午後の恐竜 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1379
レビュー : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098111

作品紹介・あらすじ

現代社会に突然出現した巨大な恐竜の群れ。蜃気楼か?集団幻覚か?それとも立体テレビの放映でも始まったのか?-地球の運命をシニカルに描く表題作。ティーチング・マシンになった教育ママ、体中に極彩色の模様ができた前衛芸術家、核爆弾になった大臣-偏執と狂気の世界をユーモラスに描く『狂的体質』。ほかに、『戦う人』『契約時代』『理想的販売法』『幸運のベル』など全11編。

感想・レビュー・書評

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  • 仕事もないのでのんびりと起きた日曜の朝、窓の外には巨大な恐竜が。でも手を伸ばしてもさわれない。これは蜃気楼? 集団幻覚? それとも…?ーー地球の運命をシニカルに描いた表題作は星新一さんの最高傑作の一つ。

    「契約時代」は、何をするにも契約書が必要という、ちょっと笑えるけど現実になったらたまったもんじゃないディストピアが舞台。ルールに振り回されて哀れに見えた男が実はぼろ儲けしているってオチが愉快でした。
    「幸運のベル」はその逆ですね。おもしろ悲しいパターン。

    「華やかな三つの願い」の最初の、自殺しようとしている女性が夕暮れの湖に歩いていく場面、いいなと思いました。星新一さんの文体というか短い文章を重ねるスタイルが、ウツ状態の女性の淡々とした思考や、自殺という後ろ向きでありながらドラマティックでもある行為に向かう気持ちの静かな盛り上がりの表現に非常にあっている。

    こんな文章、天才じゃなきゃ書けねえわと思って物書きになるのをあきらめた小中学生の頃の記憶までもよみがえった。やっぱすごいよね。

  • 宮沢賢治が藤子.F.不二雄なら星新一は差し詰め藤子.A.不二雄であろう。簡素で柔らかな文体に潜むユーモラスとシニカル。難解な言い回しや凝った表現も少ないので一見児童向けのように見せかけ、オチは真理を突いてなかなかに怖い。いや相当。自分が子供だったら悪夢をみそうだ。そこにリアリティがあるからだろう。表題作の『午後の恐竜』なんて、競って核配備拡張していた冷戦真っ只中に読んでいたら、いずれこういうときが訪れるかもしれないと思ってしまう。

    ということで大人向けブラックファンタジーとして星新一は面白い。

  • 檀蜜が出てたドラマ(華やかな三つの願い)の原作が読みたくて手に取ってみた。どれも最後にニヤっとできる、もしくは考えさせられる名短編集。表題作が良かった。

  • 昭和52年発行
    不思議な物語の短編集
    今読んでも、予想外の展開だけど、
    当時は本当に斬新だっただろうと思う。

  • たまに無性に読みたくなる

  • 日本の夏、星新一の夏、2019。

    ショートショートの神様と言える人だからこそ、その後あらゆる作家や作品によりその技法や展開が踏襲され、今読めばある意味ある程度ゴールがわかっている映画を懐かしく見直す感じだけど、
    それでも、それでも表題作の『午後の恐竜』には、改めてゾクゾクした。

    年に一回のお楽しみ。
    やっぱり星新一だよなあ。

  • 読みはじめてから、だんだんと話の意味がわかっていく時に感じるゾクゾクとした快感が、星新一先生の1番の魅力です。こちらの本も、大変楽しく読ませていただきました。

    特に心に残ったのは、「戦う人」でした。
    直接的に人間の本質に関する考察を言葉にしていらっしゃって、すこし驚きました。答えを見せすぎないことのほうが、多い気がしていたので…新鮮に思いました。

    星先生のお話を読むときは、いつも結末を予想しながら読むのですが、毎回裏切られます。想像をはるかに超える大どんでん返しの数々、本当に楽しいです。

  • 星新一が生み出す創造の洪水に圧倒される。

    表題の「午後の恐竜」は思ってもいない展開になりすぎで読み終わったあとのショックが大きかった…

  • 「安くて良質な買物」多くの方はそれを望み、この本はそれを叶えます。

  • 表題の「午後の恐竜」が読みたくて図書館で借りました。
    ブラックだったりゾッとさせられたり、やっぱり星新一は面白い。「午後の恐竜」の他には「おれの一座」もかなり好き。表紙絵が昔うちにあったおばけの本の表紙描いてたイラストレーターさんの絵で懐かしかった。

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著者プロフィール

星 新一(ほし しんいち)
1926年9月6日 - 1997年12月30日
東京生まれの小説家、SF作家。作品の多さ、質の高さから「ショートショートの神様」と呼ばれており、多くの教科書で収録もされてきた。森鴎外は母方の大伯父にあたる。
主な著作に『ボッコちゃん』、『盗賊会社』、『宇宙のあいさつ』、『気まぐれロボット』などがある。伝記としては最相葉月 『星新一 一〇〇一話をつくった人』が優れている。

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