私の遺言 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101064130

作品紹介・あらすじ

北海道に山荘を建てたときからそれは始まった。屋根の上の足音、ラップ音、家具の移動をともなう様々な超常現象、激しい頭痛。私はあらゆる霊能者に相談してその原因を探った。そうせずにはいられなかった。やがてわかった佐藤家の先祖とアイヌとの因縁。霊界の実相を正しく伝えることが私に与えられた使命だったのか。浄化のための30年に及ぶ苛烈な戦いを記した渾身のメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • こういうことをバカにする人は読まない方がいい。命がけの体験は
    尊重されるべきだと思う

  • 再読。佐藤愛子さんの霊体験記。一個人に留まらず、大きい世界の話になっている。
    憑代と審神者の話や、相曽誠治さんというもう亡くなられた霊能者(佐藤さんの話では神人と呼んだ方がよさそう)の話も興味深かった。
    ところで、この相曽さんおススメの浄化法「日拝」。
    朝日に向かい「アマテラスオホミカミ」と唱える。
    (スで息を吸い、後半で息を吐く)
    ちょっとやってみるとなかなか気分のよいものだった。

  • 様々な霊的現象をくぐり抜けてきた佐藤愛子さんの遺言エッセイ。読み口は軽いのに内容には学ぶことも多い。遠藤周作が出てくるくだりが好き。やっぱり遠藤周作はあの世に行ってもあのキャラクターなんだなー(笑)

  • 日本で、ラップ音や電気器具の故障、物質の移動などの霊的な現象が、これほどしつこく長年に渡ってひとりの人間に繰り返されたのも珍しい。それが著名な作家によってこれほど誠実に、そして詳細に記録された例もなかった。

    北海道の山の中腹に山荘を建てた直後からそこや東京の住まいで見舞われた執拗な超常現象とのあくなき戦い。何と26年間の凄まじい霊現象とのかかわりによくぞ堪えてこられたと感嘆する。

    心霊現象など信じなかった著者が、恐怖におののきながらも、信頼できる霊能者に助けられつつ、正面からかかわっていく様が、読むものの心を動かす。佐藤家一族の魂を浄化し、佐藤家もかかわりがあったアイヌ民族の怨念を浄化し、彼女が体験した霊的な世界についての事実を今の日本に「遺言」として伝えるというような使命が彼女自身に課せられたのか。

    彼女にこの本を書かせた背後の「はからい」のようなものが感じられ、不思議の感に打たれる。

  • 北海道に山荘を建ててから起こった心霊現象・・
    やがてそれは彼女の東京の自宅でも起こるようになる。
    三輪明宏や江原啓之など多くの霊能者や祈祷師、心霊研究家の力を借りながら、20年以上霊と戦い続けたその精神力には驚かされる。
    私自身「科学的に証明できないこと」があると思っているから、とても興味深く読んだ。
    それにしても凄まじかった。

    彼女がなぜこの体験を遺言としたのか。

    霊界のこと、日本の現状、先行き、読んでいると、今日本人が忘れてしまっている、日本人本来のかつて持っていた気質、私が常々感じていたことと符号する。

    「一人一人が自分の波動を上げれば社会の波動が上がり、国の波動も上がる。
    国民の波動が上がれば質の高い政治家が出てくる。一人一人の波動の高まりが優れた政治家を産み出すのだ。」文中より・・
    それは決して難しいことではなく、昔は当たり前のように親から教えられた「ありがとう」と言う感謝の心とかなのだ。
    人を蹴落としまでいい学校を目指し、いい就職先を見つけ、そういう世の中になってから、親は子どもに一番大事な心の部分を教えないで来た。
    そのことが人の波動を下げてしまっている。
    私達はもっと人として謙虚な心を取り戻さなければと切に思う。

  • 私は、心霊現象というものに普段は、何の意見ももたない者だが、この本を読んでいる間、心霊現象を信じて読んだ。
    作者が体験したことを文章にしたのを、とても意味のあることだと思う。
    人には魂があって、開放されるとよいのだが、我執から逃れられることができないとつらい。
    彼女の「血脈」という本もあると文中に出てきた。これも、読んでみたい。

  •  『私の遺言』(佐藤愛子、新潮文庫、2005年)を読んだ。 
    『プレアデス 銀河の夜明け』を読み終えてないがこの本のことを他のブログで紹介していたのですぐ本屋へ急行して買ってきた。半年ほど前から読みたいと思っていたから。3時間くらいでガーっと読み終えてしまった。

     佐藤愛子氏が30年に及んで悩まされた霊的現象とその解決のために出会った美輪明宏氏、江原啓之氏、日本心霊科学協会の寺坂多枝子氏、大西弘泰氏、榎本幸七霊媒そして故相曽誠治氏、中川昌蔵氏たち。そして彼女が学ばれた霊的教訓の数々。

