サイトに貼り付ける
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784101071046
感想・レビュー・書評
-
五十代を迎えた語り手が、戦争直前のひと夏を高原の山荘でともにすごしたKという人物とともに、当時の記憶をたどる旅に出る物語です。
自由主義者である秋野先生や、主人公たちがあこがれていた秋野先生のお嬢さんとリュシエンヌという若いフランス人の女性、そして仲間たちとのやりとりなどの記憶を思い起こしつつ、記憶の痕跡をたどっていきますが、二人の記憶はたったひとつの事実へと収斂することなく、さまざまなしかたでかさなりあいつつ、両者の歩んだ半生の照明を受けて、異なる相貌を示します。
戦争という出来事によって切断された主人公たちの青春が、彼らの追憶のなかで一つの物語へと収斂することを拒むという本書のテーマは、現代に大きな問いを投げかけているようにも感じられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示
著者プロフィール
中村真一郎の作品





