- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784101088211
感想・レビュー・書評
-
ジャズに憧れていた時代、なにを聴くべきかを教えてくれたジャズ•アルバムセレクトのバイブル。
本書の教えに従って、せっせとCD(やレコード)を買って聴いたものだ。
その後二度アメリカに駐在することになり、本場ニューヨークのジャズにハマることになった。
毎週ジャズを聴きにいくようになったのも本書のおかげだ。
いつどこでどんなライブがあるかは、当時は「ニューヨーカー」誌を買って確認していた。
観たいライブがあると直接ジャズ•スポットに行って、チケットを買ってタバコ臭い会場に入る。
空間は完全に紫煙に満たされている。
ワイルド•ターキー(これが結構、発音が難しい)のオンザロックスをカランカランいわせながら、生演奏の至福の時間に入り込むことになる。
ライブが終わっても、音楽が身体中に響いていて立ち上がることができない。
最初に観たのが、アート•ファーマー。
ジャズ•ピアノを演っているセミプロの日本人に初めて連れて行ってもらった。スイート•ベイジル。
次に見たのがロン•カーター。
死ぬ前のアート•ブレーキーも聴いた。
若手のトランペッターがタイミングを間違えると、アート•ブレーキーはドラムを止めてしまった。
これには驚いた。
マッコイ•ターナーは二度観たが、素敵だった。
オーラが違った。一度は観客席にビル•コスビーがいて、次のショーを待つ列には小堺一機がいた。アンコール曲にビートルズの「Here there and everywhere」を弾いていた。
ライブが終わった後、マッコイと握手をした。
ついでに、ビル•コスビーに(!)写真を撮ってもらった。
山下洋輔トリオは会社の同僚アメリカ人と行った。
ジャズ•スポットは大体グリニッチ•ヴィレッジにあるが、ミッドランドにもチャーリー•パーカーの渾名を冠したバードランドがあった。
バートランドでは小曽根真を二度聴きに行った。
一度は、小曽根のバークレー校での師ゲーリーバートン(ビブラフォン)との共演。今まで聴いたライブの中のサイコーだった。最初のショーが終わると、小曽根もカウンターでウイスキーを飲んでいる。
CDにサインをしてもらい、ニューヨークで行きつけの店を教えてもらった。
エトセトラ、エトセトラ。
どれも思い出すと身体に音楽が流れるようだ。
クラシックもロックも好きだが、ジャズはまた格別。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スタンダードで詠むアメリカ史、なるほど。
-
既読本
-
歌は世につれ、夜は歌につれ。ジャズでスタンダードとして扱われる楽曲について解説し、名盤を紹介しながら、1900年からのディケイド毎のアメリカの世相、音楽事情を語る。作曲家、演奏家についての記事も楽しい。
青木啓の作品





