宇宙のあいさつ (新潮文庫)

  • 新潮社 (1977年4月1日発売)
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本 ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784101098104

感想・レビュー・書評

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  • 星新一文学忌、ホシヅル忌
    1977年発行 今年の新潮文庫の100冊
    毎年1冊星新一作品選定されているようです
    今年購入するとプレミアムカバー付きです
    私は図書館でお借りしたので
    平成24年 73刷でした
    著者よりひとことで
    1963年早川書房刊行 執筆は昭和36年とのこと

    ショートショート35編

    ⚪︎宇宙のあいさつ
     そんな良い星はないということ
    ⚪︎貴重な研究
     まゆで育てたもの。。。
    ⚪︎小さくて大きな事故
     警察へ送るつもりの封書が料金不足で自宅へ
    ⚪︎対策
     対策担当者への対策
    ⚪︎宇宙の男達
     宇宙で死を迎えそうな男達の地球への思いやり
    ⚪︎悪人と善良な市民
     どっちもどっち
    ⚪︎運が悪い男
     運が悪くて良かった男
    などなど

    ストーリーがしっかりしていて一読では落ちがわからないものもありました
    さて、残る100冊の1冊は あれですねえ

    • おびのりさん
      ある程度の年齢層は 一度は読んでる星新一

      ゆっきーは、お若いということ
      まだSFとして成立していることはすごいなと思います
      ある程度の年齢層は 一度は読んでる星新一

      ゆっきーは、お若いということ
      まだSFとして成立していることはすごいなと思います
      2024/12/31
    • ゆーき本さん
      私は去年のプレミアムカバー「エヌ氏の遊園地」持ってるよん♬.*゚ 深いグリーンが可愛いです

      来年もほぼ裸族の年下男子を思い切り可愛がりまし...
      私は去年のプレミアムカバー「エヌ氏の遊園地」持ってるよん♬.*゚ 深いグリーンが可愛いです

      来年もほぼ裸族の年下男子を思い切り可愛がりましょ♡笑

      良いお年をお迎えくださいませ✿*:

      2024/12/31
    • おびのりさん
      裸族受け入れます
      今年もよろしくお願いします
      年末年始特別古典レビュー( ̄^ ̄)ゞ
      裸族受け入れます
      今年もよろしくお願いします
      年末年始特別古典レビュー( ̄^ ̄)ゞ
      2025/01/01
  • 昭和36年頃に執筆した作品とのこと。

    本書は、遠い遠い太陽系にある地球とかいう星の住人に化けて、生活実態の調査を行ったアルファ博士がまとめた報告書らしい。
    読めばわかるとおり、地球という星の住民は、雑然としていて、あきれるほど統一がなく、浮ついていて、あきっぽいようだ。

    令和7年になって読んでも違和感がないのは、地球とかいう星の住民の実態が60年間ほとんど変化がないからなのだろう。

    星新一さんのアイデアの豊富さには感心するが、その源は本をたくさん読んで知識の断片を増やすことで、
    断片を組み合わせることで新鮮なアイデアを生みだしている。
    断片が、幽霊、催眠術、動物園、だと「幽霊と催眠術」「催眠術と動物園」「動物園と幽霊」のような組み合わせができる。
    こうしてできたアイデアを、意外な結末を持った話に仕上げる、という作業でショートショートを作り上げているらしい。

    時代の古さを感じにくいのは、作品に当時の時事や風俗を扱わないから。
    そして時代を感じさせる物の名前がほとんど出てこない。
    おそらく使っていい単語を決めているのだと思う。
    ほとんどの物が、流行の服、小さな装置、強力な武器、といった言い回しになる。

    人の名前も「エヌ氏」に代表される。
    以前に、主人公の名前が出てきたので珍しいと思ったら、同姓同名の人物と遭遇する話だったことがある。
    本書でも具体的な名前として「山崎和彦」が登場した。
    これは、名前に関するオチがある、と思ったのだが何もなかった(不思議??)。

    表題作の「宇宙のあいさつ」は、世代が進むにつれて寿命が縮む病気がテーマ。
    一代ごとに一割くらい寿命が縮む。
    かつては欲望の塊だった人類は、強力な武器を開発し、他人の土地を奪い続けていた。
    しかし、未来がないと分かった今では無気力になり戦争もしなくなった。

    もう一つ面白かったのが20頁を超える「治療」という話。
    その星では「劣等感」という病気が蔓延していた。
    平和につきものの病気で、優秀な能力を身につける競争が激化した末の状態だった。
    ある時、これを治す機械が発明される。
    この機械を使って平均より上と分かった人は病気から解放された。
    だが、平均以上と分かると安心し向上心がなくなり努力をやめるようになってしまった。

