ふしぎな夢 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098524

感想・レビュー・書評

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  • 本作では正に星新一氏の原点とも云うべき、宇宙や仮想科学趣向のショートショートが満載で、星作品に初めて触れたときの事を思い出せてくれた。

    前に読んだ『天国からの道』が玉石混交の作品集であったのに対し、今回は外れが無く、いずれも水準作であるのが特に嬉しい。つまり非常に解りやすいのだ。

    いつも夢に出てくる謎の少年の正体を語る表題作。
    謎の青い光を放つ宇宙船の謎を追うスペースジュヴナイル「謎の星座」。
    催眠術で男を異次元に送る実験を行う「新しい実験」、街中に突然現れた複数の突起物が生えた球体の正体を探る「奇妙な機械」。
    自らを宇宙人と語る精神病院での話「病院にて」。
    世にはびこるヒズミという得体の知れない物体の話「エフ博士の症状」。
    年の離れたカップルを軸に新しい星の探索譚を語る「憎悪の惑星」。
    世間を騒がせる真っ暗になる現象の正体の謎を追う「黒い光」。
    月に基地を作りに来た先発隊の一部始終を描いた「月の裏側基地第1号」。
    火星に突然訪れた宇宙人の正体を探る「謎の宇宙船」。
    そして最後は土星探索隊に送った物資が誤ってある星に届くことで起こる騒動を描いた「ピーパ星の騒ぎ」。
    どうだろう?
    全て初期の星新一氏を髣髴とさせる内容ではないか?

    今回は長めの作品が多く、少年が活躍するジュヴナイルとなっている「謎の星座」、「黒い光」などは私が少年ならばわくわくして読んだだろう作品だ。

    そして作者特有の、物語を正面から受け止めずに、少し斜めに構えて落とす物語の閉じ方も健在。それが功を奏している表題作は少しジーンと来るし、「憎悪の惑星」のアッケラカンとした物語の結末は正直唖然とした。

    「奇妙な機械」は私の星新一原初体験である作品「友好使節」を想起させる。

    初めて星作品に触れるのに絶好の作品集であると云える。

    しかし、こちらもあの頃からは倍以上の年齢を重ね、またかなりの量の読書をこなしていることもあり、純粋にあの頃のように没入できたかと云えばそうではない。
    しかし、一服の精神安定剤になり得る星作品の魅力は十分堪能できた。

  • 宇宙系が多かったかな
    タロー君が宇宙船追っかけて旅するとかそういうの

  • 黒い光が印象に残っている。

  • 過去ブログに書いていた感想文の転記です↓

    ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

    「ふしぎな夢」(これは案外長い短編も収録されていますが)の「奇妙な機械」というショートショートがありました。

    ラストの場面。
    ロボットはつぶやきます。

    「今更驚くことはないのにな、はじめから分かっていたことなのに。すべての知能ある生物は、おのれに似せてロボットをつくる。」


    ページにして約5ページ。たった数分で読めるお話に、頭をガツンとやられてしまいました。

    言われれば当たり前なんです。確かに言われればそうなんですが・・・私はこの物語の人々と同じ様に、宇宙人を歓迎していたら現れた宇宙人に驚くことでしょう。

    人間のような進化をしているとは限らないのに、無意識に勝手なイメージを植え付けてしまう。

    人は知らず知らずに自分の型にはめて、また今までの経験から想像してしまいます。

    「どうして皆さんは自分の都合の良い想像に当てはめるのかね・・」とロボットが(その奥に星さんが居るようで)言っているように聞こえてなりません。

    言われれば当たり前のこと、書いてしまえばその通りのこと。

    ただ、それに気づき、向き合い、物語として形にして、目の前に差し出す力が凄い、発想が凄い。

    数ページなのに衝撃的です。



    もちろん他にも頭ガツン!な作品がてんこもりやな星さん。

    やっぱり、星さんの頭の中がどうなってるのか…気になるなぁ~。

  • 個人的にはもう少しパンチが欲しかった
    しかし、相変わらずの星新一ワールド全開
    気付けば一気に星新一の世界へと入り込んでしまう一冊

  • 短い話でここまで入り込めるものをかける人はなかなかいないと思います。主にSFの話で、ちょっと背筋が寒くなるものや不思議なものと基本続きが気になるところで終わっているので想像してしまい、余計に寒くなったり色々です。

  • 久々の星新一。こころが和んだ。2016.11.23

  • 星新一さんのほんわかふんわりしたお話ばかりを集めたショートショート。子供でも読みやすいお話ばかり集めているのかなー?という感じ。星新一さんのぞわっとする話も、こういうほのぼのも好きなので、楽しく読めました。

