桜島・日の果て (新潮文庫)

  • 新潮社 (1951年5月31日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784101066011

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読み終わり!
    帯につられて買ったのはいつだったか…。3年前か。
    ずっと読まずにおいておいて、ふと読みたくなり、一気に読了。

    戦争を題材にしながら、それに対する変な涙はどこにもなく、人間の心情を書いている……と私は思った。
    こういう小説好き。

  • ゼミの顧問の先生の好きな作家だったので、前々から読んでみたいと思っていた作家の本。
    僕はもともと戦争を扱った小説が好きなので、楽しんで読むことができた。しかし戦争とは関係のない「蜆」や「黄色い日日」といった作品も予想以上に面白く、同作家の他の作品も読みたくなった。

  • 作者の梅崎春生は、1944年に海軍へ招集されて暗号特技兵というものを務めたそうだ。その時の体験を踏まえて描かれたのが、表題作の『桜島』である。戦争末期、米軍の上陸に備える桜島へ転勤になった暗号兵・村上。「死について考えることが、生への執着を逆にあおっていたに違いなかった」という。
    この作品を読んでいて、戦後まもなく書かれたような気がしないと感じていた。作品では「戦地」という死が目前に迫った場所ではあるが、なんとなく、現代でもいつでも死はそこにあるものだと考えれば、深く共感したり、考えさせられたりする。
    この作家がいたことを知らずにいたことがもったいない。

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著者プロフィール

梅崎 春生(うめざき・はるお):1915年福岡市生まれ。東京帝国大学国文学科卒業。在学中に「風宴」発表。42年陸軍に、44年海軍に召集、暗号通信分遣隊長として坊ノ津で終戦を迎える。復員後、戦争体験をもとに『桜島』『日の果て』を発表、一躍第一次戦後派作家の代表的存在となる。『ボロ家の春秋』で直木賞、『砂時計』で新潮社文学賞、『狂い凧』で芸術選奨文部大臣賞、『幻化』で毎日出版文化賞。1965年没。

「2025年 『ウスバカ談義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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