- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101102122
感想・レビュー・書評
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脱出劇が始まると面白くなってくるんだけど、それまでが長い。
満州事変をよく知ってると、前半も楽しめるかも。 -
初刊時以来の再読。
景山民夫といえば、『遠い海からきたCoo』が代表作とされているが、大人の娯楽に徹した本作品は隠れた名作だと言える。
舞台背景は張作霖爆殺という史実、そこに現場を目撃した麗華、鬱屈を抱えた軍人西、軍人あがりの運転手オライリーの三人が上海に向けてデューセンバーグを駆って中国を疾走する。
大掛かりな捕獲作戦に対して、三人で立ち向かう姿や会話の端々に古きよき冒険小説の香りが漂っている。
複雑な現代冒険小説と比べ、主人公サイドは明るいムードであり、悪役は悪役らしく当然の報いを受ける。
シンプルな物語であるが、久し振りに安心して読める冒険小説だった。
秋の夜長に、ウィスキーを飲みながら読書するのに相応しい大人の作品です。 -
25年ぶりの再読。
歴史の転換点、張作霖爆殺事件を目撃した一人の中国人少女。彼女を上海へと逃がす為に逃避行へと集う、はぐれ航空少尉西真一郎、あらくれアメリカ人オライリー。
コルト45、南部14年式、SAA、そして空冷式M1919マシンガンに守られた濃紺のデューセンバーグ・モデルXが満州の荒野を疾駆する。奉天より上海へ、1600キロの果てに待ち受けるのは、謀略を暴くべく追っ手を放つ奉天軍、国民党軍、そして目撃者の抹殺を謀らんと追い縋る大日本帝国・関東軍!
いい男、いい女。洒脱な口調と破天荒なカタルシス。
処女作だけに今見ると荒削りな印象があるものの、作者が持つ冒険小説へのロマンと憧憬が情熱的に筆を走らせているのが見え、とても心地よく喝采を送ってしまう。 -
およそ27,8年ぶりの再読。
やっぱり面白い。胸躍る。
こんなに優れた冒険小説が今となっては絶版になっているなんて!
売れるはずの作品をあきらめてしまう出版社は一体何をやっているのか……
電子書籍でもいいから今すぐ復刊するべきだ。
列強がひしめく昭和初期の中国が舞台。
現代史の一端を知ることができたし、この時代の歴史に興味を持つようになったのもこの一冊があったからだ。
大陸を舞台にデューセンバーグという車を駆って、主人公たちが繰り広げる逃亡劇は手に汗握らずして読めない。
この時代の中国に憧れる。
日本はこのあと、さらに狂っていくことになるのだが。 -
逃亡劇。間違いなく面白い。
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再読。景山民夫のデビュー作。陸軍少尉、西真一郎が米国人オマイリーとともに、張作霖爆殺事件の目撃者となった中国人女性、麗華を連れて、奉天から上海までの逃避行を試みる。
前半は爆殺事件をめぐる政治サスペンス。後半は車と銃によるアクションで一気に読ませる。日本では成立しにくいと言われる国際謀略冒険小説となっている。会話もハードボイルドだ。