妖精配給会社 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098098

作品紹介・あらすじ

他の星から流れ着いた"妖精"は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑惑がよぎった…諷刺と戦慄の表題作など、ショートショートの傑作35編を収録した、夢と笑いの楽しい宝石箱。

感想・レビュー・書評

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  • 星新一氏、昭和39年発刊ショートショート。宇宙船とか宇宙人多めの一冊。作者も後書してますけど、アポロ計画決まったり、衛星中継始まったり、興味が宇宙に広がっていた頃でしょうか。
    読む時によって印象に残る作品は変わるのですが、今回は「すばらしい星」というセルフサービスのマーケット化された星の話。魅力的な豊富な商品のセルフレジなんて、現状のコロナ禍のコンビニ。
    どの作品も、文章に古さを感じないし、子供なら素直に楽しめるし、大人はウィットに富むストーリーを楽しめる。お得です。

  • サクサク読めて面白いです

  • 【見えなくても、確かにあるもの】

    僕らには見えないものがある。
    たとえば、細菌などは肉眼で見て取る事はできない。

    僕らには聞こえないものがある。
    犬や鳥だけが感じられる音がこの日常には溢れている。

    僕らには見る事が許されてない、花や、星や、生き物などが沢山あるんだろう。

    そのあるけど見えないものに実は僕らは大きな影響を受けて生きているのかもしれない。

    星さんの本には見えない星がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。

    見えなくても、確かに感じられるはずだ。

  • 2022年プレミアムカバーきっかけに購入。

    前年度の「妄想銀行」に続き、星新一作品を手に取るのは2冊め。
    個人的には妄想銀行よりも妖精配給会社のほうが好みの話が多く、楽しく読み終えることができました。
    抜群の読みやすさと話のまとまりの良さに、スラスラと読み進めることができるところがとても良いなぁと思います。
    反面、ショートショートの短さが個人的にとてももったいなく感じて、もっとこの話の続きが読みたいと思っているうちに終わってしまうので寂しさを感じたり。それが持ち味なことも理解はしているのですが…笑
    巻末の解説の内容も良かったです。

  • ただのファンタシーじゃ終わらない

  • 既読本

  • “ショートショートの神様”と言われる星さん。小中学生の頃、その読みやすさからよく読んでいた。近未来的な世界観の中でクスッと笑えるようなブラックユーモアや諷刺の効いた作品が多いけれど、一番記憶に残っているのが「ひとつの装置」。久々に読みたくなって再読。

    ある高名な博士が巨額の国家予算と私財のすべてを投げ打って作ったひとつの装置。中央にあるボタンを押すと胴体についた一本の腕が動きボタンを元に戻す、ただそれだけ。博士曰く何もしないけれど人間的な装置だという。
    ネタバレになってしまうけれど、この装置は、核ミサイルを伴う戦争によって人類が滅亡する可能性を危惧した博士が、その葬送のためだけに作ったもの。
    初めて読んだのは多分小学校高学年の頃。そのラストに子どもながら衝撃を受けた覚えがある。
    ここ最近毎日報じられるロシアによるウクライナ侵攻のニュース。核兵器の使用も取り沙汰される今、その”押すべからざるボタン”が押されないことを心から願う

  • ショート・ショート。
    SF&叙述トリックに、まさかの結末の「ある戦い」が良いですね。
    安定の面白さ。

  • どの話も少し現実場離れした世界が舞台だが、そうした舞台で繰り広げられる話がどこか現実にも繋がっている部分があってドキッとさせられる。
    「ひとつの装置」「週末の日」がお気に入り。
    星さんのショートショートは軽快な文体で微妙な後味の悪さがあるのが好きだなと思う。結末を読むと「あーあそうなっちゃうか」と思うと同時に、どこかにやっとするような気持ちになる。

  • 妖精はいきゅうがいしゃを読みました。何ノコとか何もかもよくわからないです。
    わたしにはホシ新一はアニメじゃないと何のことか分からないのかもしれません。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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