ふらんす物語 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101069012

感想・レビュー・書評

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  • 私のような、情緒を持ち合わせていない人間が読むと退屈になってしまう。ヨーロッパの情景ならば、沢木耕太郎氏の深夜特急のほうが断然面白かった。

  • 西洋かぶれ、と揶揄するのは野暮なくらいに思い切り西洋かぶれ。本当にこんなにフランスにどっぷり浸かった生活ができていたのかわからないが、できていたとすると明治の人の言語能力やコミニュケーション能力の高さに圧倒される。

  • フランスに滞在していた時の話。かなりフランスが好きだったのだと思われる。恋人もいたみたいだし。何年か前に行ったフランスの景色を思い出しながらよんでいました。

  • 今もしこんな人がいたら「どんだけフランスかぶれてんだ?」って言われるとこだけど、当時の標準的インテリはあっち目線に同化してなんぼみたいな所もあったんでしょうかね。

  • これが耽美なの? 女々しくてロマンチックだけどさっぱりしていた。よかった。ちょっとフランスのこと好きすぎでほめ過ぎだけど。日本のこと悪く思いすぎだけど。

  • (1967.08.05読了)(1967.07.27購入)
    (「BOOK」データベースより)
    明治四〇年七月、二七歳の荷風は四年間滞在したアメリカから憧れの地フランスに渡った。彼が生涯愛したフランスでの恋、夢、そして近代日本への絶望―屈指の青春文学の「風俗を壊乱するもの」として発禁となった初版本(明治四二年刊)を再現。

  • ニューヨークからフランスへ渡り、数年後日本に帰国した荷風の手になるフランス滞在記。
    今も昔もお国柄というのは変わらないのだなぁ、と感嘆しきり。
    時代も日露戦争後で日本の変わり目であり(日本の変わり目は明治維新、日露戦争、太平洋戦争敗戦の三つであろう)、高度成長が破綻した今の時代とも重ね合わせて読むことができる。

  • この作品の構成は永井荷風自身の日記、エッセイ、物語から成り立っている。順を追うと、アメリカからフランスのパリへと向かう船上から始まり、滞在先であるフランスのリヨンでの生活を綴ったエッセイ、リヨンを舞台とした物語、そして無念の帰国とその帰路となっている。この作品から感じるのは永井荷風の並々ならぬフランスへの愛情である。風景、街、人々、作家と作品。フランスにまつわるどれもが愛しいという思いが伝わってくる。そしてそのイメージを自らも体現しようとするかのように、日記でも物語でも色恋沙汰に溺れていく様を書いている。どこまでが事実で、どこまでが脚色なのかは分からない。しかし、そこにはフランスの作家たちが歩んだ人生への憧れと意思を感じる。恋に恋する女学生のような純粋さと盲信。そして帰国という失恋の痛みまでついてくる。しかしこの作品が単なる恋の日記ではないのが分かるのが、フランス、前に滞在していたアメリカ、帰国の際に寄った国々、日本への考察である。日本人という第三者の立場からアメリカ、フランスなどを考察している。永井荷風が生きた明治時代においてこのような多国間に渡る考察は珍しいのではないか。当時の空気を知るのにも役立つのではないかと思う。

  • フランス大好きだな。
    文章の飾り立てが綺麗。一方で飾り立てすぎて読みづらい。
    時代の為か、フランス以外、特にシンガポールの箇所のけちょんけちょん具合がひどい。
    フランスにいるときの話は、その素晴らしさをひたすら讃えているだけなのであまり面白くはなかったが、帰り道の特にポートセットあたりは面白かった。

  • 異国情緒あふれるお洒落なフランスではなく、
    またそこを異文化交流よろしく肩に風を切って闊歩するハイカラ日本人でもなく、

    フランスに愛着を感じ、
    また日本に自然な違和感を覚え、
    どこまでも等身大に孤独と郷愁とに身をやつし
    そうしてフランスに暮らした人の記録。

    急速に近代化を推し進める中で逆に伝統的価値を見失いつつある明治日本への違和感、そんな日本の日本人であることへの過剰なまでの忌避感との対比の中で、エキゾチックな興奮でなく、むしろ不思議な安寧の中に見出すフランスの諸相が、まるで日本の下町風情のような匂いを放ちながら迫ってくる。

    海の向こうの異郷に非ず、失われた全ての人のふるさとの物語。

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著者プロフィール

一八七九(明治一二)年東京生まれ。高商付属外国語学校清語科中退。一九〇三年より〇八年まで外遊。帰国して『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表。一〇年、慶應義塾大学教授となり『三田文学』を創刊。五二年、文化勲章受章。五九(昭和三四)年没。主な作品に『腕くらべ』『つゆのあとさき』のほか、一九一七年から没年までの日記『断腸亭日乗』がある。

「2018年 『麻布襍記 附・自選荷風百句』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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