  • 最初期の手塚の時代の少年向け冒険活劇みたいな話がけっこう収められてる。
    そういうの、マンガで読む分には楽しめるけど、活字になると一気に読めなくなるなあと感じた次第。

  • 読了日 2015/1/22

    星新一ショートショート読破チャレンジ2作目。
    直ぐに書かないと忘れる。

    土星行きの輸送船がそれた話が面白かった。

  • 昔読んだボッコちゃんが面白かった記憶があったので買った本。
    各ショートショートがバッチリ関連してくるのかなーと予想したがそんなこともなく、オチもよく分からなかった。
    非常に読みやすいのでサクサクは読めた。

  • 星新一没後の発行。
    ということは、別に未発見の原稿!というわけではなくて、出版するに足らない作品だったのだと思う。
    1000以上の話を書いてればこんな作品もできる。出版社側が本にしてしまったことも、読んで残念な気分になったことも残念。
    しかしこの黄緑色の表紙みただけで、買わなきゃ!と思ってしまう。

  • 小難しいことなく、純粋に面白い。

  • メルヘンちっくで柔らかい雰囲気のお話が多いから、シャープでぴりっとしたショートショートを求める人には、物足りなさを感じさせるかも。
    でもこの世界観はワクワクさせる、ふしぎで独特で、絵本にして子供たちに読ませたいかんじ。
    松本大洋さんはマンガ最後まで描いてよ!!!

  • 宇宙や宇宙人にまつわるショートショート。
    ショートショートってあまり好きではないのだけれど、
    さすが星新一、短い中にもちゃんと起承転結が盛り込まれていて感動した。

  • 宇宙ネタが多かったなー。

  • 宇宙人がよく登場するショート・ショート集。
    一部設定が繋がっているものもあり。
    よく考えたら星新一読んだの初めてかも。もちょっと読んでみよう

  • 初期の作品が多かった。著者の有名なショートショートスタイルではなく短編形式でブラック要素も少なかった。SF!とメルヘン!って感じが全面に出ていた。やっぱり星さんは、ショートショートのが好みだなぁと思いました。

  • 懐かしい 星新一氏。

    ロケットや宇宙人、××星 がでてくる アナログなサイエンス・フィクション。

  • 星新一の話はもっとショートでスッキリしない終わりかたの方が個人的に好きでした

  • 星新一SSはコンプリートだと思っていたけれど、没後発行のこれは抜かってたかも。ということで、さっそく購入して読了。少々昔っぽいところが懐かしい感じ。と思ったら、初期の作品も含まれてたのか。優しい結末に気持ちがやわらぐ。

  • 独特の世界で楽しい。星新一さんは久しぶりに読んだけれど、面白かった。

  • 借りて読む

    この本は、星新一なのに、少し長め
    普通の短編くらいの長さ

    ブラッドベリやらアシモフやらと形式が似ている気がする

    内容は、いつもよりは、皮肉が少なくて読みやすい感じだった
    でもあの皮肉が好きだったのになあ
    もう一つ借りたからそちらに期待

  • なんと!星新一にしては意外にも綺麗なオチばっかだった!
    ってぐらい皮肉やブラックに溢れた結末の物語に馴染みがあったから、この短編集には驚かされました。

  • 今回は宇宙がメイン。他の作品に比べれば社会風刺の要素がほとんどない分、突飛な印象は受けなかったが、星さんワールドはしっかり味わえる。そして最後でぷぷっと笑わせてもらった。

  • めちゃくちゃ久しぶりに星新一作品を読んだけど、これは全体的に微妙。
    持ち味である意外なオチってのが少なく、その上一つ一つの話が若干長いせいかだれる。
    言い方は悪いかもしれないけど数撃ちゃ当たる方式が一番合ってるんじゃないかなぁ。

  • 淡々としていて、どこか箇条書きのように見える文章に、しっかり内容がつまっている1冊。
    ただ、今回は悪意に満ちたものが割と多く、個人的には少々消化不良な部分も・・・。思いもよらない過激な文章が星サマの世界を際立たせています。

  • 読んでみるととても面白い。(貰った)

  • 「新しい実験」は「謎の星座」と真逆で、自分の地位を求め踏んではならない一線を踏み越した醜い人間像だ
    短いがゆえに読みやすく、鮮烈で、訴えてくるものはかなり大きい。

  • 表紙に一目惚れして読みました。可愛い……!!
    短編集ですが、少し長めのお話も入っています。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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