私の遺言 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2005年9月28日発売)
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  • 本 ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101064130

感想・レビュー・書評

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  • 出だしを読んで あれ?再読かしら?と思ったのですが
    初めてでした。
    他の本にも書いてあった内容の霊現象でした。

    著者は 北海道に別荘を入手してから
    多数の怪奇現象に見舞われtいた。
    その度に 専門の人に来てもらったりして
    除霊など や お祓いの方法とかを行った。

    が そのかいもなく 悪化していく。

    凄い 霊媒師さんとも出会って
    原因がわかってきた。

    ご先祖さん達の 悪行がカルマとなっているという事。
    しかし 何で彼女だったんだろうと 思って読んでいくと
    最後には そういう事なのかと 納得しました。

    多くの人がこの本を読むことが 必要だったのですね。

    私もこの本を読んで
    日本人が アイヌの人達をこんな風にしたという事が
    知る事ができました。

    例えば アイヌの人たちと物々交換するときに
    数を 最初に 「はじまり」 って言ってから 「1」「2」と
    数えて 最後に 「おしまい」って言って  数プラス2を 受け取っていたとか。
    アイヌの人たちが 純朴である事を 逆手にとって ひどい事をしてきたという事が
    わかりました。

    そして 現在の日本人の心が だめになってしまっているから
    災害や犯罪などが 起こりやすくなってしまってるという事。
    これって もしかしたら コロナも 世界中の人たちが
    人の生活優先で 自然などを 支配しようとしてきたしっぺ返しなのかもしれないと
    思いました。

    一人でも多くの人が 太陽を仰いで祈る{日拝) 事を実践して
    魂がきれいになって日本の穢れが祓って 人々の波動が上がる事を
    願います。

  • 知人が貸してくれました。『血脈』は未読だけれど俄然興味が湧いてきました。霊のことや死後の世界、輪廻転生のことなど、全く興味はなかった作者が避暑のために建てた家に起こる数多の不可思議な現象と体調不良などに遭い、実体験から死後の世界とそれにまつわることどもを知るようになり勉強するようになり、社会のことも死後や霊の世界と繋がっているのだから、同じような体験をしていなければ俄には信じがたいだろうけれど多くの人に伝えておかなければならないと「遺言」という題目のもと書き綴った記録とエッセイ。私は霊体質ではないし霊感と呼べるものもないのでおっかなびっくりしながらも、個々人の波動を高めなければ世の中は変わっていかないというくだりなどは共感出来なくもなく、とても興味深い本でした。美輪明宏さんや江原啓之さんも出てきます。おしまいの方に書かれていた遠藤周作さんの話が良かったです。

  •  著者が眺望の素晴らしさに魅せられ、北海道浦河町の山の中腹の土地を買い、そこに夏の家を建てた時から超常現象に悩まされるようになる。夜中に水を撒く音。屋根裏をノッシノッシと人が歩く音。電気の点滅。荷物が消えるなど様々な怪現象が起こり、それは長じて、東京の自宅でも、旅先でも起こるようになる。霊能者によると、昔ここはアイヌの人たちの祀り事を行う場所であり、住処だった。その大切な山を家を建てる為に切り崩してしまった事で、アイヌの霊の怒りを買ってしまったのだそうだ。「苦難は逃げずに立ち向かう!」が信条の著者。真っ向勝負とばかりに、次々起こる不可思議な出来事に対峙していく。様々な霊に翻弄されながら、著者はここからどの様にして「遺言」という思いに至っていくのか…

  • こういうことをバカにする人は読まない方がいい。命がけの体験は
    尊重されるべきだと思う

  • 再読。佐藤愛子さんの霊体験記。一個人に留まらず、大きい世界の話になっている。
    憑代と審神者の話や、相曽誠治さんというもう亡くなられた霊能者(佐藤さんの話では神人と呼んだ方がよさそう)の話も興味深かった。
    ところで、この相曽さんおススメの浄化法「日拝」。
    朝日に向かい「アマテラスオホミカミ」と唱える。
    (スで息を吸い、後半で息を吐く)
    ちょっとやってみるとなかなか気分のよいものだった。

