無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • 本 ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101103211

感想・レビュー・書評

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  • 船舶航海関係者で著作家の須川邦彦さんによる、明治31年に実際におきた遭難から帰還までの冒険小説。昨年は、舞台化されているようです。そして、椎名誠さんが選ぶ漂流記のNo.1。
    太平洋資源調査中の帆船が、大嵐で難破して、(水無し、食無し、樹木無し)の小さな無人島に、全員無事漂着する。乗員は、帰化人も含む全員日本人。船長から見習いまで、年齢もさまざま。彼らは、島の中で規律を守り、悲観する事なく、節約と創意工夫に励んで、日々を乗り越える。
    規律1:島で手に入る物で暮らす
    規律2:できない相談を言わない
    規律3:規律正しい生活をする
    規律4:愉快な生活を心がける
    この規律は、現代でも活用できそうですね。
    食料や住居などの困難に対応していくことはもちろん、日本に戻った時のために、年長者が若者に教育を与える時間まで確保していた。救助を求める行動にもパワフルに活動して、大和魂を読めます。15少年漂流記も良いですが、こちらも良いです。

  • ブクログレビューを拝見して知り、図書館の自分のページ内「今度読みたい本一覧」にしばらく入れてあった本。

    だから(覚えていなくて)あまりどういう本なのかわからずに読み始めた。
    まず表紙カバーにある著者紹介で、著者が1880年〜1949年の方と知ってびっくり。
    明治生まれの方が書いた、内容は明治32年のノンフィクションだということがわかり、果たして読み通せるかな?と少し不安に思った。

    ところが、それは杞憂であった。
    こんなに凄い話だとは!!
    そして、読みやすい。
    いや〜本当に読んで良かった。
    私は『十五少年漂流記』を読んだことがないのだが、もうそれは読まなくていいや。

    世界遺産で学んだ小笠原諸島のことも書いてあったのだが、まさに小笠原諸島成り立ちほやほやの頃の時代の話だ。
    同じく「今度読みたい本一覧」に入れてある『ボニン浄土』(宇佐美まこと著)も益々読みたくなった。

    本書のイラストも味があって可愛らしくて良い。

  • 太平洋で難破した龍睡丸、乗組員の奮闘を物語として綴るノンフィクションの一冊です。
    珊瑚礁の絶望的な孤島に漂着した日本男児16名は、故国への生還を前提とした無駄のない誇りある毎日を過ごします。
    その中で培われた規律や研究の大切さ、友の存在と生きることの素晴らしさを感じました。
    ウミガメやアザラシの家畜化にも感激しましたが、研究で印象深かったものは食塩の生成です。
    以下、引用します。
    「海綿の大きなのを集めて、海水をかけ、天日にかわかしては、また海水をかける。これを、いくどもくりかえして、しまいに海綿が、塩分のたいへんにこい汁をふくむようになったとき、その海綿からしぼり出した汁を煮つめたら、いいと思う」
    いやぁ…脱帽しました。

    • pさん
      はい、明治時代の⁉︎
      絶対読みます✨
      はい、明治時代の⁉︎
      絶対読みます✨
      2022/08/03
    • pさん
      たんたんさん

      読みました✨すごいですね
      実話とは…
      皆が無事に帰還できてよかったです
      たんたんさん

      読みました✨すごいですね
      実話とは…
      皆が無事に帰還できてよかったです
      2023/01/11
    • 探耽(たんたん)さん
      pさん
      漂流記というより冒険譚ですよね!
      どんな状況でも希望を持ち続けることが大事なんですね。
      pさん
      漂流記というより冒険譚ですよね!
      どんな状況でも希望を持ち続けることが大事なんですね。
      2023/01/11
  • 遭難した16名の船乗りたちが無人島で生活する。実話である。

    彼らが知恵と工夫で生きた無人島生活は爽快だ。読者として、つい微笑みながら、そして応援しながら読んだ。
    規律の中に、個人を尊重し、互いを高め合う関係が出来上がっていたことには本当に感心する。

    楽しい読書となった。
    読了。

  • たんたんさんの感想を見て読みたくなった本

    無人島生活を送った16人のお話
    そして、実話⁉︎
    有名な物語とかじゃないの?ってのが一番の感想でした。

    調査船が座礁で有名なとこで同じ様に座礁してしまい
    無人島生活を余儀なくされる

    若者やお年寄り(実は、そんなにお年寄りでない)
    たちが助け合い支え合い生活する。
    夜の見張り番をしてるときに、海を見てたら悲しくなりあらぬ事考えてしまわないよう若者ではなく老人にさせたり
    運動や作業をして、常に体を動かす
    服を大事に取っておくため、裸の生活を送る
    亀の牧場を作り食事に困らないようにする
    塩を作る

    いろいろな工夫をして生活して無事に全員助け出されてよかった
    無人島生活をし怖い思いをした後も、船乗りとしてまた海に出る人たち
    強すぎる

    • 探耽(たんたん)さん
      pさん
      お楽しみいただけたようで良かったです。
      強い人たちですよね、尊敬します。
      pさん
      お楽しみいただけたようで良かったです。
      強い人たちですよね、尊敬します。
      2023/01/11
  • 無人島に表流し、そこで生活した16人の男たちの物語。

    のみみずの確保や海亀牧場、海鳥やアザラシとの交流など、悲惨な毎日の中に、ユーモラスな一面も。

    これらは実話なんですね。
    全員、無事に祖国の土を踏むことができて良かったです。

  • 児童向けなのかな?
    明治時代の実話らしいが、太平洋の無人島に流れ着き、永遠に助からないかもしれないのに、16人すべてがすべて前向きで、明るい。船長の言いつけを守り、規律正しく、明るく、労働して、怠けるもの、泣き言を言うものは一人もいない。本当ならば奇跡のようだが、もともとは講談社から昭和初期に出た本(児童向け?)なので、こういう書き方なのでは?
    新潮文庫の裏表紙の作品紹介は日本男児たち、とか僕らはとか言う書き方だが、16人は皆大人である。椎名誠も解説で「十五少年漂流記」ならぬ「十六人おじさん漂流記」と書いているのに、これは違うんじゃないだろうか?

  • 明治の船乗り達のバイタリティ半端ないって❗️

  • 音楽劇『無人島に生きる十六人』にものすごく感銘をうけたので原作を読んでみました。

    舞台では『生きる』『信じる』などのテーマで人間の心のうちにスポットが当たっていたのですが、原作はもちろんノンフィクションなので、淡々と事実が書かれていました。
    それでも、この明治時代の船乗りたちの男らしさやたくましさ、どんな状況下でも前向きに日々勉強して、希望を忘れずに過ごしていたことに感動しました。

    アザラシのお話のところも感動でしたし、何より、思ったよりも早く船を見つけて救助されたのが本当に良かったと思いました。

    そして、音楽劇の方は、少しフィクションも加えられていますが、こちらも大変すばらしく、原作もどちらも相乗効果で楽しめました。

  • 漂流物が大好きだから勿論面白く読めた。でもこの本はただの漂流物語ではなかった。年長者の人間性、当時の若者の素直さが無人島でも希望を持って生き抜けた要因だと思うと、いつ、どこでも必要なことなのかもしれないと思う。

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