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- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784101068077
感想・レビュー・書評
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短編九作品を収録しています。
「ある晩年」は、弁護士のエリク・ファン・スターデンの晩年を、一人の男が物語るという話です。親しく交際していた女優のマグダレーナの息子が、不幸な事故で命を落とし、マグダレーナ本人も精神を病み、ファン・スターデンの晩年に人生観の動揺がもたらされたことがえがかれます。
「空の王座」は、シリアで遺跡の発掘調査をおこなっている南村という研究者の秘められた心のうちが明かされる物語です。実証性を重んずる南村の「空の王座」に対する思いの背景には、学生時代にアンヌ・マリという女子学生と、友人の田原の妹の二人の女性と出会いがありました。
「影」は、会社の上司のために下請け企業に無理な条件で仕事を引き受けさせる多田という男をえがいた作品です。清水一行のビジネス小説などでとりあげられがちな題材ですが、戦時中の彼の兵隊としての振る舞いと、戦後における企業戦士としての振る舞いとのあいだの本質的なつながりに気づいたことで、多田の心が壊れていった様がたどられています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても気に入ってしまった
奈良も舞台となっていて驚いたよね
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著者プロフィール
辻邦生の作品