  • 星新一先生のショートショート集を読むのは四冊目。新潮文庫プレミアムカバー(2024)のターコイズブルーに惹かれて手に取った。こういう一色のシンプルな表紙もいいよね。

    全35作収録ということでボリュームも申し分ない。SFからホラーにミステリ、童話などジャンルに縛られない作品たち。舞台や登場人物がそれぞれ違うのに、さらさらと読める文章の流れが美しい。軽やかなんだけど、軽くはないという読み味だよね。最後にストンと絶妙なオチが待っているのが楽しい。

    基本的に宇宙から来た生命体だったり、宇宙で出会った生命体はヤバいと思っていい(笑) 取り返しのつかない事態になりすぎる。まあ、これと同じことを宇宙人も地球人に思ってたりするんだろうなあってのも皮肉だよね。表題作の『宇宙のあいさつ』では、とりあえず原爆を星に撃ち込んで乗り込んでいくというダイナミック訪問。これはまさに自分たちの行動が返ってくる痛快さがあるし、その星の悲哀も感じられる良いエピソードだった。

    『小さくて大きな事故』も好き。暴漢に襲われた時に間違って殺してしまった女。それをネタに脅迫し、結婚をして金をかすめ取る男。その生活に耐えきれなくなった女は、夫を殺害しようとする──。立場が逆転してどうなるか?!と思った先の、男の切り札が不発に終わった理由がそこかー!と唸った。ラストシーンはぞっとするような怖さ。

    『治療』もお気に入り。文化が進むにつれて蔓延する伝染病──その名は劣等感。まさに現実でも流行り病となっているこのテーマを軽妙に描き出す筆致がすごい。たくさんのデータを集めて平均的な人間のサンプルを作り、それと対面させることで劣等感を打ち消す。人々を助けるためにわざと平均を下げる方法もあったが、そうしなくても大丈夫な仕掛けにはなるほどと。そこで驚き、さらにオチでもう一度捻りと哀愁を入れてくるのが好き。劣等感という足でしか登れない階段がある。

    『運の悪い男』はまさにコントのような面白さ。借金まみれのK氏の部屋が隠れ家にちょうどいいと押し入った強盗。強盗はK氏のフリをしてやり過ごそうとするが、そこからのピタゴラスイッチ的な展開が痛快だった。

  • 26冊目『宇宙のあいさつ』(星新一 著、1977年3月 発行、2003年5月 改版、新潮社)
    ショート・ショートの名手による短編集。単行本は1963年に発行。SFをメインにしながら、ホラーやサスペンスなど様々なジャンルの物語が35編収録されている。
    ひとつひとつは瞬く間に読み終わってしまう掌編小説でありながら、そのいずれにもアッと驚くようなオチがついており読者を飽きさせない。60年以上前の作品でありながら、今読んでも新鮮な驚きのある一冊。

    〈わたしたちが“繁栄の花“と名づけた意味がおわかりでしょう〉

  • 中学生の頃に星新一さんの本に出会い、夢中になって、お小遣いで少しずつ買っていたのを覚えている。今読んでも面白い。宇宙の男たちという話がとてもいい。

  • 数年振りに再読しました。何回読んでもおもしろいし、読む度に発見があります。
    敢えて世界観を抑えるというか、無駄な演出をしないストイックな感じも好きです。

  • 社会に文句があって泥酔した若者が病院で「治療」される話、ほんと怖い…。
    うまいこと誘導されて洗脳されるって恐ろし!

  • 面白かった〜!どれも星新一らしさ、近未来の設定とかそこに混じる無邪気な残酷さやディストピア感、文字にしなくても漂う読者含む人間への皮肉な視線に溢れていて、すごい。それらが全部知ってる材料だと思うのに、決してキャラクターが意味の分からないやり取りをしているようには思えない(設定は現実と違っても、もしそういう設定だったらそういう行動もとりそうだなあと思える、しかも子供が読んでいて理解できないような行動はとらない)のに、ひとつひとつ、読んでいる心地よさは同じ種類のように思えるのに、全部違う美味しさに毎回びっくりするから、すごい。どうなってるんだ……。プレミアムカバーで可愛いし、結構分厚くてたくさん入ってるし、本棚に置いておこうかな。解説まで含めて面白いうえに勉強にもなる一冊でした。

    この前インターステラー見たのもあるかもだけど「宇宙の男たち」が好きだったな。「その夜」も詩のようで素敵。

  • 星新一のショートショート集の第五作目。短いがキレ味の鋭い、意外な結末の物語が35編収録されている。特に「繁栄の花」と「運の悪い男」が印象に残った。前者は最後の一行で驚く、後者は結末に皮肉が効いている作品である。

  • 昭和30年代から書かれたSF小説はいつの時代をみすえて書かれたんだろう。こんな昔に書かれたのに。でも地球滅亡はすぐそこまできてるんだろうか。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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