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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784101061412
作品紹介・あらすじ
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武大津店に毎日通い、ローカル番組の中継に映るといいだした。さらに、お笑いコンビ・ゼゼカラでM-1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。最高の主人公の登場に、目が離せない! 本屋大賞を受賞した圧巻の青春小説!
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
青春の真っ只中で自分の信念を貫く主人公の成瀬あかりと、彼女を支える幼馴染の島崎みゆきを描いた物語は、友情と地元愛に満ち溢れています。成瀬は、周囲の目を気にせず、自分の思いを真っ直ぐに表現する姿が印象的...
感想・レビュー・書評
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あなたの『将来の夢』はなんですか?
この質問は、成人してからよりも中学、高校時代によく聞かれるものだと思います。その定番が『卒業文集』でしょう。将来、見返すことを前提に作られる『卒業文集』。あの時の夢が叶ったかどうかの答え合わせのような見返しの時間。夢が叶う叶わないとは別にどんなことを『将来の夢』として思い描いていたのか、そこにはその人の個性が垣間見えもします。
さてここに、『卒業文集』に『将来の夢』をこんな風に記した人物を描く物語があります。
『二百歳まで生きる』
『素のおばあちゃんとして二百歳まで生きるつもり』と真面目に語った一人の少女のその後を描くこの作品。そんな少女と出会う人たちに圧倒的な存在感を見せつける少女が描かれるこの作品。そしてそれは、”今日も全力で我が道を突き進む”『成瀬あかり』に目が離せなくなる物語です。
『島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う』と、『一学期の最終日である七月三十一日、下校中に成瀬がまた変なことを言い出した』のを聞くのは主人公の島崎みゆき。『いつだって成瀬は変だ。十四年にわたる成瀬あかり史の大部分を間近で見てきたわたしが言うのだから間違いない』と思う島崎は、『私立あけび幼稚園に通っている頃から』、『走るのは誰より速く、絵を描くのも歌を歌うのも上手で、ひらがなもカタカナも正確に書けた』という成瀬が『同じマンションに住んでいること』を『誇らし』く感じてきました。『しかし学年が上がるにつれ』『一人でなんでもできてしま』い、『他人を寄せ付けない』成瀬は『どんどん孤立してい』きます。そして、『女子から明確に無視されるようにな』ってしまった成瀬。そんなある日、成瀬は『島崎、わたしはシャボン玉を極めようと思うんだ』と言い出します。数日後、『夕方のローカル番組「ぐるりんワイド」に出演』した『成瀬はお金持ちが飼っている犬ぐらい大きなシャボン玉を作って飛ばし』『天才シャボン玉少女』と呼ばれます。そんな『翌日、クラスの一部の女子』に取り囲まれた成瀬は『放課後』『シャボン玉教室』を開きました。そして、『中学生となった今でも』『他人の目を気にすることなくマイペースに生きている』成瀬。『夏を西武に捧げるって?』と訊く島崎に『毎日西武に通う』と宣言する成瀬。『わたしたちが住む大津市唯一のデパート西武大津店は、一ヶ月後の八月三十一日に営業終了』、『建物は取り壊され、跡地にはマンションが建つ』予定であり『四十四年の歴史に幕を閉じるとあって、地域住民は心を痛めてい』ます。そんな『西武大津店』について『八月になったらぐるりんワイド』が『生中継をする。それに毎日映るから、島崎にはチェックしてほしい』と言う成瀬。『毎日は見られないかもしれないけど』と島崎が返すと『見られる日だけでいい。よろしく頼む』と続ける成瀬。そして、『滋賀県唯一の県域ローカル局、びわテレビ』で夕方に放送される『ぐるりんワイド』を『視聴予約した』島崎は、『成瀬の言うことはいつでもスケールが大きい。小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「二百歳まで生きる」だった』と振り返ります。そして、『中継初日である八月三日』の『番組開始五分前にはソファに座り、テレビをつけて待機』する島崎。