夏草冬濤 (上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101063331

感想・レビュー・書評

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  • 耕作の中学時代が書かれている。
    鞄をなくした時の表現が的確で、読んでいるこちらもはらはら。出てきてほっとしました。
    かみきの家の姉妹の描写が印象的。
    正月に帰った耕作が、叔父より読書感想文の宿題をもらうが果たして達成できるのか、次巻がたのしみ。

    日常を描き出しているが、その表現が素晴らしく、ストレスなく読み進める。何気ない日常が過ぎる中で、次はどうなるのかと先を続けて読みたくなる希有な本。

  • 100年前の中学生も中2病だったので笑った。

  • 「しろばんば」の続編。
    子どもの頃に読んだときは、続編があるとは知らなんだ!

    中学生になった洪作の生活を描いています。
    「しろばんば」と同じく、大事件が起こったり手に汗握らせたりすることなく、淡々と日常を描いているのに、次が読みたくてたまらなくさせる! 名作だー!

    キラキラと眩しい先輩たち、仲はいいけど脱皮しきれない子どもっぽさが鼻につく同級生、美しいけれど性格の悪い親戚の女の子…
    そんなものたちに翻弄されながら、少しずつ成長していく洪作。
    あぁ、おぬい婆さんにもこの成長を見せてあげたい!

    「子どもを産むなら女の子!」と思ってたけど、この洪作の青くさい、成長っぷりを見てると「男の子もいいかもなー」なーんて思ってしまった。

  • 自伝的三部作のひとつ。
    洪作の中学生時代。

    のんびり、おおらかな雰囲気に、ほっとしました。

  • 「しろばんば」の続編。
    中学生になった浩作が描かれている。
    田舎では優等生で、勉強がよく出来た彼が
    都会で揉まれつつ様々な経験をしていく思春期小説。
    大正時代の地方都市の、遠く薄く、それでいて生々しい世界が描かれている。
    おぬい婆さんと過ごした日々が全てだった幼少期に比べ、浩作が大人になり世界が広がった反面
    色あせていく思い出のもの悲しさ。
    旧制中学の雰囲気や友人とのかけひきなど、経験してもいないのに懐かしい気持ちにさせられる。

  • ★評価は読了後に。
    これ、「しろばんば」とかの続きの自伝小説かと思われますが、多分読んでいない。
    何か良い、コントとまでは言いませんが、絶妙なボケとツッコミの応酬でこの作家のイメージからすると意外感あり。
    ちょっと下巻が楽しみ。

  • 「しろばんば」に続き、初めて読了。
    「しろばんば」も面白かったが、その続編としても面白く読めるが、単一の作品としても十分に自立した優れた青春小説だと思う。嗚呼、我にも斯くも爽やかなる青春があれば!と思わずにはいられない。
    「しろばんば」と同様、本作でもやはり、作者の分身でもある主人公・洪作の心情と成長が丁寧に、そして詩的に語られる。時にはハゲシク感情移入してしまうほどに。これまた名作だ。
    三部作完結の「北の海」を次に読まねば。

  • 思春期の頃を思い出しながら読んだ。急に異性の目が気になり、大人から大人扱いされるたびに戸惑い子供扱いされると腹が立ち、自分と同じように子どもだと思っていた同級生が意外と将来についてしっかり考えていたりして、置いていかれたような感じがして、ちょっと悪ぶってみることに抵抗と憧れを感じたり……。沼津中での洪作はまだまだ子どもっぽくて、海を見ても「海は広い」「太平洋だからな」と概念や知識で言語化する増田と小林に対し、洪作は波音を感覚的に捉えている。3年振りの湯ヶ島帰省は間違いなく洪作の自我を揺さぶり大人への階段へと押し上げた。おじの寡黙さの奥に覗く洪作への愛情に思わず涙した。

  • 文章が全く肌に合わない。本は好きだけど流石にこれは壁に投げつけた。良い話だとは思うんだけど、文体が無理。ごめんなさい。

  • (110)

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著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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