     美輪、江原両氏が20年以上も前から彼らの霊的能力を人助けのために使ってきていたことがわかるし、一時私も会員になって精神統一に座ったことのある財団法人日本心霊科学協会の会館の会場で著者が招霊実験をしてもらう様子を読むととても親近感が湧いてくる。

     霊障に悩んで悩んで苦しんで苦しんでも真っ向から立ち向かった佐藤氏はやはりこの本を書くことが使命だったのだろう。普通の人なら耐えられない状態でも彼女自身が言っている“強い自分”がいたからこそ乗り越えることができた。彼女が強くてその強烈な霊現象体験を受け止める力があったからこそ、そしてそれを正確に表現できる能力のある文筆家であったからこそ、そして表題どおり「遺言としてなら話せる内容」と考えるほど著者が79歳という年齢に達していたからこそ、世に出せたたいへん貴重な本だと思う。示唆するところは多い。この本も読んでほしい。特に自分の人生に価値を見出せないで苦しんでいる多くの人に。

     「すべては『はからい』だったのだと私は思う。私の過去のもろもろの苦労は、私のカルマであると同時に私に与えた使命を成し遂げさせるための訓練だったのだ。今、私はをそう思う。苦しみから逃げなくてよかったと思う。人間は苦しむことが必要なのだ。苦しむことで浄化への道を進むのだ」

     「与えられた苦しみ、やって来た困苦を不条理だと反発してもしょうがない。どんな不条理でも受け入れるしかない。それを受けれ容れて苦しむことが必要なのだ。それがこの世を生きる意味であるらしい・・・」

     「波動をあげることが大切、そのためには毎日朝日を拝む。そしてなんにでも「ありがとう」という」

     「目に見えて下って行くこの国の波動。それを高めるためには太陽を仰いで祈ることだと相曽氏はいわれた。我々の胃の後のほうに太陽神経叢があり、そこで自律神経を調整する。朝の大気が清浄な時間に太陽を仰いで息を吸い込むと五感が沈静化され、雑念妄念が遮断されて正しい霊感や直感の世界に入ることが出来るようになる。一人ひとりがそれを行うことが日本の国の浄化につながるのだと氏は言われた」

    *日拝鎮魂法:太陽を仰いで太陽神の分魂(わけみたま)をいただき、毎朝、魂を更新すること。不祥事や霊障は心の乱れや身の不浄があるために魔がつけ込んで生じる。それゆえ常に心すべきことは嘆いたり悲しんだりしないことで、悲嘆する前に慎み畏んで(かしこんで)神にお詫びをし、魂を入れ替えることが必要である。すなわち太陽の分魂を体内に取り入れて新しいものに変えて頂く、これをいう。方法は朝の大気の清浄な時間にまず太陽を仰いで息を吸い込み、「アマテラスオホミカミ」と唱える。この時「アマテラス」の「ス」のところで「スーッ」と息を吸い込みそれから「オホミカミ」とつづけ、最後の「ミ」をいい切ると、息を継がずに「アマテラス」に戻る。息を吸うのは「ス」の音一か所だけである。

     →なんかだんだん集約されてきたような気がする。野坂礼子氏の『人生を変える言葉 ありがとう』『人生を変える笑顔のつくり方』(PHP)の価値が深まる。朝日の大切さを再認識する。朝日を拝むことは自分の霊力を高めるという利己的なことではなくこの国の浄化にまでつながる利他的な行為とも言えるのか・・・。

     気付き多い一冊。

  • 母親が佐藤愛子さんの本は全部面白いから、読んでみてと言うので、適当に読んでみた。
    母親から聞いていた佐藤愛子像と違う。
    現実を風刺するような笑い話を想像していたのだが、心霊現象で心が弱っている、お化けとの戦いをまとめた感じ。
    私はお化けを見たこともないし、お化けの話も興味はない。
    色々な事を知るようになって、見えるものが全てではないと思うようになったので、佐藤さんの言うことはそうかもしれないと思う。
    一番目を引いたのは、そこが浦河町であること。
    浦川教会はアイヌの生きづらさを支えていた。
    その歴史がベテルの家に繋がっていると聞いた。

    お化けはアイヌが関わってくる。
    アイヌの歴史は切ない。今も北海道の文化、観光に利用されているようで悲しい。

    佐藤さんを助けてくれるのも、アイヌの人達。

    母親に聞くとスピリチュアルは興味はないので、佐藤さんのこういう本は読んでいないとの事。

    そうですか。

  • 私には所謂霊感というものはゼロで、こういった事象とは無縁で生きてきた。
    信じるか信じないかと問われたら、答えは出せない。自分には到底想像はできないが、こういうことがあっても良いのではないかとは思う。
    アイヌの霊と対話する場面が1番面白かった。スイスイ読めました。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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