新編 風の又三郎 (新潮文庫)

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レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101092041

感想・レビュー・書評

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  • 文章自体は確かに子供でも読める文学。でも、子供にこれを考察させるのってかなり難儀なんじゃっないかなぁって。考えればいくらでも裏読みできるし。やっぱり大人になってからもう一度は読んでおいたほうがいいなぁと感じました。

  • 十万億土の彼方より、真空中のエーテルを伝って、夢の中よりも静かに、この人が問いかける声が聞こえてくる。我々にとって本当に大切なこととは何なのかと。
    ■「やまなし」
    どうやってピラミッドは作られたのか。
    本当にイエスは復活したのか。
    いやそれよりも、“クラムボン”とは一体何者なのか。
    ■「貝の火」
    ホモイの堕落、狐の恫喝、”貝の火”の描出、フクロウの捨てぜりふ……。どこをとっても恐ろしい。
    ■蜘蛛となめくじと狸/ツェねずみ/クンねずみ/蛙のゴム靴
    ブラックユーモアと皮肉を練り込んだ変わった味のお団子。栄養はあまりない。
    ■二十六夜
    フクロウの坊さんの説教が始まる。
    遠くから汽車の走る音が聞こえてくる。
    子供のフクロウが人間の子供に捕まって捨てられる。
    二十六夜の上弦の月が昇る。
    子供のフクロウが息を引き取り、辺りはフクロウたちの慟哭に包まれる。
    遠くから汽車の走る音が聞こえてくる………。
    ■雁の童子
    赤い焔につつまれて、世にも悲しく叫びながら、空から次々と人間が落ちてくる……。
    なんという衝撃的なイメージだ!
    ■フランドン農学校の豚
    屠殺……賢治の回答は肉食を断つということ。テンプル・グランディンの回答は豚が安楽死できる施設をつくるということ。こんな二人をたいていの人はバカにするだろうけど、ぼくは二人ともとても立派な人だと思う。
    ■虔十公園林
    うれしくてうれしくて仕方ないのを、はあはあ息だけついてごまかして笑っていた虔十。・・・わたしたちはあなたのことを決して忘れない。
    「ああ、ここはすっかりもとの通りだ。木まですっかりもとの通りだ。木は却って小さくなったようだ。みんなも遊んでいる。ああ、あの中に私や私の昔の友達が居ないだろうか」。
    「ああそうそう、ありました、ありました。その虔十という人は少し足りないと私らは思っていたのです。いつでもはあはあ笑っている人でした。毎日丁度この辺に立って私らの遊ぶのを見ていたのです。この杉もみんなその人が植えたのだそうです。ああ全くたれがかしこくたれが賢くないかはわかりません」。
    ■谷/鳥をとるやなぎ/祭の晩
    これ、三つとも小品だけどとってもいい。特に「祭りの晩」。宮本輝みたい。
    ■グスコーブドリの伝記
    飢饉が優しかったお父さんお母さんの心を鬼にした。「おれは森へ行って遊んでくるぞ」「なんたらいうことをきかないこどもらだ」!
    クーボー博士の乗りまわす小型飛行船。
    雲に窒素肥料を混ぜて雨といっしょに空から降らせる。
    火山の中腹に穴を穿って噴火の規模を小さくする。
    火山爆発で大気のCO2濃度を上げ温室効果で旱魃を防ぐ。
    ・・・なんというアイデアだろうか。
    ■風の又三郎 
    本作のみならず会話文の岩手方言がきつい作品は、残念ながらぼくにはよく理解できない。

  • 飛行機で読んだ本。グスコーブドリの伝記が一番好きだった。お手軽に童話の世界に入れる。

  • 16の短編集。語感、リズム感が独特のものを感じるが、著者があれ程崇拝されている程にはまだまだ理解が浅いように思われる。2018.4.26

  • 宮沢賢治の童話や寓話を集めたもの。先に新編「銀河鉄道の夜」を読んでいたが、その本よりもウィットに富んだ寓話が多い印象。勿論、表題作を含めそうでない話もある。

    宮沢賢治はあまり得意でなかった❨読みにくかった❫が、リズムになれてきたせいかこれはそこまで読んでいて辛くなかった。銀河鉄道の夜は銀河の幻想的な描写も想像しつつ鳥取りに対する突然湧き出る情も理解しなければならなかったし、ベジタリアン大会は長いしずっと同じような応酬をしているだけだしでとにかく読んでいるだけで疲れる話が多かったが、今回の話はさっと読める感じがした。特に風の又三郎は子供たちの日常と非現実的な要素の組み合わせの塩梅が良く、読んでいて楽しかった。

  • 賢治さんの作品は
    教科書と猫ちゃんが出てくる以外の
    話がなかなか頭に入ってこなくて
    文字を追ってるだけで読めてない。
    を繰り返し、ようやく読めました。
    でも、もっと「読む」には
    教科書のように書き込まねば
    ずっと、読めてないんじゃないかなっていう
    気持ちのままな気もします。

    例えばブドリのように
    煙突からでる煙はどのようになるか、を
    きちんと説明できるような
    そういう知識をしっかりある上で読んだら、
    賢治さんの作品は
    また更にすごい世界に見えるのだろうなあ。

    小さい頃解説は飛ばすものだったけれど、
    解説を読むことで
    お話がするりと入ってきてくれることも
    あって、(もちろん自分だけの解釈も大事に
    することも大切だけれども)
    今はとても好きです。

    このテーマでまとめたよ。
    とわかるのも良いな。
    脳がそうなる。

    生活の中で、自然に身についたもの、
    勉強して学んで理解したものは
    一生の宝物だなあ
    (もっと学べばよかった…
    (学生のときもきっと大人になったら
    もっと学べばよかったと私は思うだろうなと
    思ってたけれどやっぱり思っている))…と
    読むたびに思い続けるのだろうな。

  • 2016.7.1(金)¥150(-2割引き)+税。
    2017.1.15(日)。

  • 2度読んだ。/「高田三郎」くんが、父のモリブデン鉱石の仕事都合で、転校して来た。/再度2度目を読む時、★ <嘉助>が、宮沢賢治と決めつけて読んだ。理由は、高田くんに、★「風の又三郎だ」と最初に呼んだ人であり、しつこく何度も「風神の又三郎だ!」と呼び名を定着させようとしたからである!/★唯一、嘉助の前で、高田くんは、ガラスのマントに光る靴を着用し、風に乗り空を飛んだが、私には、高田くんは、都会から来た、優しく利口で「やあ耕助くん失敬したねえ」「悪戯してすまなかったよ」と、★<又三郎>の、紳士な言動に、「デキメン」の色気を感じたナ!

  • 2016/11/17 読了

  • どれもかわいらしくて大好き。と思ってのめりこむ気持ちをおいてけぼりにして、物語はばっさり切れて終わる。途方に暮れてどっちに歩いたらいいかわからなくなる。

    まるで夢から覚めたばかりで、現実にチューニングを合わせられないような。

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著者プロフィール

1896年、岩手県花巻生れ。盛岡高等農林学校卒。富商の長男。日蓮宗徒。1921年から5年間、花巻農学校教諭。中 学時代からの山野跋渉が、彼の文学の礎となった。教え子との交流を通じ岩手県農民の現実を知り、羅須地人協会を設立、農業技術指導、レコードコンサートの 開催など、農民の生活向上をめざし粉骨砕身するが、理想かなわぬまま過労で肺結核が悪化、最後の5年は病床で、作品の創作や改稿を行った。1933年没。

「2019年 『風の又三郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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