やがて、『十七時五十五分になり』『西武大津店からの中継がはじま』ります。『買い物客が自然な様子で行き交う中』『テレビに映るために立っていた』という成瀬は、『肩まで垂らした黒髪に、白い不織布のマスク、学校の制服の黒いスカートと白いソックス』に『なぜか野球のユニフォームを身につけてい』ます。『胸に書かれた「Lions」のロゴ』を見て、『西武ライオンズのユニフォームに違いない』と思う島崎は、成瀬の『両手には応援グッズとおぼしきプラスチックのミニバットが一本ずつ握られている』のに気づきます。『「閉店まであと29日」と表示されている』『店の前の電光掲示板』のそばで、『まっすぐカメラ目線で立ってい』る成瀬。その横で『こちらで閉店までのカウントダウンをしています』と語る『レポーターは成瀬を様子のおかしい人だと見なしたらしくスルー』し、店から出てきた『おばちゃんにマイクを向け』た後、『以上、西武大津店から中継でした』と締めくくると『画面はスタジオに切り替わ』りました。『タブレットを立ち上げ、Twitterで成瀬に言及している人がいないか代理エゴサーチを行』う島崎ですが、『それらしきツイートは見当た』りません。そして『番組が終わった後』、島崎の『家を訪ねてきた』成瀬は『見てくれた?』と訊きます。『ちゃんと映ってたよ。あれはライオンズのユニフォーム?』と訊く島崎に『そうだ』と言う成瀬は『リュックからユニフォームを出して見せてくれ』ます。『背番号は1番でKURIYAMAと書かれてい』ますが、『KURIYAMAが何者なのか知らないらしい』成瀬。『だいぶ怪しかったけど、目立ってたのは間違いない』と言う島崎。そんな翌日、『ぐるりんワイドを視聴』する島崎の隣で一緒に見ていた母親に『西武が閉店する日まで、毎日通うらしいよ』と、成瀬のことを説明すると『いいじゃん、みゆきも映ってきなよ』と『まったくの想定外』の提案をされてしまいます。そして、翌日『八月五日』、『西武大津店に向かった』島崎は、『ユニフォームを着てスタンバイしている』成瀬に『おう』と右手を上げられます。中継が終わり、録画を見ようと成瀬を自宅へと招いた島崎が再生するとそこには二人の姿が映っていました。そして、『エゴサーチを行うと、ついに「西武大津からの中継、いつもいるユニフォームの人が気になる」というつぶやきを見つけ』た島崎。『西武大津店の閉店は中二の夏の大イベントだ』という島崎と成瀬の夏休みが描かれていきます…という最初の短編〈ありがとう西武大津店〉。『成瀬あかり』の存在感の大きさを強く印象づける好編でした。
“2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが…。M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない”と内容紹介にうたわれるこの作品。本屋大賞2024を受賞した宮島未奈さんのデビュー作です。
私も毎年注目している一大イベントである本屋大賞、毎日ブクログのランキングを眺めていることもあって宮島未奈さんのこの作品はずっと読みたい作品の筆頭にありました。一方で、私は、同じ作家さんの作品を3冊ワンセットで読むことをこの5年間続けており、宮島未奈さんについても3冊出揃うのを待っていましたが、昨秋の「婚活マエストロ」をうっかり見逃してしまったことで読むタイミングを逃してしまいました。そんな中、「それいけ!平安部」が2025年4月14日に刊行されたことでその発売タイミングに合わせてこの作品を読むことができたというわけです。
さて、そんなこの作品は、本屋大賞を受賞するだけあって、さまざまな魅力に満ち溢れた作品だと思います。三つの視点から見ていきたいと思います。
まず一つ目はこの作品が執筆された時期に関連したものです。それは、思い出すだけでも辟易してしまう”コロナ禍”です。この作品は6つの短編が連作短編を構成していますが、そのうちの2つの短編は、「小説新潮」の2021年5月号、2022年5月号に掲載されたものであり、その後書き下ろしの4つの短編を加えて2023年3月17日に単行本として刊行されています。そうです。この作品は”コロナ禍”の日常を前提に物語が描かれているのです。もう”コロナ禍”なんて、お腹いっぱい!聞きたくもない!という方が圧倒的大半だと思いますが、少しだけ見ておきましょう。まずは、この作品で外せない、テレビに登場した『成瀬あかり』という場面です。
『肩まで垂らした黒髪に、白い不織布のマスク、学校の制服の黒いスカートと白いソックス』、『なぜか野球のユニフォームを身につけていた』。
