日本語 表と裏 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101073118

感想・レビュー・書評

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  • 題に「表と裏」とあるが、熟語で書くと「表裏」(ひょうり)と「裏表」(うらおもて)となり、和語の裏から読むのが以前から不思議だった。この本でその疑問は氷解した。自分で考えたり調べたりしなかったところが自分自身の怠慢だが、著者はいろいろな日本語について8~9ページに渡り詳しく調べ考えている。「そうなのか」と驚いたり「なるほどそうか」とひざを打ったりすることが頻りであった。日本語というのは、日本人の歴史的な心性・感性そのものであるのだ。こんなに微妙複雑な感性に色づけられた日本語を、日本人はよくまあ上手く駆使しているものだとあらためて目を開かれる思いであった。森本哲郎さんは凄い。取り上げられた言葉は次の通り。
    よろしく・やっぱり・虫がいい・どうせ・いい加減・いいえ・お世話さま・しとしと・こころ・わたし・気のせい・まあまあ・ということ・春ガキタ・おもてとうら・あげくの果て・かみさん・ええじゃないか・もったいない・ざっくばらん・どうも・意地・参った、参った・かたづける

  • 日常使っている、何気ない日本語の語句を通して、日本人の奥にある心性を明らかにした本。
    とりあげてある語句も、実に興味深く、項目別に拾い読みできる点もよい。中でもこの本のタイトルになっている「おもてとうら」は、日本人が”裏”をどう捉えているか、語源からひも解くことができる。「思ひ」とは「オモ(面)オヒ(覆
    の約」らしい。「思ひ」は心の底にしまったおくということなのか。なるほど〜。
    日本語を通して日本人を理解するにも有益な本だと”思う”。

  • 学生時代に宿題で読んだよな。

    日本語が含む曖昧さが、日本的性格を知るヒントに?

  • 日本語の曖昧さを代表する言葉の数々。虫、気、どうも、よろしく、やっぱり、いい加減、ざっくばらん、ということ、・・・。どれもが日本人の性格を象徴することばです。特に「腹の虫が納まらない」「弱虫」「虫の知らせ」「虫がいい」「虫のいどころが悪い」「虫が好かない」等々、不思議な言葉の使い方に日本人の奥に潜む潜在意識を説明するあたり、鋭いです。「いい加減」という言葉の色々な意味も改めて凄い言葉です。そして「わたし」の多様な言葉、何にでも「さん」をつける不思議さ、こうして説明を聞いて初めて日本語の面白さ、難しさを知った気がします。

  • ふだん僕たちが使っている曖昧な日本語(よろしく、お世話様、まあまあ、どうも、参った参った、)を取り上げそこから日本人の特質を探ろうと試みた本。
    おもしろい。日本語論というより日本語を通してみる日本人論であった。わかりやすい例と文体でエッセイとしても楽しめる。


    印象に残ったのが「ハ」と「ガ」という助詞。この助詞の使い方が日本語でいちばんややこしい。読んでいて思わず唸った。同時に日本語ってめんどくせぇな、と思ってしまった。



    象は鼻が長い。この文章の主語は「象」なのか「鼻」なのか。ある人は、「は」を提題の助詞と名づけた。つまり文のテーマになる働きをする助詞。象「は」といってまずテーマが象であることを示し、その象についていうと鼻が長い、という。


    別の見方では助詞の役割は「既知」と「未知」で解けるという。例えば、「私はAです」というとき「私」は既に相手に見えていて既存の存在だから「は」を使う。「私がAです」の場合は、その人物が具体的にどの人かわからない、未知であるから「私」を「が」で受けて「私がAです」になる。


    そう考えると英語の教科書によくで出てくる「Spring has come .」つまり「春がきた」の「春」は未知の扱い。「Winter is over.」つまり「冬は終わった」の「冬」は既知扱いということ。

    この「ハ」と「ガ」の助詞を僕たちは無意識に日常の中で使い分けている。


    うーん・・・、日本語は奥深い。。

  • これまで何度も読み返した本だが、週末に改めて読んでみて(薄いのですぐに読める)、しみじみと日本語の面白さを味わった。

  • 日本語から、日本人の心理、真相が垣間見える一冊。日本人は和を尊ぶために自己主張を嫌う。自然信仰の楽観主義。自分の中の日本人を改めて自覚した。

    備考:諦めるの語源。負けることは勝つこと。ノーの対語。

  • 短い。

  • 「いい加減」

  • なかなか納得

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著者プロフィール

森本 哲郎(関西大学教授)

「2016年 『現代日本の政治 持続と変化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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