麦ふみクーツェ (新潮文庫)

  • 新潮社
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レビュー : 289
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101069227

感想・レビュー・書評

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  • なんでもないところで泣きたくなる。
    永遠に愛しい話。

  • 普段、目をふさぎ、耳をふさいでしまうような悲しい現実の中から、きらきら光るものを取り出して大きくひびかせてくれる、いしいさんの小説こそ、「一流の音楽家」の音楽ようだな、と思いました。
    いしいさんの小説では、胸がしめつけられるような現実を見せられるので、途中、読んでいてつらくなるのですが、でも、最後には、必ずあたたかい気持ちで本を閉じているのです。
    「ぶらんこ乗り」も「トリツカレ男」もそうでした。
    この感情は、胸がしめつけられるような現実を見せてもらったからこそ、得られたものなのだと思います。

  • いしいしんじさんらしい世界観。
    中に出てくる登場人物たちやエピソードが
    どこか心に残る

  • 第18回坪田譲治文学賞
    著者:いしいしんじ、1966大阪府出身、作家、京都大学文学部仏文学科卒

  • この著者の童話の世界観と言葉のリズムが好きである。

    いいこと?わるいこと?
    とクーツェはうたった
    みんなおなじさ、麦ふみだもの。

    録音された音楽も、ごくたまに生演奏をうわまわる。ただし音楽家であるためには耳なりがするほど生演奏にふれること。どんなひどい演奏であっても、生の楽器演奏には、音楽家のための栄養がわずかながらそなわっているからだ。

    独立した特殊な事件など、この世には何も起きていないような気がしてくる。クーツェの言ったように、大きい小さいは距離の問題。

    それらの嘘によって、街のみんなには楽園の風景が見えた。おおきな代償を支払いはしたけれど、みんなの手に、なにひとつ残らなかったわけでもない。ぼくはやっぱり、今もそうおもいたい。

    へんてこはあつまらなくっちゃ生きていけないってそう思ってな。へんてこはひとりじゃめだつ。めだつから、ぼんやりふつうにいると、ひとよりひどいめにあう。

    この世のところどころにしがみつくへんてこなひとたち。彼らはそれぞれの技をみがく。自分のへんてこさに誇りをもとうと。まじめに、まるでばかにみえても。

    熟練のティンパニ奏者のように、ぼくは待つことを学ばなけりゃならない。それはなかなかに難しい。ばかといわれてもへんてこ呼ばわりされてもけっしてばちを捨てず、ステージのいちばんうしろでじっと立っていること。そのときをききのがさぬよう、ちゃんと耳をかたむけて。

    音楽のよろこびの大きな部分を合奏のたのしみが占めている。

  • いしいさん作品第二弾。彼の作品は嫌いではないが、凄く好きな感じでもない。現役作家で小川洋子さんぐらい好きな人を見つけるのは難しい…。

  • 最後にすっとする。いしいしんじさんの想像力は何を読んでもすごい

  • 麦畑の色は幸福の色。

  • 音楽にとりつかれた祖父と、素数にとりつかれた父、とびぬけて大きなからだをもつぼくとの慎ましい三人暮らし。
    ある真夏の夜、ひとりぼっちで目覚めたぼくは、とん、たたん、とん、という不思議な音を聞く。
    麦ふみクーツェの、足音だった。
    ――音楽家をめざす少年の身にふりかかる人生のでたらめな悲喜劇。
    悲しみのなか鳴り響く、圧倒的祝福の音楽。

  • 変わった男の子が、変わった町に住んでいて、子供の頃に幻覚?みたいな麦をふむクーツェにであるんだけど、それは本筋じゃなくて、
    その男の子がいろんな人にであって、変わった人ともであって成長していく話

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著者プロフィール

いしいしんじ
1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。
2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、
16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。
そのほか『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『四とそれ以上の国』『海と山のピアノ』など著書多数。
趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2019年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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