出家とその弟子 (新潮文庫)

著者 : 倉田百三
  • 新潮社 (1986年11月14日発売)
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  • 35レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101059013

作品紹介

恋愛と性欲、それらと宗教との相克の問題についての親鸞とその息子善鸞、弟子の唯円の葛藤を軸に、親鸞の法語集『歎異抄』の教えを戯曲化した宗教文学の名作。本書には、青年がどうしても通らなければならない青春の一時期におけるあるゆる問題が、渾然としたまま率直に示されており、発表後一世紀近くを経た今日でも、その衝撃力は失われず、読む者に熱烈な感動を与え続けている。

出家とその弟子 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 京都の西本願寺で坊さんの話を聞く機会があり、そこで親鸞に興味を持ったので、本書を読んでみた。読みやすいしストーリーもおもしろかった。青年の悩みどうこうよりも、親鸞のセリフに説得力があって終始引きつけられた。唯円を責める僧侶たちをなだめるシーンも良かったし、唯円に言い聞かせるシーンもさらに良かった。一貫性のある魅力的な教えだと思う。「みな助かっているのじゃ」
     
    前半に「淋しい」がキーワードとして多用されてたけど後半ぱったり無くなってしまったのはもったいなかった。

  • 親鸞の『歎異抄』の教えを戯曲化したもの。ということになっているが、キリスト教の影響を感じる解釈になっている。とはいえ、本格的に入ってきた西洋のいいところと、真宗のいいところを橋渡ししていて西洋的な概念に慣れ親しむ現代日本人にはむしろいいように思う。多くのことが語られていていろいろと考えさせられる素晴らしい作品。

  • 死する者

  • なんとこの本が中国生活最後の読了本。なんとも自分は未熟なのである。悪者なのである。人生と誠実に向き合わなければならい。読みながらそんなことを思いました。

  • 宗教は、自らに罪悪感を抱かせるものでもある。親鸞臨終の際、息子善鸞があくまで信仰を肯んじなかったのは圧巻。若いうちは、他力本願という気持ちになかなかなれないものだ。2015.4.10

  • 思春期のまっただ中で読んだ、人生の中で一番印象に残っている本。親鸞上人の「さみしい」という言葉が忘れられない。

  • 期待以上に引き込まれました。戯曲ですが、親鸞という人のあり方を再認識しました。仏を信じるということは簡単そうに見えますが、一切の疑いもなく信じ、望む結果にならなくても怨まないのは非常に難しいことかもしれません。

  • 久々に仕事と関係無い本を読み非常に楽しめた。なぜ本書を読もうと思ったのかは忘れてしまったが(確か知人の勧めだったと思う)読んで良かったと思える一冊だった。
    物語は浄土真宗の開祖である親鸞とその弟子、息子の織りなすヒューマンドラマにある。そう、これはヒューマンドラマであって小難しい宗教論等は殆ど出てこない。そのヒューマンドラマは青臭く、青年期には誰もが一度は思い悩むようなテーマについて多く語られている。なんでまた宗教とこういうネタが組合わさったしまったのかと疑問に思っていたが巻末の解説を読んで納得した。作者の倉田百三は本書執筆時は26歳であり、病に苦しみながら本書を書き上げたのだという。だからであろうか、どことなく三島由紀夫的なニヒリズムとでも言えば伝わるだろうか、そういった青さが本書全編に漂っており、仏教と愛という普通にかけば眠くなりそうな話題を、しっかり躍動感を持って表現されているのがすばらしい。
    しかし、この分野ではやはり三島由紀夫はすばらしく、この分やでは忘れる事のできないほどインパクトのあった豊穣の海4部作には及ばない。所々でそれらしき輝きを感じさせるので著者に後世の著作があれば時間を見つけて読んでみたいところである。
    参考:豊穣の海、天人五衰のレビュー
    http://booklog.jp/users/yokozawa/archives/1/4101050244

    久々に参照したらレビューが適当なのでこちらもまた読みたい。

  • 「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」の親鸞とその弟子たちを題材とした芸術的宗教小説。
    唯円とかえでの愛(恋?)や親鸞の臨終など、情熱と迫力を感じるシーンが多かった。ところでこれは戯曲なのだが、巻末の解説には「舞台の上では必ずしも成功しない」とある。読みながら想像したがなるほどそうかもしれない。

  • 初めて読んだ・・と思う~常陸を旅している親鸞と弟子の慈円と良寛は雪の中,山中に宿を求めて百姓家を訪れるが,酔った主人・日野左衛門はけんもほろろの扱い。困った一行は雪の中で深夜を迎えるが,酔いから醒めた左衛門は妻・兼に雪の中,坊主一行を捜すように求める。戸のすぐ外側にいた一行は炉端に迎えられ,語り明かす。15年後,左衛門の息子は出家し親鸞に仕える愛顧の弟子・唯円となっていた。稲田から父に会うために上洛してきた善鸞は,周囲の反対にあって父と会えず,木屋町の遊女屋に唯円を招いて語らう。唯円は親鸞を説得しようとするが,果たせず善鸞は帰国。善鸞は人妻に惚れ,周囲を不幸にした自分を責め,親鸞も自らを責めていた。善鸞が去って一年後,唯円は遊女であるかえでに恋をし,周囲の反対に遭う。周囲の僧は唯円を寺から追い出そうとするが,親鸞に寺を建てた時のことを思い出さされ,唯円に謝罪し,唯円は只々,仏に祈ることを求められる。親鸞が90歳となり,臨終が近付いた側には,元遊女のかえでが世話をし,穏やかな臨終を迎えられるように唯円は心を砕く。高弟が現れる中,善鸞も駆けつけ,親鸞に仏を信じていると云ってくれと云われても,遂に信心の言葉は出なかった~親鸞と弟子・唯円の物語。舞台は江戸時代の京都かと思わされる。話す内容はもっと大正の現代的。この本は丁度,高校生の頃に図書館向けに発行されたハードカバーの文庫本であるため残っているが,酸性紙のせいか,気を付けてめくらないとボロボロとページの端が剥がれ落ちそうだ。いままで四人の女子生徒が読んでいるようで,何年なのかは解らない。この小さな活字を読めると云うことは,いずれにしても若そうだ。倉田さんには,これ以外の代表作はなく,何と26歳の結核闘病中の読む戯曲小説だ。なるほど,キリスト教的な要素が入り混じっている。この頃まで岩波文庫は定価が書いてなくて,☆の数で値段を示していた。☆の単価が度々上がったなぁ。ダウンロードした青空文庫は良いのだが,古い書物に横書きは似合わない気がするのだ

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