- 本 ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101092096
感想・レビュー・書評
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天沢退二郎 編集
宮沢賢治 の代表作品 以外の絵画、習字、書簡など多彩な創作集。代表作品でなくとも 宮沢賢治のテーマである 仏教的倫理観や共通命題(まこと と 非まこと の対比)は 読み取れる。
詩「業の花びら」、絵画「日輪と山」は 修羅(非まこと)である自分に向き合う姿と 春(まこと)に向かって 生きるエネルギーを感じた。
農民芸術概論綱要の序論と結論は、宮沢賢治が目指す「まこと」の人生探求の姿そのものだと思う。「永久の未完成これ完成である」は 自分が修羅であり続けることが 「まこと」なのだというメッセージと捉えた。
農民芸術概論綱要の序論
*おれたちはみな農民である
*世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない
*新たな時代は 世界が一の意識になり生物となる方向にある
*正しく生きるとは 銀河系を自らの中に意識して これに応じていくことである
*われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である
農民芸術概論綱要の結論
*われらに要るものは 銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である
*永久の未完成これ完成である
絵画
「日輪と山」赤い太陽と青い山は 春と修羅では?
「手の幽霊」生と死、現実と非現実の間の超越的空間か?
「月夜のでんしんばしら」擬人化された電信柱の絵。兵隊だと思う。童話のイメージ図?
習字「絶筆短歌」 稲の稔り(=御法。法華経の教え)のある年に 棄てる命ならば 悔いはない
散文「柳沢」
「これは夢のはじめの方の青ぐろい空だ」
「日の光は琥珀の波。新しく置かれた みねの雪〜」
詩「業の花びら」
夜の湿気が風とさびしくまじり〜
空には暗い業の花びらがいっぱいで
わたくしは神々の名を録したことから
はげしく寒くふるえている
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カラーイラスト入り。
メモ帳みたいで楽しい。 -
『農民芸術概論 綱要』のところがいい
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