ブランコのむこうで (新潮文庫)

  • 新潮社 (1978年5月29日発売)
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098159

感想・レビュー・書評

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  • ショートショートで有名な星新一先生のめずらしい長篇作品
    といっても文庫170ページくらいで、長篇というよりは今で言う連作短編集のようなつくり

    しかもこれまためずらしい一人称視点

    学校の帰り道にもうひとりの「ぼく」と出会った少年が次々といろんな人の夢の世界に入り込み…というストーリー

    なんていうか当たり前の話すぎて恐縮なんですが、星新一先生はどこまでいっても星新一先生で、世界観というか受ける感じは全然違うんだけど、やっぱり人間というか、人生というか、生きるってこういうことなんだってところがなんとなくに込められている

    「示唆に富んでいる」って書けば座りがいいんだろうけど、なんかそんなんとはちょっと違うんよ
    そういう上からの感じじゃないんよ
    星新一先生は

    朽ちないなー

    • ultraman719さん
      いつ、みんなの故郷に?
      いつ、みんなの故郷に?
      2024/06/09
    • ひまわりめろんさん
      確か日本書紀に書いてあったはず
      中2社会で習ったな、二学期の終わりくらい
      確か日本書紀に書いてあったはず
      中2社会で習ったな、二学期の終わりくらい
      2024/06/09
    • ultraman719さん
      あっ!そうでした!日本書紀に書いてありました!
      でも、プレミアムモルツ欲しい!
      あっ!そうでした!日本書紀に書いてありました!
      でも、プレミアムモルツ欲しい!
      2024/06/09
  •  彫刻の夢の話が好きです。若い頃は美しい女性を、その次は竜を、年をとってからは自分自身を、そして死を前にした今、道の小さな穴に詰める石を彫刻しているおじいさん。短い話なのに、人生とはどういうものか、十分すぎるほど書かれています。
     赤ちゃんの話も良かった。生き物は地球から、宇宙から生まれてくる。人は赤ん坊の頃、地球の記憶を、空や大地の記憶を夢に見るのだ、なんて……。こんな壮大なテーマが簡単な言葉で、面白く書かれている。単なるファンタジーと思って油断していると、突然心臓をつかまれる。そんな作品です。

  • 原題「だれも知らない国で」
    SSの鬼才星新一が贈る夢のような物語。
    和やかで優しい気持ちで読んでもらいたい。
    著者の長編での才能も見せ付けてくれる。

  • さらっと読めました。でも既に結末をどんな風にむかえたか忘れてしまった…;;
    これは良いのか悪いのか。

  • すごく良かった。星新一にこんな長編があったのかという嬉しい驚きがあった。子供向けのファンタジックなお話のようだけど、どこか達観した目線がある。主人公の優しい男の子の年相応の言動と不意に漏れる客観的な言葉がすごく良い。星新一だなぁといった感じ。

    社会に根ざした個人的な夢からだんだんと規模の大きな仏教的な、観念めいた夢へ移っていくのが面白い。
    「あのさまざまな夢の世界も、この現実の世界があればこそなんだ。ここが、ずっとぼくの生きてゆく世界なんだ…。」が印象的。

  • 星新一さんの長編。星新一さんのショートショートから皮肉を引いたらたしかにこうなる気がする!って感じでした。
    ぼくが次々と夢を渡っていくお話。長編ではあるけど、各夢で完結するある意味短編集てきなお話だった。世界観がすてき。
    結局どういうことだったのかわからないところがまたよかった。

  • 偶然見かけた自分そっくりのある少年を追っていき、夢の世界に入り込んだ”ぼく”が次から次へ他人の夢の中を旅する冒険譚

    ファンタジーでありながら、現実的な要素も残した面白い作品。
    他人の夢を旅する中での少年ならでは視点や感覚は現実の世界で生きている私に気付きを与えてくれるようだ。
    退屈に思う場面もあったが、後半は惹かれる文章も出てきた。

  • 星新一のショートショートではない、小説。
    章ごとに分かれた短編集の様相もあるけれど、一応最初から最後まで繋がったお話。

    終盤の彫刻家のお話が好きです。

  • 「ぼく」から語られるので、文章が柔らかく優しい。
    でもちゃんとその中には深い意味があって、大人でも楽しめる。

  • とある体験をきっかけに、人の夢に入り込んでしまった少年。
    抜け出せる方法はみつからず、夢から夢へ移動を繰り返す。
    様々な人間の深層心理を夢の登場人物として体験し、人生の大切な部分を学ぶ。

    現実世界と願望のギャップ。
    夢は精神衛生上の調整を行うという説に、一致する。
    少し教訓じみた感は否めないのは、それは少年の成長譚だからでもある。

    作品は、9人あるいは、10人のエピソードを詰め込めたオムニバスとも取れる。
    要所要所に、SF色の描写も散りばめられている。
    たとえば、アカシックレコードといえる場面。
    共通意識で学習する場面で、模範を示そうとする少年の行動は興味深い。

    索引や目次がないので、当初はチャプターが幾つまであるか分からない。
    ここも、先入観を与えないという作者の意図が感じられる。
    そして迎える、最終チャプター。
    夢の中の出来事は、果たして夢なのか現実なのか。
    この読後に与える余韻が、星新一の魅力のひとつであろう。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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