後でも触れますが「西武大津店』の閉店に向けた『ローカル番組』の中継に映り込む『成瀬あかり』の姿がこちらです。この作品の表紙がまさしくこの姿を描いていますが、流石に『白い不織布のマスク』はつけていませんね。
『ソーシャルディスタンスを保つため、カウントダウン表示と館内案内図を挟んで二メートル程度の距離を空ける』。
出ました!『ソーシャルディスタンス』の登場です。まあ、今だからこんな風に軽く話題にできますが、あの当時は、人が近くに寄ってくること自体にピリピリするムードがありました。
『うちの事務所もコロナ対策でビニールカーテンとかアクリル板とか付けたんだけど、意味あるのかな』
これまた出ました!今となっては却って不潔な印象しかない『ビニールカーテンとかアクリル板』の登場です。今の我々がそれを見て受ける印象はあの当時とは全く異なります。そういう意味では、「小説新潮」掲載時にこれらの描写を読まれた方と今の我々ではこの場面の受け止め方が随分と異なるのだと思います。私はブクログの本棚のタグに”「コロナ禍」を描く”というタグ名を設定しています。現時点で30冊以上を登録していますが、この作品にも早速このタグを付けました。”コロナ禍”に中学・高校時代の青春を送る主人公たちの目から見た”コロナ禍”の日常。今から”コロナ禍”を描く作家さんも流石にいらっしゃらないでしょうから本屋大賞を受賞したこの作品も”コロナ禍”を振り返る歴史の証人となる貴重な一冊だと思います。
次に二つ目は、この作品の舞台です。この作品では最初の短編は全編に渡って、そして、それ以降の短編でも『西武大津店』という百貨店の名前がそこかしこに登場します。物語は滋賀県大津市を舞台に展開しますが、冒頭の短編では、リアル世界にも実在した『西武百貨店西武大津店』の閉店に向けて『成瀬あかり』がとる行動を描いていきます。リアル世界で2020年8月31日に閉店した同店舗は物語の中でも同じく閉店に向けた動きが進んでいきます。作者の宮島未奈さんは滋賀県大津市に在住されていらっしゃる方ですが、リアル世界の映像を上手く作品に落とし込まれたという印象です。元々この作品は同店の閉店をきっかけに「ありがとう西武大津店」というタイトルで宮島未奈さんが執筆されたものをそのまま短編タイトルとしています。地元の百貨店への感謝の気持ちが込められたこの短編、百貨店の細部を描き出す物語には、宮島未奈さんの百貨店への熱い思いを感じもします。
最後に三つ目ですが、この作品は、上記した通り、中学・高校時代を描く”青春物語”、そして学校を舞台とする”学園物語”が描かれるという点が何よりもの特徴だと思います。この視点から幾つか見てみましょう。
『湖風祭前後にカップルが激増するという話があるそうだが、ご多分に漏れず一年三組にも甘い空気が漂ってきた。誰が誰に告白したといううわさ話を小耳でキャッチして、相関図に反映させる』。
高校生主人公の視点で描かれる短編に登場する表現ですが、身近なクラスメイトの『相関図』を作るんですね。これは私には経験がないのでとても興味深いです。
『俺は結希人とかるた部の見学に行った。三年生と二年生は合わせて十二人で、全員女子だった。見学に来ている一年生も女子ばかりだ。これまで女子とは縁遠い人生を送ってきたから、俺一人だったら確実に逃げ出していた』。
こちらはクラブ活動の様子です。物語では、『かるた部』が取り上げられてもいきます。『かるた部』を描いた作品は末次由紀さん「ちはやふる」が圧倒的に有名です。この宮島さんの作品で描かれる『かるた部』は、その活動内容というよりは、あくまで『成瀬あかり』を描くための演出の一部と言って良いと思います。
『五年二組の女子は、上中下の三つのグループに分かれていた。自分を「下」の方だと認識したのはこの頃だ。男子とも気軽に接する派手な上位グループ、女子同士で楽しそうにつるむ中位グループ、そのどちらにも入れない、地味な下位グループ』。
小学校時代を振り返る場面、いわゆる”スクールカースト”を描く表現です。柚木麻子さん「王妃の帰還」、綿矢りささん「蹴りたい背中」などこの方面に深く入っていく作品は多々ありますが、この宮島さんの作品は上記の文章にこんな一文が加わっているところがポイントです。
『そして、どの階級にも属さず、飛び地のようにぽつんと存在する成瀬』。
はい。この作品では”スクールカースト”そのものというよりも、そんな次元を超えていく『成瀬あかり』の存在感の大きさこそを描いていくのです。
では、『成瀬あかり』という少女が、どんな風に周囲から見られてるいるかをまとめておきましょう。
● 『成瀬あかり』ってどんな子ですか?
