ボンボンと悪夢 (新潮文庫 ほ-4-5 新潮文庫)

  • 新潮社 (1974年11月1日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784101098050

感想・レビュー・書評

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  • 期待度は高くなかったのだが、想定外に面白い作品が多くて満足!
    アイデアが豊富で、思いもしない展開になるので、一話読み終わると次が楽しみになる。

    ネタバレになるが少しだけ、こんな雰囲気。

    ・むだな時間
     テレビのコマーシャルは邪魔だと感じたエル博士が、コマーシャル消し器を作る。
     その仕組みはネタバレになるので書かない。
     長生きできる薬ができて、コマーシャルで宣伝していたが、エル博士はコマーシャルを見ていない。
     どのくらい長生きできるかというと、コマーシャルを見ている時間くらいなので……

    ・乾燥時代
     酒が飲めない社会になった。
     酒の製造と輸送の取り締まりが厳しくなった。
     だが、隠れて酒が飲める場所ができる。
     そこでは蛇口をひねれば酒が出てくる。
     どこに繋がっているのか。
     タイムマシンを使って、過去の酒造装置と……

  • 最近リアルが忙しく読書をする機会が減っていたが、どの作品もサクッと読めるうえに星氏の紡ぎだす独特の世界観へどっぷり浸かることができ、ひさしぶりに純粋な読書の楽しさを味わうことができた。
    SFショートショート作品を多く手がけているイメージの星新一氏だが、意外にもブラックなユーモアに富んだ作品や背筋がゾッとするホラー作品も多数収録されており、張り巡らされた伏線を鮮やかに回収する手腕もさすがの一言。

    どれも舌を巻く作品ばかりで楽しめたが、特に印象に残った作品は『上流階級』。
    夫と夫人。どちらも互いの私利私欲のため相手を暗殺するべく殺し屋を雇うといったものだが、予想外の展開とオチに放心してしまった。どうすればこんな展開を思いつくのだろうか。星氏の頭を中を見てみたいものである。
    他に印象に残った作品では『オアシス』がある。まさかの見開き一ページのみの短編なのだが、短い文章にもかかわらず、切れ味鋭いオチまで完璧なものだった。

  • 「友を失った夜」を読みたくなって購入しました。
    星新一さんの本は私にとっては味わい深い本です。
    初めて読んでから随分経ちましたが、時代が変わるとまた作品の中の「ことば」が、より強い意味を持って伝わってくるような、そんな一冊です。

  • 「素晴らしい食事」「賢明な女性たち」「顔のうえの軌道」「上流階級」が好きでした。

    毒だなぁ。

  • 内容紹介
    薄よごれた場所、落ちぶれた中年、そして感じのいい椅子ひとつ。
    ユーモアとサプライズがちりばめられた36編の物語。

    ドイツの片田舎で買ったふしぎな魔力をもった椅子……。
    静かな雪の夜に、老夫婦のもとにあらわれた侵入者……。
    あくびの出るような平和な地球に、突如出現した、黄金色に輝く奇妙な物体……。
    宇宙に、未来に、平凡な日常生活の中に、ユニークな想像力と、シャープなインテリジェンスで描き出される、サスペンス、ミステリー、ユーモアあふれるショートショート36編を収録。

  • 静かな雪の夜、年老いた夫婦の家に男が押し入った。その後の顛末を描く「雪の夜」
    どんな役でもこなしてしまう不思議な女優の秘密を描く「顔のうえの軌道」
    地球から最後の1頭となったゾウが死んでいく夜を描く「友を失った夜」
    地球にやってきた宇宙船が要求したのは女性だった。男性が喜ぶストーリーの「賢明な女性たち」
    死体処理専門家の仕事ぶりを描く「専門家」
    が面白かった。
    サスペンスとユーモアのある結末が多いショートショート集。
    2024年10月26日読了

  • 症状  大いなるミスリード

    囚人  罪のない人間を殺すことによってできた新しい社会で、どんな法を作り、守らせようと言うんだね。
    いろんなことをいろんなものに置き換えて考えられる話。この話自体は透明でないけど。

    すばらしい食事  再読だけどどうまとめるのか予想を少しずつ裏切られながら読めた

  •  星新一さん、またまた本当にお世話になっています。通勤やちょっとした待ち時間にまことによいです。
     ところどころに本当になりそうな未来や本当になりかかっている未来が出てきて、星さんの先見性に驚きます。

  • おしぼんボード「読み始めたら止まらない本」

  • 初期の星氏のショートショート集はホント外れなし!これもお勧めです。

    • reader93さん
      私も星新一さんの本大好きです。一番最初に読んだのがこの本で、面白さに衝撃を受けたのを覚えています。初期のショートショート、外れなしというの同...
      私も星新一さんの本大好きです。一番最初に読んだのがこの本で、面白さに衝撃を受けたのを覚えています。初期のショートショート、外れなしというの同感です!フォローさせてください。
      2017/07/10
    • Tetchyさん
      reader93さん、フォロー有難うございます!こちらもフォローさせていただきました。私が星作品を読んだのは中学から高校生の頃で読み返してい...
      reader93さん、フォロー有難うございます!こちらもフォローさせていただきました。私が星作品を読んだのは中学から高校生の頃で読み返していないため、その頃の感想を書いてます。なのでひじょーにそっけない感想になって申し訳ないですが星作品に抱いている思いはかなり深いです。これからよろしくお願いいたします。
      2017/07/10
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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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