麦ふみクーツェ (新潮文庫)

  • 新潮社
3.87
  • (349)
  • (302)
  • (415)
  • (33)
  • (4)
本棚登録 : 2947
感想 : 300
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101069227

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「良いも悪いもない,麦踏みだもの」
    音楽家を目指す少年に,良い悪い様々な出来事が起こるが,この言葉のように,すべての出来事は少年の経験として,生かされていく.
    もちろん,これはあくまで全体を俯瞰できた時の結果論だと思います.

    ただ,用務員さんの決死の演奏だったり,町の楽団との演奏であったり,辛い出来事が起こった時に,その出来事を受け止め,次の一歩を踏み出すきっかけを作る,田舎の港町の人の気質みたいなものが良かったです.

  • 混沌と秩序、呪いと祝福、グローバルとローカル。
    相反するものと出会い、葛藤することで世界は動いていく。

  • 子供用の物語のようで、大人に分かる本。星四つに近い。
    現実に見たような聞いたような錯覚を覚える。ものの見方を変えるだけで、世界がこんなに彩られるのかと思う。いや、これは誰もが経験する子供目線を、大人が描いたからかもしれない。空想好きな作家が書いたファンタジーにしては、人間性や現実をよく捉えて描かれ、両側面を持つ。それが不思議と感じる原因なのかもしれない。

  • いしいしんじさんらしい世界観。
    中に出てくる登場人物たちやエピソードが
    どこか心に残る

  • いしいさん作品第二弾。彼の作品は嫌いではないが、凄く好きな感じでもない。現役作家で小川洋子さんぐらい好きな人を見つけるのは難しい…。

  • 最後にすっとする。いしいしんじさんの想像力は何を読んでもすごい

  • 麦畑の色は幸福の色。

  • 変わった男の子が、変わった町に住んでいて、子供の頃に幻覚?みたいな麦をふむクーツェにであるんだけど、それは本筋じゃなくて、
    その男の子がいろんな人にであって、変わった人ともであって成長していく話

  • 表紙とタイトルに惹かれて読んでみましたが、最初でくじけ
    ました・・・意味がよく分からなかったです。
    いしいさんの本は「プラネタリウムのふたご」もそうでしたが正直私の頭では理解できないです。
    高評価ですが、ごめんなさい。
    表紙だけの評価として★3つで。

  • 音楽にとりつかれた祖父と、素数にとりつかれた父と慎ましく暮らす、とびぬけて大きなからだをもつぼくの物語。

    どこか遠い国の童話かおとぎ話のようなこの世界観に最後まで入り込めなかった気がするのだが、気がつくと読み終えてた。

    正直面白かったかと言われればそうでもなく、かと言って面白くなかったかと言われればそういう訳ではない。

    なんとも不思議で難しい作品。

    終盤までは、不思議な世界の中、悲しい話で埋め尽くされるが、決してネガティブではない。

    「麦は、つぶされることで強く成長する。それで成長せずにくさってしまった種があったとしても、それは畑の肥やしになる。どんなことも、無駄だったということは何ひとつない」

    悲しい出来事や理不尽な出来事も無駄なことは何一つない、それを独特の世界観で描こうとしているのかも知れない。

著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

いしいしんじの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
奥田 英朗
イポリト ベルナ...
伊坂 幸太郎
いしい しんじ
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×