・『成瀬は他の園児と一線を画していた。走るのは誰より速く、絵を描くのも歌を歌うのも上手で、ひらがなもカタカナも正確に書けた』
・『成瀬の言うことはいつでもスケールが大きい。小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「二百歳まで生きる」だった』
・『息をするようにスケールの大きなことを言う人間だ』。
・『けん玉で大津市チャンピオンになった』
・『さながら琵琶湖にサメが現れたかのよう』
・『どの階級にも属さず、飛び地のようにぽつんと存在する』
はい、複数の人物視点で見た『成瀬あかり』の印象です。さまざまなことを器用にこなすタイプの一方で『さながら琵琶湖にサメが現れたかのよう』という表現にキョーレツな個性の持ち主であることがわかります。
上記した通り、この作品は6つの短編が連作短編を構成しています。それぞれの短編では、複数の人物が視点の主を務め、その短編で視点の主となる人物が『成瀬あかり』と関係しながら物語は展開していきます。タイトルも個性溢れるものになっていますので、それぞれの短編タイトルと視点の主を整理しておきみましょう。
・〈ありがとう西武大津店〉: 島崎みゆき
・〈膳所から来ました〉: 島崎みゆき
・〈階段は走らない〉: 稲枝敬太
・〈線がつながる〉: 大貫かえで
・〈レッツゴーミシガン〉: 西浦航一郎
・〈ときめき江州音頭〉: 成瀬あかり
「小説新潮」に掲載された二つの短編は、中学校の友人である島崎みゆきが視点の主を務めます。このまま島崎みゆき視点で展開しても面白そうですが、3編目以降、視点の主は一編ずつ変化していきます。この視点の主の選択が面白く、上記のリストにその関係性を記してみました。しかし、これから読まれる方にはこの関係性の意外さこそを味わっていただきたいと思い直して最終的に削除しました。えっ!と思われるような人物も登場しますので是非楽しみしていただければと思います。
このように複数の人物視点で書名に名前が記された人物を描く物語は他にもあります。柚木麻子さん「伊藤くんA to E」、川上弘美さん「ニシノユキヒコの恋と冒険」がそうです。それぞれ、”伊藤くん”、”ニシノユキヒコ”と名前は登場しますが、物語はあくまでそれぞれの人物を見る他者視点で描かれていきます。そして、この宮島未奈さんの作品も基本的には同様の構成です。上記したように『成瀬あかり』を同級生の島崎みゆきなど他の人物視点で描くことで、『成瀬あかり』の人となりを物語の上に浮かび上がらせていきます。上記でまとめた『成瀬あかり』の特徴がそれにあたります。しかし、この作品は柚木麻子さん、川上弘美さんの作品とは異なる道を辿ります。それこそが、最終章で『成瀬あかり』本人に視点が移動することです。これは非常に面白い効果を発揮します。読者の中には5編目までの物語で『成瀬あかり』という人物に対するイメージが出来上がります。例え5編目で物語が終わったとしても十分に魅力的な内容がそこに描かれています。しかし、この作品ではそこに6編目で本人が満を持して登場するのです。そこに見るのはイメージ通りの『成瀬あかり』なのか?それとも、全く異なるイメージなのか?、この作品の醍醐味は間違いなくこの6編目〈ときめき江州音頭〉にあると言っては過言ではないでしょう。『成瀬あかり』の真の姿を見る物語。そして、『成瀬あかり』の成長を見る物語。シリーズ累計100万部を売り上げたこの作品。そこには、『成瀬あかり』という一人の少女が放つ圧倒的な存在感に魅了される物語が描かれていました。
『島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う』
そんな言葉の先に、『閉店へのカウントダウン』に思いを込める『成瀬あかり』の姿が描かれたこの作品。そこには、唯一無二の個性を持った『成瀬あかり』をさまざまな視点から浮かび上がらせていく物語が描かれていました。まさしく”青春物語”が描かれるこの作品。そんな物語に圧倒的な存在感で物語を駆け抜けていく『成瀬あかり』の姿を見るこの作品。
心の機微が丁寧に描かれていく物語の中に、『成瀬あかり』の突き抜けた個性の魅力を改めて感じもした素晴らしい作品でした。 -
ずっと読みたかったのだが、ようやく手に取れた。いやあ、もう、とっても面白かった。
他人の目を気にせず泰然と、ひたすら自分の思いに真っ直ぐで、だけども他人を慮ることもできる、成瀬あかり。
そんな成瀬に寄り添い、成瀬が言い出したことを見届けようとする、幼馴染の島崎みゆき。
そんな二人を中心に織りなされる物語は、友情と地元愛に溢れて、読みながら自然と笑いがこぼれくる、とてもおちゃめでチャーミングなお話だった。
