妄想銀行 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098142

感想・レビュー・書評

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  • 新潮文庫の2021年のプレミアムカバーが目を引き、購入しました。短編なのですごく読みやすかったです。設定が未来的だったり、意外な結末を迎えたり、最後まで飽きずに楽しめました。読了後の不思議な感覚が癖になります。

    星新一さんの作品は、小学生の頃に公文の問題に出てきたのが出会いだったと思います。中学か高校で『気まぐれロボット』を読み、大学生でショートショートのアニメを何作か観ました。アニメの中で、監禁?した少女の世話をする話がすごく印象に残っています。
    追記)アニメは『月の光』という作品でした。『ボッコちゃん』に収録されているそうなので読んでみたいと思います。

  • 久しぶりに、新潮の100冊に残っていた、星新一のショートショート。若かりし頃、当時新潮で文庫化されているものは全部購入し、まだほとんど持ってますね。
    星新一から小松左京へ筒井康隆へと、その世代の流れだった。

    さすがに古いかと思うところはあるが、主人公はエヌ氏かエフ氏。それ程、社会情勢を書き込まれていないので、今でもSFの範疇だと思う。

    中では、「古風な愛」が良い。珍しく人間味のある結末になっている。又、「小さな世界」は、現在のスマホ生活の様。
    1001編の作品を残した作者には、SFの面白さを教えてもらい感謝してます。

  • 先日、星新一作品がドラマ化されていたので久しぶりに。壇蜜さんも好きらしい。

    「古風な愛」が好きですね。

  • 星氏の人間に対する冷徹な洞察力には舌を巻く。それを、コミカルで、ユニークで、シニカルなショート・ショートに仕上げて我々を楽しませてくれる。新潮文庫「ボッコちゃん」では、人間がどんどんドツボにはまっていき、科学文明の落とし穴にひょいと落ちていくシニカルな話が多かった印象だが、「妄想銀行」では、「鍵」「古風な愛」「海のハープ」のような、単純な言葉遣いになるが、ハッピーエンドめいたものが多い。

  • やはり今でも十分通用する、40年以上も後の社会をわかってらっしゃったのではないかと思う話の数々。
    なんとなく結末こうなるんじゃないかな、と思っても、それが大抵裏切られるのが星新一。

    以下気に入った話を挙げつつ。これ以外も好きなのあるけど。ネタばれしないようにしてるけどネタばれするものもあるかも。

    保証→たぶんそうだろうな、と思う結末だけど、その理由に納得。さすが!

    住宅問題→これ今の時代にぴったり!アレクサってこれを実現するんじゃない?

    半人前→なるほど、そういう半人前ね。でもそのおかげで助かってもいるってのがいいなあ。

    変な客→ここに出てくる紳士と同じくらい読んでるこちらもびっくりした。単なる3段落ちじゃないのがいい。

    陰謀団ミダス→これも今の時代同じことがされているじゃなかろうか。誰も損しない、傷つかないのなら良いのかもしれないが、知らずに踊らされている一般人にとってはどうなんだろう。

    鍵→勝手に作ったものでもいいのか、てツッコミをしたくなるけど、結末は好き。幸せだったんだなあ。

    繁栄への原理→これ政治家に読ませて感想を聞いてみたい。何が幸せなんだろうか。

    味ラジオ→太らない、衛生的、食事を作らなくていいてのは最高だけど、誰かに支配されるのは怖いか。

    遭難→なるほどこれは必要だ。でも危険なものだったらこわい!

    黄金の惑星→人間の欲深さの愚かなこと。

    人間的→これこそまさにAI

    小さな世界→これ売れるんじゃなかろうか、この社会にそんな余裕もないか。

    とんでもないやつ→ほんまとんでもない。お金そのものに価値はないはずなのに私達は何を求めているのか…。

    妄想銀行→設定は好きだが、以外に結末がありきたりな感じであんまり好きじゃない。いろんなとこにいろんな需要と供給があるものだ。

  • 既読本

  • 「住宅問題」「信念」「鍵」「黄金の惑星」「とんでもないやつ」が特にお気に入り。おもしろくないのは一作もないなあ。さすが、、。
    どうしたらこの時代にこんな展開を思いつくんだろう!
    すごすぎて、短編であることがもったいないと思う。
    もっと詳しく知りたい、もっと読みたい。

  • 中学生以来の星新一。
    SSとはどれほどのものかわからなかったけど、あまりの短さに驚いた。
    そしてその短さで、その濃さと面白さ。
    天才だなぁと思う。
    星さんの他の作品も買ってきたのでそのうち全部読めればなと思う。

  • この古さでこの現代性は驚異。具体性の肉を付け過ぎないフレームワークのような文章がこちらの「古さレーダー」を素通りしてしまう。そしてまた、情報効率を追求したファストフードのようなスタイルも、頭の回転ばかり加速する現代の短気な客層を狙いうちしたかのようだ。

  • あまりSFを読んでこなかっため、
    挑戦したいと思い、この本を手に取りました!
    SFって小難しそうなイメージが個人的にはありましたが、短編で、親しみやすい感じで、何度読んでも面白くてニヤってしてしまいます笑笑

    SFに手を伸ばしにくい方にぜひお勧め!!

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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