名将大谷刑部 (新潮文庫 な 20-16)

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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101100265

感想・レビュー・書評

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  • すごく…R18です…
    やたら熱くやたら石田治部へのツッコミが激しい大谷吉継在中。敦賀時代の様子や正室が榊原息女という辺りはかなり面白く読めたのだが、R18シーンが波状攻撃という。

  • 大谷吉継はとても義に生きた武将だったことが描かれています。自身の憧れだった徳川家康の勧誘を断ってまで石田三成との友情を選んでのは潔いと思いました。そして、関ヶ原合戦で散っていた大谷の死に様は見事でした。

  • 大谷刑部若い頃から武将として身を立てたいとの思いとは裏腹に秀吉は官僚としての才能を見い出し中々戦場での働きが叶わない。しかし次第に病魔が体を蝕みはじめ政務を行うのも困難となり領国に戻り半分隠居状態になる。秀吉が吉継を見舞う時自分の死後家康が覇権を争う事を想定し対家康包囲網の戦略を示した。盟友三成は家康を嫌い徹底的に排除する方針を打ち出すが吉継は家康をあえて豊臣政権に組み込む事で豊臣家の安泰を図る考えを示す。三成の強行姿勢を諌めつつ最後は三成との友誼をとり共に関ヶ原へ散ってゆく。

  • 豊臣秀吉の子飼いの武将の中でもひときわ人望の厚かった大谷刑部吉継について書いた本です。

    大谷刑部は秀吉から大軍を指揮させてみたい、と言われたエピソードがあります。
    最初、大軍を指揮させる機会がなかったのかと思っていましたが、この本では武将としての能力が高いが、それ以上に官僚としての腕を買っていた秀吉が、他の武将派のように戦場に出さず、手元に置いていたのを悔いているような内容でした。

    ところで、大谷刑部は小早川秀秋の裏切りを予想し、伏兵を配置して、何度も押し返したとされています。大谷軍はほとんど戦の経験がないはずですが、なぜこれほど強かったのか?、という疑問は残念ながら解消されませんでした。


    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-87b8.html

  • 「花舞台・関ヶ原」

    <マイ五ツ星>
    武士の生き様:★★★★★

    <あらすじ>-ウラ表紙より
    賤ヶ岳の「七本槍」に乗り遅れ、豊臣政権の下で心ならずも官僚派武将の道を歩んでいた大谷刑部は、将来を嘱望されながら突然病に冒される。
    秀吉の死後、待っていたのは天下分け目の関ヶ原。大谷刑部は光を失った目で、西軍の一方の旗頭として家康の大軍と勝敗を決する戦場に赴いた。
    豊臣家への忠節、盟友・石田三成への義、そして自らの武断派への夢を賭けた最後の戦がついに幕を開ける!

    <お気に入り>
     刑部のこころの片隅には三成にたいする羨望がめばえていた。人望があろうとなかろうと、力量は家康にはるかにおよばなくとも、自分の信ずる道にためらいもなく突きすすんでいく三成にまことの男児を感じた。
     三成の傲慢、不人気、偏狭を非難するのはたやすいが、すくなくとも彼は豊臣家の政権が家康にうばわれんとするのをはばむために強大な徳川家の武力に挑戦しようとしている。無駄な挑戦と見る者はおおいが、三成のやろうとしている行動は一面、武士の本懐でもある。武力をもって戦をいどむのは、本来の武士のありようをあらわしている。しかも家康は若きころより<海道一の弓取り>と称されてきた名実ともに天下第一の武将だ。その武将に武力をもっていどむことは勇者の行為と言える。

    <寸評>
    戦国武将で1番好きな、大谷吉継の物語。

    秀吉をして「百万の軍を与えて自由に采配を奮わせたい」と言わしめた智勇兼備の武将である(ちなみに百万=日本中の軍勢)。
    実はその裏には、秀吉が吉継の“智”を重んじる余り、奉行職(いわゆる内政面)として秀吉政権で活躍したが、武勇をあげることのできなかった吉継に対する、詫びの気持ちが込められている。
    本作では、この「戦で功名を成したい」吉継の悶々たる気持ちが、全編を通じて描かれている。

    吉継といえば、茶会のエピソードが有名である。病(ハンセン病か?)に冒された吉継が自分にまわってきた椀に膿を落としてしまう。感染を恐れた諸将が息を呑む中、親友・石田三成は平然と椀を受け取り、旨そうに茶を飲んだ、というものだ。
    本作においては、幼少の頃に三成が吉継から受けた恩に報いたのだという、大胆な物語になっている。

    さて、運命の関ヶ原である。
    なぜ大谷吉継は西軍についたのか?
    吉継は和睦のために奔走しており、直前にも会津討伐に向かう家康に合流し、話し合いの場を設けようと進んでいた。家康も吉継が西軍につくと知ったときは驚きを隠さなかったそうである。
    根強い「友情説」があるが、著者はそれは一因ではあるが全てではないとする。
    武断派への積年の想い、そして当代最強の家康との合戦への魂の震え、何より、自分が采配を奮えば勝てるかもしれないという自信……。
    すでにほとんど目も見えず、先は長くないことを悟っていた吉継にとって、「関ヶ原」は思いがけず舞い込んだ花舞台だった。

    本作ではもう一つ、そんな吉継との愛に殉じた「千絵」という女性が創作されている。二人の恋模様も涙をさそう、秀作であった。

  • 最も好きな武将。ただ側室がいらないと思ってしまった。でも彼女に救われているのも確かだからなんとも言えない。三成との友情と、大谷公の武士としての心意気はすごく感じられた。関ヶ原はあっさり描写。

  • 非常に日本人好みの格好良い武将だと思います。
    史実とフィクションとのバランスも良い感じです
    もうちょっと関ヶ原の場面を詳しく書いてほしかったかも。。。

  • 大谷刑部と側室(オリジナル)の恋愛のお話。

    ごめんなさい自分には合いませんでした…

    閨でのアレコレや時々話のつじつまがアレ?ってなる事が多いですが、細かいことを気にしたら負けです。
    高いスルースキルが必要な一冊かも。

  • 側室への筆者の肩入れっぷりに、筆者自身の理想とする女性像が表れているよう。あまり好きではない。表題に名将と入れている割にそれが感じられず、盛り上がり所の関ヶ原の描写も全く面白くなかった。
    期待していただけに残念。

  • 三成とともに秀吉に仕えた大谷吉継の一生。

    濃茶事件とかも含めて三成との友情がいっぱいに描かれている。
    初めて大谷刑部についての本を読んだけれども、とても魅力的な人物。
    病気になってからの妻との関係も、また良いなぁと思える書き方。

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