仕事の都合で、2002年~2010年の間、膳所に住んでいたことがあるが、その頃は西武だけでなくパルコ(西武よりも先に閉店し本の中ではオーミー大津テラスになっている)もあり、ファッションやグルメだけでなく書店も映画館もプレイガイドもコンサートホールも体育館も何でも揃っている、コンビニエンスで環境も良い、とても住みよい街だった。
作者さんの巧みな書きぶりで、膳所の街のことを知らなくてもこの本を読み進めば前からこの街のことを知っていたように馴染んでしまうと思えるが、元住民としては、西武はもとよりよく訪れていた場所や子どもたちが通った小中高校も登場し、その景色が思い浮かぶだけでもこの話を人の倍以上に楽しめた気分。
森見登美彦さんの解説もGOODです。 -
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
インパクト大である。
解説の森見登美彦さんも同じことを言っておられる。
書店にいけば、この一行を何回も繰り返し流している。
なかなか青春小説を読まないが、話題に乗り遅れないよう読んでみた。 -
本屋さんで見かける度に気になっていた1冊。
待望の文庫化で早速手に取った。
主人公「成瀬」が何事にも自分の考えを持ち
しっかりと信念を持って生きている青春生活が羨ましくもあり、懐かしくもあり、まぶしかった。
私には、何か1つでも真摯に向き合ったことがあっただろうかと反省もした。
そして、何事にも動じない成瀬が、幼なじみの島崎の存在や言動にそわそわ落ち着かなくなる様子が微笑ましく、「成瀬も若い女の子だったのね」と安心した。
読み終えた今、私は猛烈に親友に会いたくなった。
年に数度しか会えなくなったけど、やっぱり親友である存在を愛しく思えた1冊だった。 -
勝手に元気溌剌、天真爛漫な女の子がド派手な言動で天下をとる話だと想像していたもので、中盤を過ぎたあたりで、あれ?なんか思っていたより静かだな…続編読むほど面白いかと言われると微妙だな…と思っていたのですが、終盤まで何を考えているのかよくわからなかった成瀬の心情が描かれることによって、島崎との関係性に思わず感動してしまいました。
島崎がただ成瀬について回るだけの大人しい女の子じゃないのがよかった。
普通だったら幼馴染というだけでは付き合いきれなくて疎遠になってしまいそうなのに、島崎も島崎でコミュ力と寛容さがすごい。
ド派手な展開こそなかったものの、人の目を気にしない、普通に捉われない成瀬の言動に少なからず影響を与えられて心を動かされている人がいるわけで、成瀬ならいつか本当に天下をとってもおかしくない。
これは続編も読まなければ!-
はじめまして。
この本面白かったですよね。
続編も面白かったです。
さらに新しい続編も出たみたいで、そちらはまだ読んでいませんが近々読もうと...はじめまして。
この本面白かったですよね。
続編も面白かったです。
さらに新しい続編も出たみたいで、そちらはまだ読んでいませんが近々読もうと思います。婚活マエストロなんかもなかなかだったと記憶しています。
また、続編読んだら感想書いてください。2025/12/08 -
のんさん
初めまして、コメントありがとうございます!
続編も読みたいと思いつつ、他にも気になる作品がたくさんあってなかなか手が伸びずで…
...のんさん
初めまして、コメントありがとうございます!
続編も読みたいと思いつつ、他にも気になる作品がたくさんあってなかなか手が伸びずで…
婚活マエストロも機会があれば読んでみたいです!2025/12/09
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今更だけど気になっていたので、文庫が出たタイミングで読了。
膳所という難読地名、きっちり覚えられました!
成瀬の破天荒な性格と行動は周囲を元気づけていてこちらまでスッキリした気持ちになった。
内容を知らず装丁だけで、てっきり野球の応援団か何かの青春小説かと。勘違いして懸念してた私に教えたい…(野球は無知なもので)
デパート西武大津店を起点に回りの人々との関わりが変わっていく様子や、ほんのり成瀬の影が見える弁護士の話とか良かった。
後半、破天荒でとっつきにくい性格と思いきや親友の引っ越し疑惑で本調子がでない姿は年相応で成瀬が可愛かった。
漫才は次巻でも活躍するのかな?地元の内輪ネタ満載漫才は実際に地元民に響いたのだろうか。
得点の「ぜぜさんぽ」もたくさん写真が使われており、成瀬と一緒に旅行している気分になれる。やっぱり観光船ミシガンが気になる。いつか乗ってみたいな。 -
ずっと文庫化されるのを待っていました!
