気まぐれ指数 (新潮文庫 ほ-4-3 新潮文庫)

  • 新潮社 (1973年5月29日発売)
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本 ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784101098036

感想・レビュー・書評

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  • ショートショートで有名な作家で知らない人はまず無い。
    私が中3時点でもこの人の作品は無数に読んだ。
    当時古本屋で見つけた時のふれこみが(オビにかいてあったような)作者初めての長編とウタッてた。
    今で言うラノベに分類されるタッチ。ストーリーは偶然出会った男と女がふとしたことで巻き込まれるドタバタラブコメって感じだった。
    ショートショートの達人だけあって読み落とすところが無いくらいムダの無い文章の配列。
    当時、読後これって日本人の作家でなくサラッとクールな外人の作家のタッチ。大好きなヘンリースレッサーとかぶった。出品が20年遅かったら映画かビデオでもヒットしたと思ったが調べたらテレビ化はされてた。しかも植木等主演。番組も覚えてるが(おれの番だ)この作品を原作にした際の放送は残念ながら覚えてない。
    今だったら阿部ひろしと米倉涼子でキマリ・・・かな?

  • この本は1963年に書かれた。ショート・ショートの名手として知られた星新一であるが、私としては星新一のベストとしては、この「気まぐれ指数」か「声の網」を上げたい。どちらも長編だ。
    気まぐれ指数は、今で言うと三谷幸喜が書く戯作のようだ。非常に楽しい。登場人物が複雑に絡み合い、妙な出来事が妙な人物と繋がって、読むのを中断できない。結末が想像できない。思わずにやにや。
    今となっては、懐かしき昭和の東京が素敵に描かれている。50代の方、お勧め!

  • 驚きの(そんなことないの?)、長編です。…ごめんなさい、この巨匠の作品は大好きでかなり読みましたが、この本についてはとても読むのが苦痛でした…。

  • 途中、会話の毒気にあてられて読むのが嫌になった。
    ショートショートなら少々アクがあっても平気なんだけど
    長編となるとチトしんどい。
    こんがらがったものはこんがらがったままにして、ハッピーエンドというのが楽しい。
    男女4人は別にくっつかんでよかったんとちがうかな。
    それも運命のきまぐれというやつかw
    (10.06.26)

    遠いほうの図書館
    (10.06.04)

  • K氏、S嬢。S子、М野。Fッツ、Y蔵。仏像。
    表紙にかぼすちゃんみたいのいて良い

  • 短編しか知らなかった頃に読んだ。
    また読み返してみたい

  • 小説を読み慣れていない私にとっては、複数の人物が同時進行で物事を進めている事象を整理するのが難しかった。しかし、最後にパズルのピースが合うような感覚を得たので読んだあとのスッキリ感で心地よかった。

  • 大好きな作家の長編!短編が多い作者なので新鮮な気持ちで読んだ。


     一つの話にいくつもの見事な伏線と構成を仕掛ける作者が長編でもその見事な手腕を発揮しているが、これだけ長いと読んでいるだけでも大変だ。あっ!これはこのことか!これはこれとの対比か!と発見の連続で脳が疲れる。しかし本当に楽しい読書だ。仏像と株券の二転三転する真偽と移動していくお金…読んでいて目が回りそうになるほどによく練られている。長編でも物語の構築力が素晴らしい。さらに繰り返し出てくる気になる要素も全て回収されている。とくに黒幕だった三人の関係も面白く、ここからもまた何か生まれそうだ。気まぐれが重なり思いもよらない結果になる作品…といえば簡単だが、ここまで圧倒される作品とは思いもよらなかった。長い長編小説の一文字一文字が計算されつくされた一種の芸術といえよう。全ての文に意味があるとすらいえるし、それを理解しようとするだけでも脳が沸騰しそうだ。
     またほとんどの人が互いに知能と教養と余裕がある意味呑気な人々であり、なのでなんというかトンチンカンな会話になって面白い。そしてその呑気さすら重要なポイントになるのだ。少し人々の喧騒から離れた人たち、時間のあまり、あくせくから離れた、そんな人たちの気まぐれで動き出す物語。達観しているようで俗っぽい部分も親近感だ。

  • 星新一にしては珍しい類だけど面白い

  • それこそ気まぐれに手にとった本だったが面白かった。いつもの短編話の軽快さを失わず、引っ掻き回してくるっとまとまった結末。さすが星新一。
    著者のあとがきには、古びた部分を削って手直ししたとあるが、60年近く前に書かれた小説だなんて信じられない。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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