さまざまな迷路 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1983年8月29日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784101098272

感想・レビュー・書評

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  • 今回は、2ページほどのショートショートから10ページ以上のちょっと長めのショートショートまで、32編載っています。

    特に印象に残ったのは、「ことのおこり」。ある有名な歴史人物について、なぜあのようなことをしたのか、事の発端が書かれています。もちろん創作ですが、もしこのエピソードが本当だったら、恐ろしいことです…。

    また、「ホンを求めて」は映像や電子機器の普及で、本がなくなっていくことを予知し、警鐘を鳴らしているようにも思え、本の大切さを感じました。

  • 35篇の超短編集。1ページで終わるものもあれば数ページに及ぶものもある。どの話も主人公や語り手に名前はなく、また登場人物は役職名や職業名などで呼ばれる。短いながらもしっかりとストーリー性があり、プロット集のような印象で、なかには長編にできそうな話もある。読みながらオチを予想しても裏切られ、それが爽快だ。

  • 40年以上前に書かれた本なのに、まったく古さを感じさせないアイディアの作品が含まれている。SFっぽいもの、ミステリーっぽいもの、ブラックユーモアっぽいものなど多様。
    「ことのおこり」はヒトラー台頭前夜の裏話でもちろんフィクションだけど、こんなのネタにしてしまっていいのか、ちょっとひやっとした。
    「ホンを求めて」は本が消滅して久しい未来を描いているが、今のところこうなる心配はなさそうな感じ。
    「三段式」は映画「インセプション」の元ネタみたい。
    「骨」は意志の力で不死になった男の話だが、肉体は滅びるのでめちゃくちゃ怖い。

  • やっぱり星さんといえばショートショート。

  • いつもの星さんです。

  • 「末路」
    この話の主人公がひろゆきとかYouTuber,インフルエンサーぽいなぁ…と思い浮かべることがあるので、読み返してみた。
    流石は星新一の慧眼…と感じるけれど、このショートショートのオチ(につながる起承転結の転の部分)では4か月で飽きられていたのに対し現実は10年近くも飽きられずにいるので、現実がSFを凌駕したというか事実は小説より…という感じ。
    忠臣蔵を題材にした「町人たち」も令和に忠臣蔵的なことがあったらこうなるだろうなぁと思いつつ読み返した。

    星新一が未来を予見したのではなくて、いまも昔も人の性根というのは変わらなくて、それこそが”文明社会”というモノなんかもしれない。改めて星新一の洞察力とそれを短い寓話に仕立てる筆力に感嘆した。

  • やっぱり星新一は天才なのかもしれない。そう思わずにはいられなくなった。短いものでは2ページほどでオチがつく。しかも読者の想像の斜め上をいくオチが。こんな短い枚数の中で世界観をギュッと凝縮し、ひとつのはなしとして成立させるのは並大抵の技術ではできないだろう。星新一のショートショートには教訓がたくさん含まれている。長編小説を読むのに疲れたら箸休め的な感じで気楽に読めるのが良い。2012/544

  • 買ってから半年が過ぎていたが、賞味期限は切れていなくて美味しく味わえた

  • ショートショート最高。

  • 短い文章の中の世界にぐいぐい引き込まれます。
    やっぱりかという展開もあれば、意外な方向に向かう展開もあり、飽きません。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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