『島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う』という、成瀬の言葉が気になってました!
西武って西武ライオンズなのか?
でも舞台は滋賀県?
高校生が野球の応援に熱を入れる?
甲子園や阪神ではなくて?
色んな疑問が生まれて早く読みたい気持ちにさせてくれるセリフです。
これが小説の頭にある事で読んだ読者は一気に物語へ引き込まれてしまいます!!!!
それと、本書を読んで琵琶湖に行きたいと思いました。というか、ミシガンに乗りたいと思いました!!!
人生の近いうちに滋賀県に行きます!
『島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う』
本書の主人公の成瀬あかりが言ったこの言葉から物語は始まります!
・地方のローカル番組への中継に毎日映る話
・Mー1に幼馴染と挑む話
・成瀬の物語のサイドを走る、おじさん達の物語
・頭を坊主にする成瀬とカルタ部への挑戦、そして新たな視点者
→カルタ部の話もっと掘り下げて欲しかった!
・カルタを通じて成瀬に興味を持つ広島の高校生
・成瀬の視点と地元愛!
滋賀県に行きたくなる青春ストーリー!
因みにスピンの色は琵琶湖カラーらしいです!!
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力強いタイトルのこの本。
多くの賞をとった話題の本。
ずっと楽しみにしていました。
意思を持った涼やかな眼が印象的な表紙。西武ライオンズのユニフォームを着た成瀬あかりが、多くの人を魅了したわけをようやく知ることができました。
そつなくなんでもこなせるのに、突拍子もないことを言って、なんとかやりとげようと努力する成瀬の一途さに、夢中になって読みました。
全く土地勘のない滋賀県大津市。
なのに西武大津店や膳所、琵琶湖のミシガンクルーズが、いとおしく感じられるようになりました。
そして気づいたらいつの間にか皆が繋がっていました。
自分の気持ちに正直に生きている成瀬あかりの生きざまを、読者の私も見届けたい思いになりました。
「膳所から世界へ!」
笑顔になれる言葉です。
元気がもらえるとっておきの1冊になりました。
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フリージアさん、こんにちは(^.^)
この本、図書館の予約がようやっと、5番目になりました
フリージアさんのレビューを見ていると、今話題の本...フリージアさん、こんにちは(^.^)
この本、図書館の予約がようやっと、5番目になりました
フリージアさんのレビューを見ていると、今話題の本がよく分かります。レビューの文章、端正で分かりやすいですし
私はいつものんびりしちゃって、成瀬シリーズもいつ読み終わるかって感じです!
2026/01/17 -
くにちゃんさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます!
お褒めの言葉、とてもうれしいです(*^^*)
私は成瀬シリーズ、図書館の予約が...くにちゃんさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます!
お褒めの言葉、とてもうれしいです(*^^*)
私は成瀬シリーズ、図書館の予約が待てずに購入しました(^^;
とても面白かったので、楽しんでくださいね。
2026/01/18
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主人公成瀬あかりのような人間になれたら面白いだろうなぁ。でもこの成瀬あかりになるには島崎みゆきの存在がとても重要だったんだなぁ。
この2人がなんだか愛おしくて清々しくて羨ましい。
「この夏を西武に捧げようと思う」とかM-1に出るとか、ほんと行動にびっくりするけど、憎めないし微笑ましく思えてくる。
この本は元気にさせてくれるし、自分らしく生きてみようと思えてくるそんな内容だった。
成瀬あかりも島崎みゆきもどちらも好きだなぁ。素敵な登場人物に出会えてよかった。 -
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書店に行く度に気になっていた作品。
単行本はお値段の関係でなかなか手が出せないので、文庫化されたことを知ってすぐに書店でお迎えしてきました❁⃘*.゚
初めてこの作品を知った時は、西武ライオンズのユニフォームを着た女の子が表紙だったので、てっきり野球のお話なのかなぁと思っていたのですが…全然そんなことはなく!滋賀県大津市が舞台のお話だったとは!!
大津市は知っていましたが、大津市にある膳所や西武大津店のことは知らず、この作品を読んで初めて知りました。
そんな行ったこともない初めての場所にも関わらず、作品を読み進めるにつれてどんどん馴染みのある場所のように思えてきて、読み終わる頃には膳所が地元なんじゃないかと思えてしまうくらい特別な場所になっておりました!
成瀬あかり史、とっても面白かった~!
