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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784101063300
作品紹介・あらすじ
法隆寺壁画の模写に没頭し、戦争のさなかに法隆寺へ向う列車の中で倒れた日本画家の荒井寛方。烈しく一途に美を語り、最初の出会いから著者をとりこにしてしまった陶工・河井寛次郎。ほかに橋本関雪、上村松園、国枝金三など、著者が美術記者時代にめぐり会った画家や陶芸家たちとの交わりを中心に、美の創造者たちの内面と風貌を生き生きと描き、鎮魂の思いあふれる美術エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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毎日新聞の美術記者だった著者が、当時の取材などを通じて出会った芸術家たちについて語ったエッセイなどをまとめた本です。
河井寛次郎については、「私は氏の人となりに魅了されてしまった」と著者は語り、「氏は芸術家という言葉がきらいで、陶工とか職人とかいう言葉が好きだったが、しかし、氏くらい芸術家らしい真の芸術家は、そうざらにはなかったと思う」と述べて、河井との思い出が著者にとってかぎりなく美しいものとして回想されています。
これに対して、画家の橋本関雪については、著者はその作品にもそのひとにも、やや親しみにくさを感じていたことが語られています。そうした著者のえがく橋本は、やや滑稽さを感じさせるところがあるものの、臆病さを内部にかくしながら美の世界に生きたそのすがたは、やはり芸術家であると思わされます。
「安閑天皇の玉碗」と「白瑠璃碗を見る」はどちらも、安閑陵出土の玉碗と、まったくおなじかたちの「玻璃碗」をめぐるエッセイです。敦煌遺跡から発見された文書にロマンを感じて、それを一冊の長編小説にまとめたこともある著者らしい感性が、率直に示されているように感じられます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
情報科教員MTのBlog (『忘れ得ぬ芸術家たち』を読了!!)
https://willpwr.blog.jp/archives/51477312.html
著者プロフィール
井上靖の作品





