花影 (新潮文庫 お 6-4)

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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101065045

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい本ですが、現在につながっている話かと言うと、なかなか肯定的なものを引き出すのは難しいかも。
    あまりに時代背景が変わり果てていて、そのままという訳にもいかず、そのせいもあるのか、自死への流れがちょっと唐突な感じを受ける。
    もしかすると同時代に読んでいれば、この流れは自然なものなのかもしれませんが、そこを好意的に汲み取るのは少々無理線かと。
    まぁでも読めます、それは力量ある作家の力ある作品の証左であることは疑いなく。

  • 久しぶりに読み返したけど、50年ぐらい前の文章なのに全然読みにくくないのがすごい。

    物語に昨今のミステリ小説みたいな大きな起伏はないのだけど、人と人との掛け合いがすごく丁寧に書かれていて、スラスラ読み進めてしまう。かといって徐々に八方が塞がっていく主人公にあまり悲壮感が漂ってなくて、いつも読んだ後ちょっと爽快感あるのが不思議。

    実は坂本睦子がモデルで、その初めての相手が直木賞のモデルになった直木三十五だったとか、読んだ後に嘘か本当か分からない逸話を調べるのも楽しい。

  • 韓国、釜山などを舞台とした作品です。

  • とにかく文章が美しい。

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著者プロフィール

大岡昇平

明治四十二年(一九〇九)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和七年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和十九年三月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、二十年一月米軍の俘虜となり、十二月復員。昭和二十三年『俘虜記』を「文学界」に発表。以後『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』(新潮社文学賞)『将門記』『中原中也』(野間文芸賞)『歴史小説の問題』『事件』(日本推理作家協会賞)『雲の肖像』等を発表、この間、昭和四十七年『レイテ戦記』により毎日芸術賞を受賞した。昭和六十三年(一九八八)死去。

「2019年 『成城だよりⅢ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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