小川未明童話集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 309
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101100012

感想・レビュー・書評

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  • 小学4〜5年の頃に読んだ『赤いろうそくと人形』の話。

    その本の表紙がどんなものだったか…
    悲しい話なんだなというのが
    読む前から伝わってきたこと、そして
    表紙を見るたび自分も悲しい気持ちになったことを
    今でも鮮明に覚えている。
    本を手に取るだけで心がざわついたのは
    あの時が初めてだったろうと思う。
    わたしの想像力の基礎はこれかもしれない。

    どの話も、人として大事にすべきもの、
    その一方で人の醜さ、
    抗うことの出来ない酷な現実や、
    それでも真っ向から勝負しようとする人間力、生命力。
    どの話も読み手に疑問や課題を語りかけてくる。


    動物や物、自然が言葉を持つ話も多く、
    子供の頃からなんでもすぐに擬人化して
    扱っていたので、すんなりと世界に入れた。


    「ある夜の星たちの話」はまさに、
    幼い頃のわたしが空想していたような世界。


    短篇集だが、わずか数ページで終わる話もあるけど
    一瞬にして美しさが表現されている。


    人間を信じ裏切られてしまう人魚の悲しさに
    一気に魅了されたわたし。
    不思議と、寂しかったり悲しいことがあると
    この話を思い出す時もあった。
    大人になり、人魚と自分を重ね合わせていたと思う。
    暗い海の底から月の光に照らされた水面を見上げる
    人魚をよく想像していた。

    それまではドレスやガラスの靴に憧れていたけど、
    王子様と知ったうえで魔法の力でお城に行った
    シンデレラよりも、
    海の中で人間の世界に憧れ、
    自らの力で 運命を切り開こうとする人魚の方が
    好きになった。

    今思えばわたしの読書が深くなったきっかけの一冊。

  • 2019.5月。
    .
    #小川未明童話集
    #小川未明
    #新潮文庫
    .
    ちょっとずつちょっとずつで、やっと読み終えた。
    この中に人間の美しさも醜さも、いろんなものが潜んでいるよう。
    心の奥底に眠る不安定なものを突かれるような怖さも。
    .
    .
    #2019年39冊目
    #本 #book #読書 #reading #本の記録 #読書日記 #読書感想文 #書店員

  • 通勤電車のなかで片手にちんまり収まったスマホなんかで読むべきものではなかったかもしれないな。もっとじんわり味わえば、もうすこし良さがわかったのかな?

    日本の童話の基礎をつくった立役者なのかなとは思うけれど、なんというか「…だから何?」という感じの話が多い気がした。そこが短編の妙なのかもしれないけど、うーん。
    同じ時代の浜田広介のほうが全然好きだー。

  • 好きな話は「野ばら」「月夜と眼鏡」「月とあざらし」「千代紙の春」「港に着いた黒んぼ」「小さい針の音」「島の暮れ方の話」

    童話の中にもこんなにうつくしい言葉を織り交ぜることができるのかと感動する。子供向けとして整えられた文章とはまた違う趣があった。

  • 文章が美しい。
    宮沢賢治の作品のような物悲しさと透明感がある。

  • 児童文学界の第一人者による童話短編集。

    印象はともかく情景が美しい。
    児童向けにありがちな勧善懲悪のような分かりやすい教訓等は入れずに、その判断は読者に委ね、美しい感性を育てるということを重視しているように感じた。

    ただ読者によっては、分かりにくいと感じるかもしれない。

  • 風とアザラシのお話が読みたくなって読みました。
    人魚と赤い蝋燭のお話などもあり小川未明の有名なお話が一冊になっています。
    小川未明の童話は初めてだったのですが、思っていた以上に悲劇的な作品で驚きました。和のアンデルセンという表現に納得しました。

  • 童話をあまり読んだことなかったから。
    有名なのは
    「赤いろうそくと人魚」でしょうか。
    この話も、名前は知っていたけど読んでない。
    西洋の人魚姫も悲しいお話ですが
    こちらも切なく悲しい。

    たくさんお話が入っています。
    星や線路や石炭が話をしたりするものや、
    (ある夜の星たちの話・雪くる前の高原の話)
    短いけどちょっと怖い話もありました。
    (金の輪)
    どこかの地域伝承とかで、残っていそう。
    今でいうと都市伝説かしら…

    わたし的には童話というと、風景を
    外国のお話として考えがちですが、
    これを読む場合、大正〜昭和初期の時代感で、
    日本の当時の雰囲気を描こうと思って読みました。
    教訓や意味を読み取る、というより
    お話そのものをただ読んでみたいと思い
    読んでみると、結構心に残りました。

  • 大学生の頃読んだ。良かったと思う。

  • 先日、読了。アニメの「日本昔ばなし」のような童話をイメージしていたら、少し違和感を抱くかもしれない。
    全体の印象として、寂しい感じ。
    解説の坪田譲治の作品は、既に新潮文庫では、手に入らない。
    他にも、童話集は文庫にも幾つかあったが、多くが絶版。時代の流れか。
    余談だが、新潮文庫で多く出ていた「詩集」も多くが絶版である。

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著者プロフィール

小川未明(オガワ ミメイ)
1882年新潟県高田(現上越市)に生まれる。坪内逍遥や島村抱月から指導を受け、ラフカディオ・ハーンの講義に感銘を受ける。卒業後、早稲田文学社に勤務しながら、多くの作品を発表する。1925年に早大童話会を立ち上げ、翌年、東京日日新聞に「今後を童話作家に」と題する所感を発表し、童話専念を宣言する。1946年に創設された日本児童文学者協会の初代会長を務め、1961年没。童話の代表作としては「月夜と眼鏡」のほか、「金の輪」「赤い蝋燭と人魚」「野薔薇」などがあげられる。

「2019年 『月夜とめがね』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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