続編も早く読みたいです(*´꒳`*)
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のんさん
こんにちは。
この作品面白かったですよね。
続編も面白かったので、ぜひ読んで見て下さい。
私は、まだ行ってないのですが、ちょっと滋...のんさん
こんにちは。
この作品面白かったですよね。
続編も面白かったので、ぜひ読んで見て下さい。
私は、まだ行ってないのですが、ちょっと滋賀に聖地巡りしたくなりました。2025/07/14 -
のんさん、こんにちは!
いつもコメントありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
のんさんはもう続編も読まれたのですね!
私も今から読むのがとっ...のんさん、こんにちは!
いつもコメントありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
のんさんはもう続編も読まれたのですね!
私も今から読むのがとっても楽しみです❁⃘*.゚
聖地巡礼したくなりますよね~(*´꒳`*)
ミシガンで琵琶湖クルーズをしてみたいです!
2025/07/15
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積読も積読、、、情けない。。。
読みたくて買ったにも関わらず読めてなかった
大絶賛の本屋大賞の一冊。
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
この名セリフから始まる 成瀬あかり の物語は、
実にまっすぐで努力家でマイペースながら、
自分の意志に正直な女子学生のストーリー。
気になり、思いつくことは苦にもせずに行動に移す成瀬。
夏休みの西武、M-1チャレンジ、髪の毛検証、
かるた班などなど。
やりすぎ感は否めないながらも、
読んでいくうちにどんどん自分が成瀬に惹かれていくのを痛感します。
成瀬の「自分らしさ」の言動の先は、
周りの人々に新しい風を吹き込んでいく。
そんな成瀬あかり史を読み終えた時、
私たちにも新しい風を吹き込んでくれたように感じました。
冒頭の幼馴染の島崎や同級生の大貫、
西武大津になじみのある膳所の人々、
成瀬に惹かれる広島の西浦くん。
成瀬の周りにいる人々との関係もまた素敵な物語です。
その中でも幼馴染の島崎に対する思いを綴った
(ときめき江州音頭)は、私のお気に入り。
成瀬と島崎。
ともにお互いを十分に知りつつ、認め合い、
助け合う関係。
成瀬にとって唯一無二の友人の存在は大きいはずですね。
膳所 も 西武大津の存在 も ミシガン も
うみのこ も、この一冊で知り、
読者各々の想像する 成瀬あかり像とともに、
知識として記憶に残る、画期的な物語だったなぁと
痛感しています。
最後の解説を書かれた 森見登美彦さんの解説も素敵ですよ。
〜面白い小説というものは一行目から面白い。
おまえは何を言っているんだ?と読者に思わせることができれば「勝ち」である。〜
納得の一言。さすがです。。
続編は次回本屋さんに行ったら必ず購入し、
積読せずに読みます、笑。
中高生にもおすすめです!
是非みなさん、成瀬あかり史を読んでみませんか?-
フォロー&たくさんのいいねありがとうございます。
成瀬、面白いですよねー
200冊目の節目ですね♪
これから、宜しくお願いいたします。フォロー&たくさんのいいねありがとうございます。
成瀬、面白いですよねー
200冊目の節目ですね♪
これから、宜しくお願いいたします。2025/10/13 -
ヒボさん☆
コメントありがとうございます♪
成瀬、やられました!積読してしまっていたこと、
後悔です(>_<)
これからもたくさんの本を共有...ヒボさん☆
コメントありがとうございます♪
成瀬、やられました!積読してしまっていたこと、
後悔です(>_<)
これからもたくさんの本を共有させてください♪
こちらこそよろしくお願いします☆2025/10/13 -
2025/10/14
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2024年の本屋大賞!
以前なら大賞作品はいの一番に読んでいましたが
ブクログに出会ってから読むジャンルが広がり過ぎて、今になってやっと読む事が出来ました。
読んでいて気持ちがいい。
成瀬あかりの言動が心地よくさせてくれます。
これは島崎みゆき、大貫かなえ、西浦航一郎という割と普通、私よりの人間が見ての話なので尚更、
成瀬あかりが際立つのでしょう。
西武大津店、M-1、と扱っている題材も良く、作者さんの愛を感じます。
【階段は走らない】で安田がさだまさしの曲に感銘を受け、ケニアに住んでいるというマニアをくすぐるネタをさりげなく入れるのも思わずニヤけてしまいました。
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こんにちは(∩ˊᵕˋ∩)・*
ぶっ飛んだキャラなのに、清々しいですよね♪全力少女だからなのか??
私は友達にはなれそうもないです...こんにちは(∩ˊᵕˋ∩)・*
ぶっ飛んだキャラなのに、清々しいですよね♪全力少女だからなのか??