  • 読み始めたら一日で一気に読んでしまった。
    トイレに行くのも食事をするのもはばかられるほどに読み進んでいった。

    本人の生の体験が書かれているため、怖いのだが、最後にいくにつれ希望が見えてくる。私も怖がっておらず自分のカルマを正視して立ち向かうという気力が湧いてきた。(といっても自分のカルマが何であるかわからないのだが)
    江原さんの本もいろいろ読んではいたが、やはり、普通の人が悩み苦しんだ記録という点ではこの本のほうが身に応える。実際問題のように思われてくる。

    波動を高めること。国のこと、政治のこと、色々な世の中のことに憂いてもしょうがない。まずは自分自身の波動を高めることで、結果的に国の波動を高めることになる。そうすることで、例えば政治であれば、きちんとした政治家が出現してくるのだと。
    遠藤先生の言葉が私にもはっとさせられた。
    「国のことよりも自分のことだ」

  • 様々な霊的現象をくぐり抜けてきた佐藤愛子さんの遺言エッセイ。読み口は軽いのに内容には学ぶことも多い。遠藤周作が出てくるくだりが好き。やっぱり遠藤周作はあの世に行ってもあのキャラクターなんだなー(笑)

  • 日本で、ラップ音や電気器具の故障、物質の移動などの霊的な現象が、これほどしつこく長年に渡ってひとりの人間に繰り返されたのも珍しい。それが著名な作家によってこれほど誠実に、そして詳細に記録された例もなかった。

    北海道の山の中腹に山荘を建てた直後からそこや東京の住まいで見舞われた執拗な超常現象とのあくなき戦い。何と26年間の凄まじい霊現象とのかかわりによくぞ堪えてこられたと感嘆する。

    心霊現象など信じなかった著者が、恐怖におののきながらも、信頼できる霊能者に助けられつつ、正面からかかわっていく様が、読むものの心を動かす。佐藤家一族の魂を浄化し、佐藤家もかかわりがあったアイヌ民族の怨念を浄化し、彼女が体験した霊的な世界についての事実を今の日本に「遺言」として伝えるというような使命が彼女自身に課せられたのか。

    彼女にこの本を書かせた背後の「はからい」のようなものが感じられ、不思議の感に打たれる。

  • 北海道に山荘を建ててから起こった心霊現象・・
    やがてそれは彼女の東京の自宅でも起こるようになる。
    三輪明宏や江原啓之など多くの霊能者や祈祷師、心霊研究家の力を借りながら、20年以上霊と戦い続けたその精神力には驚かされる。
    私自身「科学的に証明できないこと」があると思っているから、とても興味深く読んだ。
    それにしても凄まじかった。

    彼女がなぜこの体験を遺言としたのか。

    霊界のこと、日本の現状、先行き、読んでいると、今日本人が忘れてしまっている、日本人本来のかつて持っていた気質、私が常々感じていたことと符号する。

    「一人一人が自分の波動を上げれば社会の波動が上がり、国の波動も上がる。
    国民の波動が上がれば質の高い政治家が出てくる。一人一人の波動の高まりが優れた政治家を産み出すのだ。」文中より・・
    それは決して難しいことではなく、昔は当たり前のように親から教えられた「ありがとう」と言う感謝の心とかなのだ。
    人を蹴落としまでいい学校を目指し、いい就職先を見つけ、そういう世の中になってから、親は子どもに一番大事な心の部分を教えないで来た。
    そのことが人の波動を下げてしまっている。
    私達はもっと人として謙虚な心を取り戻さなければと切に思う。

  • 私は、心霊現象というものに普段は、何の意見ももたない者だが、この本を読んでいる間、心霊現象を信じて読んだ。
    作者が体験したことを文章にしたのを、とても意味のあることだと思う。
    人には魂があって、開放されるとよいのだが、我執から逃れられることができないとつらい。
    彼女の「血脈」という本もあると文中に出てきた。これも、読んでみたい。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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