金色夜叉 (新潮文庫)

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著者 : 尾崎紅葉
  • 新潮社 (1969年11月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (583ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101074016

金色夜叉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2012.6.16.sat

    【経路】
    お芝居観るための予習に購読。

    【感想】
    男の純情を踏みにじられ、「結局金かよー!」っていうルサンチマンから捻れてしまう不器用な貫一。
    彼を抱きしめたくなる。
    自身の美貌を良く知り、したたかに約束を違え、後悔するころには夫に逆恨みをする狡い女、お宮。
    彼女の若さを苦くおもう。
    人間って「誤る」生き物。「謝る」生き物。
    じぶんを、ひとを、赦したいものですね。

    【なるほど】
    ・高利貸し→氷菓子→アイスクリーム から転じて、美人の高利貸し→美人クリーム
    ・女の惚れるには、見惚、気惚、底惚と三様ある

    【内容メモ】
    ●構成●
    ・前編、中編、後編、続金色夜叉、続々金色夜叉、新続金色夜叉

  • 6月25日読了。尾崎紅葉の代表作、ユニコーンの「僕はカンイチ君はオミヤ」はこの小説から。将来を誓い合った貫一と宮の二人だが、宮が富豪・富山に嫁いだことから貫一は高利貸しとなり人に疎まれ、一方宮も愛情のない結婚を悔い・・・。「豪華絢爛」という言葉が(見た目の華美さも含めて)よく似合う文体で、講談調に煽りに煽る文章も読んでいてぐいぐいくる。「こうりがし」を「アイスクリイム」とかけたり、意外と俗な会話文なども楽しい。(当時は余程悪徳な高利貸しが多かったのか、貸し金業者は随分恨まれたもののようだ)有名な、貫一が縋りつく宮を蹴倒す熱海のシーンはごく前半で、「別れた後の二人」がこの小説の主体なのね、知らなかった。続金色夜叉・新金色夜叉と「猿の惑星」のように続編が収められているが・・・まあ元が未完の小説というし、多くは求めまい。

  • 間貫一萌え!に尽きる。実直さと頑固さが紙一重みたいなインテリ青年って設定がもうツボ。良くも悪くも堅いのね。だから普段抑え込んでいる感情が「爆発」するんだけど、その爆発の仕方も素敵。哀れなほど感情的だよね!そして自棄になり堕ちていく…けど堕ちきれない部分、砂粒程度でもどうしても残ってしまっている優しさからくる弱い部分が垣間見えると…!愛おしい!

    名場面は名場面だった。まじ熱海行きたい。「宮さん、お前は好くも僕を欺いたね」から前編ラストまでの14ページに渡る修羅場は圧巻。
    「ああ、宮さんかうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。来年の今月今夜は、貫一は何処でこの月を見るのだか!再来年の今月今夜……十年後の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ!可いか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇つたならば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ」

    !!!
    この場面だけ有名なのは納得せざるを得ない。

    そして四年後高利貸へと身を落とした貫一の…旧友と遭遇して焦って冷酷さをアピる場面なんかもう…萌えすぎる。

    聖黒の練ちゃん然り、罪と罰のラスコーリニコフ然り…坊ちゃん気質の健康な青年が闇に踏み入れていくのがどうも好きだ。その苦悩、葛藤も素晴らしいが、突き抜けて狂っていく様はさらに素晴らしい!鮮やか。練ちゃんくらい徹底的に狂ってくれると、残された針先程の愛が落差で強調されて尚良い。

    優等生の絶望、葛藤、回復に至るまでの混沌期をちっとも痛いと感じない、寧ろ愛おしいっていう、痛いわたしがいる。ああ間貫一を抱きしめたい。

  • 2017年9月30日から読売新聞朝刊に連載中の「金色夜叉」をもとに現代に置き換えた橋本治「黄金夜界」がおもしろいので「金色夜叉」を読むことにした。「金色夜叉」も当時読売新聞の連載小説であったとか。
    味わいあるリズムのある文章、描写がいい。しかし登場人物がすべて身勝手で感情移入しにくかった。都合よく場面が変わったり話が展開したり、連載小説だからなのか。名作と言われる有名な作品だが貫一がお宮を足蹴にする場面くらいしか知らなかったので、全容を知れて良しとする。
    文字が小さくて読みにくかった。

  •  若くして両親を亡くした間貫一は、身を寄せる鴫沢家の一人娘・宮と許婚の関係にあった。しかし、ある日のカルタ会で宮を見初めた銀行家の息子・富山が宮に求婚すると、宮はそれを受け入れてしまう。熱海の海岸で宮の裏切りを知った貫一は宮を罵り足蹴にし、宮との縁を切る。人間不信に陥った貫一はその後高利貸しの手代となり、金銭のみを唯一信じる「金色夜叉」と化していった…。
     地の文は文語体、会話文は口語体という雅俗折衷の文体で描かれた尾崎紅葉の代表作。読売新聞にて明治30年から断続的に6年間連載され一世を風靡した、明治文学を代表するエンターテインメント小説である。

     予想以上に面白く、文学作品でこんなに単純に楽しめる小説は他にないように思う。そこに読み込まれたテーマ性などという小難しいことなどさて置き、ストーリーと登場人物たちの感情のぶつけ合いにハラハラ、ワクワクさせられた。まるで昼ドラを観ているかのよう。主要人物たちのキャラクターの鮮やかさ、そしてわかりやすいストーリー、現代のドラマでもヒットする要素が多く含まれており、明治の人々の趣向も現代とあまり大差ないのだなぁと感じさせられた。
     熱海で貫一が宮を足蹴にするシーンは意外にも序盤の序盤。「金色夜叉」自体が「続金色夜叉」「続続金色夜叉」「新続金色夜叉」と続くのだが、かの名シーンは「金色夜叉」の「前編」「中編」「後編」の内の「前編」の終わり。むしろそのシーンから貫一の「金色夜叉」と宮の苦悩が始まる。熱海の貫一・宮の像は最近「女性蔑視だ」などと叫ばれているそうだが、あれはどう考えても宮が悪い。蹴られて当然。しかし宮の悔悟の念にだんだんと読者が宮を許し始めてしまう作品構造も、人気を博した理由だろう。
     目次を見た時は「なんだか未練がましく続編を出していたんだなぁ」と読む前からうんざりとしていたのだが、一度読みだすともっと続きが欲しくなる。続編、続続編、新続編があることに喜びを感じ、そして著者・尾崎紅葉の死去により未完で書を閉じなければならないことに、戸惑いを覚え、心が置き去りにされる。だが一方で気付く。「金色夜叉」の舞台の幕は下りることなく、上演は続いていることに。熱海の海に浮かぶ1月17日の月は、今でもまだ、貫一の涙により曇り続けているのだ。

  • 心の機微を表しながら連なる風雅な文体に引き込まれた。
    しかし、登場人物、特に女性たちの感情の動きが理解できないまま読み終えてしまった。

  • 文章がイマイチ過ぎて入ってこない

  • 偉哉姉さん。

  • 買ったのは、有名な蹴り飛ばしの表紙でないもの。

    お宮は最初っから玉の輿願望があったのね。
    東海ドラマの「愛の嵐」を思い出した。

  • 正月カルタ会で、富山唯継に求婚された鴫沢宮には許婚の間貫一がいた。両親は富山の求婚を承諾したことから貫一は絶望し、行方をくらました。そして、金銭の鬼と化して、高利貸しになっていた。
    そして、その宮が詫び状が届くが開封せず、再度手紙が届くと宮のあわれな心情が綴られていた。
    とにかく読み応えがありました。

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