私は友達にはなれそうもないですが、読んでいる分にはめっちゃ楽しいです♪2025/11/08 -
まきさん♪
同感です。私も友達にはちょっと遠慮させていただきますm(_ _)m
紙面で充分ですね(^。^)まきさん♪
同感です。私も友達にはちょっと遠慮させていただきますm(_ _)m
紙面で充分ですね(^。^)2025/11/08
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なんて清々しいんだ☆
読んだら誰しもが成瀬のファンになるような
自分を貫く性格と、人間味のあるところ。
何かのてっぺんを目指して
成瀬目線で進んでいく物語かと思っていたら
良い意味で裏切られた。
成瀬じゃない人たちの話も出てきて
でもどこか繋がっていて全体を通して面白い!
200歳まで生きるのを目標とすれば
いつか誰か達成できるかもしれない!
という考えもしなかった発想に
ハッとさせられた!好き!!
コロナ禍に読者を元気付けたことと
大津や膳所の町おこしに一役買ったのが想像できる。
本屋大賞に選ばれるようなヒューマン系の作品は
どうも苦手だから敬遠していたけれど、コレは違う!
成瀬という存在に元気をもらえる作品。
お誕生日にこの本をプレゼントしてくれて
成瀬に出逢わせてくれた友人に感謝☆
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閉店間近の西武大津店に通い、ローカル番組の中継に毎日映る、お笑いコンビ・ゼゼカラでMー1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。
成瀬あかり、ヤバい奴!?なんだけど、読み進めていくほど魅了され、最後は愛おしくてたまらなくなる。
そんな彼女とコンビを組む島崎みゆきとの友情がまた良くて、二人の関係性が羨ましくなる。
なんだろう?どんと背中を押してもらえて、謎の勇気がじわじわ湧いてくる。何はともあれ動いてみようと思ってしまう。
200冊目、意識してこの物語を選んだ。結果大正解!続きも楽しみ。 -
2024年本屋大賞。滋賀本。タイトル通り、主人公たち中高生の、弾ける若さとスリリングな展開。退屈な日常に光を照らす素晴らしい小説。また、現場を知る人には、全てのシーンが目に浮かぶ抱腹絶倒の描写。
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2025/07/20
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うたえながさん、そうですね、尊敬すべきキャラですね。小説だからでしょうが、実在して欲しいですね。うたえながさん、そうですね、尊敬すべきキャラですね。小説だからでしょうが、実在して欲しいですね。2025/07/21
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還暦を遠に過ぎたジジイが読む作品ではないと思ったがさすが本屋大賞受賞作だけあって面白かった。成瀬あかりは変人だがどこか憎めないキャラクターでした。
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待ってました文庫化!
まあ単行本持ってはいるのですが…。完全に成瀬ファンになっているので迷わず購入。久しぶりに新品の文庫本を購入しましたよ。
文庫本には、著者の宮島さんがゼゼカラと一緒に聖地巡礼する大津ときめき紀行ぜぜさんぽが収録。新たにゼゼカラの絡みが読めるの嬉しい。
初版限定スピン(紐しおりの事)が琵琶湖ブルー色。綺麗な色でわたしは好み。
森見登美彦さんの解説もいい。島崎とゼゼカラの魅力を上手く言語化している所が個人的に好き。
文庫本読んで改めて次回作が楽しみになったなあ。単行本まで待てず、図書館で小説新潮読んじゃったよ。ぼきののか。成瀬が成瀬っぷり全開でおもろかった。次回作も期待。ワクワク。 -
私がこの本で印象に残ったのは、成瀬あかりと島崎みゆきの友情です。
成瀬はちょっと変わっていて、自分のやりたい事をを淡々と、しかし、とことん追求するエネルギッシュな人間です。そんな成瀬に振り回されることなく、自分も楽しんで、マイペースで付き合える島崎。二人はとてもよいコンビです。ベタベタしすぎない程よい距離感、相手を思いやる気持ちもとてもいいですね。
この本の構成も良いです。解説で、森見登美彦さんが書かれているように、成瀬と島崎、二人中心のエピソードで、最後まで進むのかと思いきや、別の角度(二人を取り巻く外側)から攻めて、最後にまた二人の関係性をより際立たせています。やっぱり、成瀬と島崎は、無二の親友なんだなぁと、強く思わせてくれます。
私は文庫になるまで待っていましたが、早く読めばよかったなぁと思いました。
宮島未奈の作品
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今後ともよろしくお願いします!
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