人に出向して、その後天下りして、そこで役員などにおさまることができれば言うことはありません。
    責任が重くないところでほどほどにお給料をいただきながら、のほほんとやりたいなと思っています」

    p237
    国立大学の医学部といえども、地方であれば東大の文科一類~理科二類より偏差値が低いところはいくらでもある(中略)。
    受験のテクニックを散々磨いてきた元東大生にとって、地方国立大医学部の入学試験をパスすることはそれほど難しいことではない。(中略)
    医学部の再受験にあたって、受験勉強は過去問を10年分ほど解いて出題傾向を確認した程度で、特に根を詰めることもなかったそうだ。

    p239
    キャリアの積み上げに失敗した東大卒業生にとって、地方国立大学の医学部は人生の再生工場といったところだろうか。

    p241
    一般的に、臨床研修では、厚生労働省に必修と定められている、内科、救急科、外科、小児科、産婦人科、精神科、地域診療などをローテートしながら、基本的な診察能力や、医師としての人格や社会的役割を身につける。
    そして、臨床研修を終えた医師は、専攻医としてその後の3~5年間、臨床研修中に自らが選択した専門医資格の取得を目指し、専門研修プログラムで学ぶ。この専門研修プログラムを修了して、専門医試験に合格すると、医師は晴れて専門医資格を取得することになる。
    p245
    研修医時代は大学病院だったのですが、残業代が一切つかなかったので年収は360万円くらいでした。その後、臨床研修を終えて病院を変え、今の残業代がつく病院に所属したら、急に1000万円超えしました。ですから、収入は本当に診療科と職場によるんです。

    p246
    勤務医の年収は、診療科、役職、そしてアルバイト収入の有無によって大きく左右される。一般的には、公立病院より民間病院に勤務する医師の方が年収が高くなる傾向にある。

    p247
    お金だけを追いかけるなら、美容整形や自由診療の医療機関に行くんじゃないでしょうかねぇ。そういうところなら、研修医でも年収1000万円、多い人だと2000万円いくこともあると聞いています。
    『ここ10年で美容整形に進む若者が増えている』と医学部のときの指導教員が苦い顔をしていました。医学部を卒業した後、2年間の臨床研修を終えてすぐに美容クリニックに就職する人が増えていて、『直美』って呼ばれています。
    やたらと時間給がいいアルバイトに精を出す人もいます。医学部時代の三つ上の先輩は民間病院に勤務しながら自由診療系のクリニックのアルバイトをたくさん掛け持ちしているそうで、「今の年収は1200万円くらい」と言っていました。
    イニシャルコストが必要でしょうが、開業という選択肢もあります。将来性を考えれば、患者数が増加傾向にあって、ほかの診療科目のように大きな医療設備を必要としない精神科などは狙い目でしょうね」

    p251
    近年、受験生の医学部志向が高まっている。東大に合格する学力があれば、国立大学の医学部にも合格できる。卒業後の人生を考えたとき、卒業すればそのネームバリューにあまり実用性がない東大よりも、高収入・好待遇が期待され、働き方の自由度高い医師になれる医学部の方が魅力的に映るのだろう。
    先行きが見通せず閉塞感に包まれた日本社会で、安定して稼げる医師という資格職人気が集まり、親の指示か受験生本人の意向かにかぎらず、「成績が優秀なら取りえず医学部を目指す」という中高生は激増。そのトレンドに伴い、地方の国立大医部の難関化も進んでいる。

    p271
    「学振」とは文部科学省所管の独立行政法人・日本学術振興会が、研究者に研究奨励金(生活費)と科研費(研究に使えるお金)を与える制度で、研究者の登竜門とされている。
    学振には申請する時期によって、DC1(博士後期課程1年次相当・3年間)、DC2(同2年次以上の年次相当・2年間)、PD(博士学位取得後5年未満・3年間)の3種類がある。研究奨励金、すなわち生活費はDC1とDC2が月額20万円、PDが36万2000円、科研費はいずれも年額150万円以内だ。
    生活費をもらいながら研究が主体的にできるわけで、研究者を志望する学生がこぞって応募する制度だが、その採用率は15~20%と非常に狭き門でもある。

  • 学歴高くてもそれはそれでしんどいよねー、てか東大って生きるのしんどい系の人多いよねー、という本。たまたま福地先生が出てる丸山ゴンザレスのYouTubeで観て、軽く読めそうだし図書館ゲットして読みました。実際軽く読めました。

  • 東大卒なら知的タスクはなんでも知ってる、なんでもできる、ように見える。

    東大卒=完璧
    という世間のイメージが作った
    実はそうではない人もいる東大卒の苦労や生きづらさ
    東大受験というプロセスが作った
    彼らのキャラクター、苦手、考え方
    を詳らかにしている。

    わたしは当初この本を手に取ったきっかけは、会社の人間を知るためだった。

    転職先の社員が東大卒で占められており、この人たちとうまくやっていくためには相手を知ることだと思ったため。
    我々凡人には理解できない考え方やそのキャラクターを知ることができるのではと思った。
    しかし中盤で実例の5名の話を読み進めているうちに、自分の会社の同僚は東大レッテルをうまく使って成功した人たちだと分かった。
    では本書の5名は不成功者かと問われればそうではない。
    東大=エリートのキャリアが必ずしも成功というものではないことがわかってくる。
    では、東大卒とはどのような人たちなのか
    それを全く違う視点から再認識するきっかけをくれる本。

  • 意外性があって面白い

  • ●2025年5月26日、東京大学・書籍部にあった。セッションで寄った日。

    おもしろい。買いたい。

    ●2025年5月28日、東京大学・書籍部にあったのと同じ帯が、メルカリで400円の売却実績あり、600円の出品あり。

    単行本版なら図書館にあり。新しい文庫版なし。

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