- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101102115
感想・レビュー・書評
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「景山民夫」のエッセイ集『ONE FINE MESS―世間はスラップスティック』を読みました。
「景山民夫」作品は4年前に読んだ『遥かなる虎跡』以来なので久しぶりですね。
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「スティービー・ワンダー」の楽屋で盗みを働き、落語立川流の会で「お直し」を演じ、お笑い番組のプロレス・コーナーで肋骨にヒビを入れられながらも闘い、西麻布のバーでブローティガンと60年代のアメリカを語り合う―。
あるときはサンフランシスコ、またあるときはボルネオ。
時代を疾走する放送作家の過激な日常を、瑞々しい筆で切り取ったショート・ストーリー風都会派エッセイ。
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二十歳くらいの頃、「景山民夫」のエッセイが大好きで、良く読んでいたんですよねぇ、、、
1987年に第二回講談社エッセイ賞を受賞した作品… 懐かしさを感じながら読みました。
■だから『走れメロス』は恥かしい
■僕も猫語が喋れる理由
■青島幸男へのラブレター
■インタビューアーの仕事作法
■ラッコ第三種接近遭遇
■天使の顔をしたアバズレ
■黒スーツを着て来た意味
他全33作品
幅広い趣味と人脈が活きているし、エッセイの舞台は国内に留まらずアメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東と各地に広がっているし、短篇小説を読んでいるような面白さを兼ね備えているので、二十数年前と変わらず愉しく読めました。
音楽、酒、クルマ、スキューバダイビング、超常現象、銃、旅行、落語、プロレス、動物との触れ合い、怪談、サバイバルゲーム… 等々、多種多様な経験がエッセイに深みを与えているんでしょうね。
エッセイのテーマに合わせて凝った写真が付いているのも愉しめました。
作品中、自身の履歴を紹介する際に、
「ひとことも嘘はついていないけれど、誇張してない部分は一箇所もない」
という言葉が出てきますが、まさに作品全体が、そのトーンになっている感じ… 作品だけでなく、「景山民夫」の生き方そのものを的確に現している言葉かもしれませんね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
二十代に読んだ作品の二度読みだ。
この作者のエッセイは何とも味わいがあって大好きだった。
何十年も前の作品であるから時代が感じられるのも面白い。
前にも感じたが「生きていたなら、、、」と改めて思う。 -
BRUTUS連載を纏めたエッセイ集。特に出色なのが氏がスティーヴィー・ワンダーにテレビ番組の取材でインタヴューした顚末が綴られた「ワンダフルワンダー」名作落語のようなオチがあり、いわゆるすべらない話としても最高。