素足の娘 (新潮文庫 さ 4-2)

  • 新潮社 (1961年7月1日発売)
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感想 : 4
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  • 本 ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101082028

感想・レビュー・書評

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  • 堀江敏幸さんの「彼女のいない背表紙」で紹介されていたのが印象的で読んでみました。
    歳の若い父親とその娘というのがなんともいいなと思って読み始めたのですが、これはそこに焦点が当たっているというよりも、娘の、桃代の成長記なのだと思いました。

    私はこんな女の子はあまり好きにはなれないけれども、どこか自分に似たところを感じ取るからなのかなーとか思いました。
    女の子は本当に外から見たのでは、何を考えているのか分からないし、ぞっとするほど冷静に怖いことを考えていたりするものだなと思いました。
    それがある奔放さで、セクシーさにつながっていくのじゃないでしょうか。
    昔の女は艶っぽい。
    セクシーで素敵です。
    そして強くて、包容力がある。
    15、6歳の桃代ですらそうなのだから。

    おかしなさわやかさに包まれる読後感です。

  • 曇りの日も風の強い日も冬の日も、足袋をはかずに素足で愛犬エルと瀬戸内の田舎を駆け回る父と2人暮らしの桃代。着物をきちんと着、帯を格好良く締めて私を作り上げるのが好き。父の友人に肉体の純潔を破られて秘密を抱えながらも後ろ向きにならず、かえって人間性や性について考えるようになり、本も今までとは違う筋を追うのではなく小説の中の大人の感情の陰影を探り始める。そんな健気で可愛く思える桃代が満13歳の少女から娘へと移り変わっていく、前途を自ら切り開くといった内面的成長を描いた作品

  • 未読

  • 素足の娘…●

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著者プロフィール

佐多 稲子(さた・いねこ):小説家。1904年、長崎県生まれ。1915年、一家をあげて上京。その後、キャラメル工場の工員、料理屋の女中、日本橋丸善の店員などになる。28年、最初の作品「キャラメル工場から」を発表し、作家として出発する。著書に『私の東京地図』『樹影』(野間文芸賞)、『時に佇つ』(川端康成文学賞)、『夏の栞』(毎日芸術賞)〔以上、すべて講談社文芸文庫〕などがある。1998年没。

「2024年 『キャラメル工場から 佐多稲子傑作短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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