宣告 中 (新潮文庫)

著者 :
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101067155

感想・レビュー・書評

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  • 前半は太宰治の人間失格を思わせるような、他家雄の手記。太宰治と違うところは太宰治が純粋な『善』であり、他家雄は純粋な『悪』であることだろう。純粋な『悪』とは、彼の堕落した生活と殺人の動機には全く反省の色が無く、それらは思いつくまま自然に行われた生理的なものだったからだ。『悪』と理解できずに世間とのズレに苦しみながら生きる、その真面目さ不器用さは、曲がった幼少期のまま歳をとってしまったからだろう。

    後半からは動きがあり、近木医師や各死刑囚の模様を描き、淡々と時が立っていく中に日常の少しの変化と出来事が重なっていく。時は誰にでも平等に残酷に過ぎていく。

  • 近木精神医や楠本死刑囚と文通する女学生とのなにげない接点、学生運動に絡めた若者たちの理論…色々な関係者が登場してくる中巻です。

    しょうがないとは思いますが、ちょっとダレてきますね。

  • 長いんだけど読みやすい。臨場感があっていつ死刑の宣告が来るのか自分までびくびくする。死刑廃止論者の根拠がよくわかる。

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著者プロフィール

加賀 乙彦(かが おとひこ)
1929年、東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、精神科医として勤務のかたわら、小説の執筆を始める。『フランドルの冬』で芸術選奨文部大臣新人賞、『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞、『宣告』で日本文学大賞、『湿原』で大佛次郎賞、自伝的小説『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞、自伝的大河小説『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞している。その他の著書に、『錨のない船』『不幸な国の幸福論』など多数ある。
近年は、殉教者を描く歴史小説『ザビエルとその弟子』、ペトロ岐部の生涯を描いた『殉教者』などを発表。

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