桜島,日の果て 改版 (新潮文庫 う 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101066011

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読み終わり!
    帯につられて買ったのはいつだったか…。3年前か。
    ずっと読まずにおいておいて、ふと読みたくなり、一気に読了。

    戦争を題材にしながら、それに対する変な涙はどこにもなく、人間の心情を書いている……と私は思った。
    こういう小説好き。

  • ゼミの顧問の先生の好きな作家だったので、前々から読んでみたいと思っていた作家の本。
    僕はもともと戦争を扱った小説が好きなので、楽しんで読むことができた。しかし戦争とは関係のない「蜆」や「黄色い日日」といった作品も予想以上に面白く、同作家の他の作品も読みたくなった。

  • 作者の梅崎春生は、1944年に海軍へ招集されて暗号特技兵というものを務めたそうだ。その時の体験を踏まえて描かれたのが、表題作の『桜島』である。戦争末期、米軍の上陸に備える桜島へ転勤になった暗号兵・村上。「死について考えることが、生への執着を逆にあおっていたに違いなかった」という。
    この作品を読んでいて、戦後まもなく書かれたような気がしないと感じていた。作品では「戦地」という死が目前に迫った場所ではあるが、なんとなく、現代でもいつでも死はそこにあるものだと考えれば、深く共感したり、考えさせられたりする。
    この作家がいたことを知らずにいたことがもったいない。

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著者プロフィール

梅崎春生

一九一五(大正四)年福岡市生まれ。小説家。東京帝国大学国文科卒業前年の三九(昭和十四)年に処女作「風宴」を発表。大学の講義にはほとんど出席せず、卒業論文は十日ほどで一気に書き上げる。四二年陸軍に召集されて対馬重砲隊に赴くが病気のため即日帰郷。四四年には海軍に召集される。復員の直後に書き上げた『桜島』のほか『日の果て』など、戦争体験をもとに人間心理を追求し戦後派作家の代表的存在となる。『ボロ家の春秋』で直木賞、『砂時計』で新潮社文学賞、『狂い凧』で芸術選奨文部大臣賞、『幻化』で毎日出版文化賞。一九六五(昭和四十)年没。

「2022年 『カロや 愛猫作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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